いつまでも君と……

愛犬のために わたしたちができること

(小声で)実は、日本のペット業界ってね…… ~私が経験したペット業界の悲しい裏側~

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文:たのしくいきたい子

私は動物が大好きで、高校卒業の後はペット関係の専門学校に行き、ペット業界で働いていました。そんな私ですが数年前にペット業界を去りました。

その理由は、心が耐えれなかったからです。

今日は私が経験したペット業界の話を書きたいと思います

【目次】

まずは、ペットショップって何?

これから語るペットショップは、下記のように分類されるお仕事です。

分類 日本標準産業分類(平成19年[2007年]11月改定) > 卸売業,小売業 > その他の小売業 > 他に分類されない小売業 > ペット・ペット用品小売業
説明 主として犬,猫,小鳥,熱帯魚などのペット及びペットフード,ペット用品を小売する事業所をいう。
事例 ペットショップ;愛がん用動物小売業;観賞用魚小売業;ペットフード小売業

→スマートフォンはスライドしてく見てださい→

出典:ペット・ペット用品小売業とは - 日本標準産業分類 Weblio辞書

 

ペットショップの数は?

日本全国に、ペットショップってどれくらいあるか、ご存知ですか?

 ペットショップの総店舗数は5,045軒で人口10万人あたり3.97軒。

出典:都道府県別統計とランキングで見る県民性

こんなにペットショップはあります。そしてペットショップの数だけ、幾つもの問題を抱えていることになるわけです。

 

問題その1 誰でもペットを買える(飼えるではない)

 現在日本で犬や猫を飼うとしたら、資格も何もいらず、誰でもお金を出したらペットショップでペットを買えます。なので、ペットショップでは、ペットを飼う資格のないような人達が、ペットを買っていくことがあります

次の話は私が対応したお客様の話です

例:大型犬をマンションで飼育する飼い主さん

ある日「ちょっと相談したいことがあるんだけど」と来店されたお客様
話を聞くと、私の働いているペットショップとは違うペットショップで、大型犬を買ったのだとか……

しかしその飼い主さんの住んでいるマンションは犬が禁止で、鳴かれると困ると――
そして――、どうにか鳴かない方法はないですかと――

なので私は、こう答えました。
「そもそも犬が禁止のマンションで犬を飼うことは難しいです。犬はぬいぐるみじゃないので鳴きます」

そして、「散歩はどうされていますか?」と聞くと……
「見つかったら駄目だから散歩なんてしてないよ」と、当たり前のように言われました。

犬の知識がある方ならご存じのはずですが、大型犬が散歩に行けないというのは、かなりのストレスで耐えられません。

しかし、そんな知識のない方が普通にペットを買っていくのです。

売りたくない人でも、断ることが出来ない

ペットショップで働いていると、時にこの方には売りたくないと思う人がペットを購入していく事があります

現状では、売る側のペットショップが売ることを断れば売買成立は出来ませんが、ペットショップで働いている店員のほとんどが、争いごとを避けるためや、店の利益の為に売りたくない人にも売ります。

ペットショップの利益は、犬、猫を売ることが一番の利益なので、売る側も必死です。

ちなみにペットシーツやご飯などの利益はかなり低いです。

 

問題その2 ペットを売るのに、資格なんていらない

多くの方は、ペットを売る側には、資格が必要だと思っていると思います。
しかし、全く資格なんていりません。

ペットを売る人の中には、アルバイトとして雇われて一週間なんて人もいます。

そんな方がペットを売るのですから、知識のないお客様が来ると、先ほどの大型犬をマンションで飼うという事態に陥ることがあります。

 

問題その3 売れなかったペットはどうなるの?

ペットショップで働いていたときよく聞かれたのは「売れない子はどうなるの?」ということです。

私が働いていたペットショップでは、とことん値段を下げてなんとか売っていましたが、それでも売れないときは店員さんが買って帰ることが多いです。

ちなみに、我が家の可愛い猫と犬も売れ残り。

しかし――、ペットショップによっては山に捨てるという話も聞いたことはあります。

そして――、私の知り合いにが行ってたペットショップでは、店の裏側に40匹ぐらいの、売れ残って大きくなった犬がいて、どうすることもできないという話を聞いたことがあります。

その犬たちは、小さな段ボールに入れられたまま一日を過ごしているらしいです。
もちろん身体は糞と尿まみれだとか……

このままでいいの?

私が思うのは、ペットを売る側、買う側、両方に資格はいると思います。
命を預かるのですから。

車の免許と同様に、飼い主さんに免許を作って欲しいと思います。
飼い主として資格のないことをしたら、車の免許と同じように飼育免許を剥奪するとか。

 

犬のほとんどは、ペットショップから買われるんだよ。

いろいろな問題を抱えながら、今も犬たちはペットショップから買われていきます。それでも救われるのは、ペットショップの店員さんの多くは、動物好きだということ。

色んなことに心を痛めながら、出来る限りのことをしようとします。

日本のペット産業が崩壊しないのは、そんな優しい店員さんたちが現場を支えているからなんじゃないかな。

これは、犬の入手先の割合。(ほとんどがペットショップ)

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出典:一般社団法人ペットフード協会 平成27年 全国犬猫飼育実態調査

こっちは、猫の入手先の割合。(犬ほどではないが、やっぱりペットショップは多い)

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出典:一般社団法人ペットフード協会 平成27年 全国犬猫飼育実態調査

 

日本のペット業界って……

今の日本のペット業界は、無法地帯のような気がします。
そしてきっと私のように、今も5045カ所ものペットショップで、悩んでいる店員さんがいるんじゃないかな?

何の罪もないペット達、私たちを癒やしてくれるペット達が幸せであって欲しいです。

 

文:たのしくいきたい子

※本記事は著作者の許可を得て、下記のブログを元に再構成されたものです。

www.eriza0216neco.net

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