こんにちは。ウェールズ歴史研究家、たなかあきらです。今回は、エベレストとウェールズの関係についてお話します。
※人工衛星から見たエベレスト全貌
エベレストの面白い事実
世界で最も高い山は?
エベレストで標高は8848m
と言うのは、多くの人がよく知っている事です。それ以外にも、エベレストには面白い事実があります。
・エベレストの頂上の岩は、かつて4億五千万年前には海底にあった
・現在でもエベレストは毎年4㎜成長している
・上るにはガイドや酸素費用を含めて65,000ドル(700万円くらい)かかる
・しかし、山頂を目指す大勢の人で渋滞する。山頂付近のランドマークでは、2時間待ちになることも
・これまでに、5000人以上が登頂に成功するも10%は生きては戻れず
・世界で最も汚い山で、50トンものゴミ、酸素ボンベ、登山道具などが捨てられている
では、エベレストの名前は何処から来たのでしょうか?
エベレストを英語で書くとEverest。
Eve rest でしょうか? (こう分けると「休息のイブ(前日)」の感じ)
それともEver est でしょうか?(こう分けると、「これまでで最も」の感じ)
その答えは、19世紀に活躍したのウェールズ出身の測量士が関係していました。
エベレストが世界最高峰になったのは
イギリスのウェールズでは、305mを超えると山と呼ばれます。ウェールズは山岳地帯が多くを占めるものの、最高峰の山でも高さは1085mです。
何と低い。そう思うかもしれませんが、このウェールズから世界最高峰の山、エベレストの名前がうまれているのです。
現在のエベレスト(チョモランマ)の高さは、1955年の測量した8848mが公式となっています。非公式ではアメリカのチームの1999年の測定では8850m、2005年の中国が測定した値は8844メートルになっています。何れにしても世界最高峰の山であることには変わりはありません。
しかし、1850年代より以前は、エベレストの高さは分かっておらず、世界最高峰として認定はされていなかったのです。
※エベレスト頂上からの映像
エベレストって誰だ?
ジョージは1790年に、ウェールズの中部にあるポウィスで生まれました。ジョージは陸軍士官学校で学び、数学が得意で、特に測量で使う三角法の勉強に優れていたそうです。このジョージが、その後エベレストの存在に大きな影響を及ぼすのです。
ジョージは士官学校を卒業すると、1818年にイギリスの植民地であったインドへ向かいい、イギリス東インド会社のインド測量局で働くことになりました。インド測量局では、三角法を用いたインドの測量を始め、ジョージは主任助手に任命されたのでした。
その任務の中で、ジョージ・エベレストは能力を発揮しました。計器をより使えるように多くの改良や変更を加えたり、故障しても本国に送り返すことなく自分の手で直したりしていました。
インドの南岸からヒマラヤ山麓までの三角測量は、とても負荷の高い仕事でした。簡単な計器や経緯儀(水平および垂直を測定する計測器)を用いた原始的な方法で、25年もの長期間を要するものでした。
ジョージ・エベレストや仲間たちは、砂漠やジャングルの中を何マイルも歩いて測量を何年も続けました。険しい地形は測量を困難にし、厳しい気候もジョージたちの動きを大きく妨げました。とうとう、ジョージが病気になってしまい測量を中断せざるを得ないこともありました。しかし、ジョージは強い決意と意志をもって回復し、測量に戻りました。
ジョージ・エベレストは、1830年には測量局の長官に、1833年には測量局の部長も兼務するようになるなど、測量の前線で活躍しました。ジョージは測量を終えて、1843年に長官の職を公認のアンドリュー・スコット・ウォーに譲り、退任しました。
ウォー長官の時は、ヒマラヤ山脈の計測が行われ、そこで注目された山が「ピーク15」と呼ばれていた山でした。1852年に行われた測量の後で世界最高峰であることが発見され、1856年に当時世界最高峰と認められていたカンチュンジュンガの8582mよりも高い、と報告されたのです。
これが認められ、1865年にジョージ・エベレスト卿の功績がたたたえられ、彼の名前にちなんだ「エベレスト」という名前が付けられたのです。
ジョージ・エベレストは、現地の名前「デヴァドゥンガ」などを尊重したいという考えをもっており、自分の名前が使われることを快く思っていなかったそうです。
また、ジョージ・エベレストは、測量は遠くで行われていたため、まじかでエベレストを見たこともなかったらしいです。
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エベレストのまとめ
最初の問いに戻りましょう。
エベレストの名前は何処から来たのでしょうか?
答えは、ウェールズ人のジョージ・エベレスト卿にちなんで付けられた名前です。
エベレストを英語で書くとEverest。
Eve rest でしょうか? (こう分けると「休息のイブ(前日)」の感じ)
それともEver est でしょうか?(こう分けると、「これまでで最も」の感じ)
答えは、キリスト教から来ているんでしょうか。Eve restが正解のようです。世界最高峰のエベレスト、という意味からすると、Ever-estの方があってそうですね。(ever highest )
おまけ(さまざまな世界一高い山)
・海抜から最も高い山:エベレスト(チベット、中国、海抜8848m)
・地球の中心からみて最も高い山:チンボラソ(エクアドル、海抜6267m)、しかし地球の中心から見ると、エベレストより2100m高い
・世界で最も裾野からの高さが高い山:マウナ・ケア(アメリカ、海抜4205m)、しかし海底から図ると10,203mもある。
最後まで読んでくださり有難うございました。