Facebook、Instagramといったソーシャルネットワークに装備されている、共感や好意的反応を示すためのツールやアイコンに、日本人の感情表現の歴史をみることができないものか。そんなことを思い立って、SNSを検討してみることにした。
SNSの代名詞ともいうべき「いいね」は、他の利用者の投稿に対し、ボタンをクリック(タップ)することにより共感等の意志を示せる機能で、TwitterとInstagramでは「お気に入り」と評価して保存する機能をともなう。
Instagramではハートマーク(♥)をタップして「いいね」を表現するが、Twitterでも、2015年11月3日より星マーク(★)の「お気に入り」からハートマークの「いいね」に変更された(Twitter社自身は、「社会的な要素を備えたコミュニケーションネットワーク」であると規定し、SNSではないとしている)。なお、「いいね」は英語で「Like」、「お気に入り」は「Favorite」に相当する。
Facebookの「いいね!」ボタンは、親指を立てるサムズアップで表わされている。これは、日本では一般的に「Good」を意味する指のしぐさである。
16年1月14日、Facebook日本版ではこの「いいね!」に加えて、5種類のリアクションボタンが新たに導入された。
その5種類は、ハートマークの「超いいね!」、笑顔マークの「うけるね」、目を丸くした「すごいね」、涙を流した「悲しいね」、怒った表情の「ひどいね」である。
こうしたボタンが追加されたのは、不幸や不運な投稿報告などに対して「いいね!」をクリックするのは違和感を覚える、という意見が少なからずあったことによるものだという。
つまり、「超いいね!」「うけるね」「すごいね」は「いいね!」の強調やヴァリエーションで、「悲しいね」と「ひどいね」が利用者から求められていたことになる。