ドイツ総選挙、右翼政党が「トランプ風」戦術
24日行われるドイツの総選挙で、移民排斥を訴える右翼政党AfDの初の国政進出が確実視されています。その選挙戦は、「トランプ風」とも言えるものでした。
AfDの集会のすぐそばでは、AfDに反対する人たちがデモを行っています。
「ナチスは出て行け!ナチスは出て行け!」
今月、ドイツ中部で行われたAfD=「ドイツのための選択肢」の集会。過去の反省から敬遠されてきた移民排斥やナショナリズムを全面に押し出し、ここ数年で急速に支持を拡大しました。
「このままでは我々の国がなくなってしまう。難民が増えて我々が外国人になってしまう」(AfD ガウラント副代表)
最新の世論調査では、議会第3党に迫る勢いで、結党以来、初の国政進出はほぼ確実です。
「遭難とか騒いでいるけど、結局、大挙してやってくるのは犯罪者」
「(イスラム教の女性服)ブルカ?我々はビキニが好きだ」」(AfDの選挙ポスター)
こんな過激なポスターやネットを駆使した選挙戦を展開。
「今こそ変わるとき。既存政党はもう終わり。幸せを祖国に取り戻す」(AfDのPRソング)
AfDが作成したサイトには、「無能なメルケルのせいでテロリストの犠牲になった人98人」の文言が。
「メルケルのせいでドイツはめちゃくちゃだよ」(AfD支持者)
実は、AfDは去年のアメリカ大統領選でトランプ陣営に協力したPR会社と契約し、いわばなんでもありのメディア戦略を担わせているのです。
「トランプ大統領はちゃんと公約を守っている。それにひきかえ、メルケル首相は『国境を閉じることはできない』と言って何もしない」(AfD ガウラント副代表)
トランプ大統領をほめたたえ、トランプ式の選挙を展開するAfDの躍進は難民問題の後遺症が癒えないドイツの現状を映しています。