以前書いたFlektogonの記事でのブツ撮りが思いのほか好評だったので、実際にどんな感じで撮っているのかというのを公開してみようと思います。あくまでブログ用のセッティングなのでガチな商品撮影(ブツ撮り)のようにどこから見ても隙なしというわけではありません。
レビュー書いたりする時にライセンス条件を確認しながら都合の良さそうな写真素材を探すより、現物が手元にあるなら撮ってしまった方が構図も自由が利くし手っ取り早いじゃないかという話です。
撮影場所はリビングの一角
撮影はこのようにリビングの一角にブツ撮りボックスを設置して撮影しています。この写真の背後は全面が窓になっていて撮影するモノによっては自然光を利用したりもしますが、今回はあれこれと写り込みでうるさくなるのでライトを設置した後、全てのカーテンを閉め室内照明もオフにしてしまいます。光は必要なものだけにするのが基本です。
撮影をしながらライトの位置を決めていく
まずは構図と露出の確認します。
ブログ用途と考えれば自然光のみのこの状態でもOKといえばOK。とはいえ、ちょこっと手を入れるだけでクオリティは格段にあがりますし記事のインパクトにも寄与します。
さて、最初に決定しなければならないのは露出と構図。露出については撮影後にレタッチをするか撮影時点でOKカットにするかで変えると良いと思います。
どちらを選ぶかは個人の判断ですが、私はレタッチを前提にしてやや明るめに撮影した方が楽だなと感じます。理由は黒バックの場合、シャドウ部は狭い範囲で微妙なグラデーションをコントロールする必要があり、レタッチ前提で明るめに撮っておくことでそのコントロールが楽になるからです。冒頭の写真でもレンズ周辺にわずかに明るい領域を残して空間を演出しているのですが、このぐらいの加減を撮影時に決めるのはかなり難易度があがります。
露出を決めたらライトを設置してみて被写体の大まかな陰影を掴んでいきます。とはいっても被写体の左後ろか右後ろぐらいから半逆光と覚えておけばだいたい問題ありません。(もちろんプロのライティングはこんな単純な話ではありません)
ちなみにライティングというとストロボ(フラッシュやスピードライトとも言います)でセッティングするイメージですが、ここもあくまでブログ用なので簡単にLEDのビデオライトでやってしまいます。ライトを当てると気になる背景のしわを伸ばしたり、カメラに残った埃をブロアで飛ばしたりしながらライトの位置を決めていきます。
光量がダイヤルで無段階に調整できるので1個といわず2個、3個あると大変はかどると思います。
おおよそのセッティングが決まったのがこちら。レンズの中央に窓の写り込みがあってうるさかったのでこの時点でカーテンを閉めてLEDのみの環境にしています。とはいえ向かって右側がやや暗すぎるので少しだけ明るくしましょう。
ブースの右側に白い布を垂らしてレフ代わりにしてみました。
細かな違いですがレンズの造形などがより分かりやすくなりました。凝りだすと際限が無いのでライティングについてはここまでにしておきましょう。
ここからはレタッチ編といいたいところですが、この記事を書いている途中で書こうと思っていたそのまんまの内容を山写さんが書いてくれていますので続きはこちらへどうぞ。
おまけ
この記事での撮影セッティングは「簡単に」と割り切って進めてきましたが、レンズの写り込みはほんのわずかにライトを動かすだけでもまるで変わります。
先ほどはカメラを床に直に置いていたためレンズのハイライトは床の黒を反映して上半分にしか入っていませんでした。ですが、ミニ三脚や台座などを使ってカメラを浮かせてあげるとスッと綺麗に入ってくれたりしますので、カメラのライブビューを見ながらちょうど良いところを探してみてください。