https://www.d3p.co.jp/HappyManager/
D3パブリッシャーから発売予定の恋愛アドベンチャーゲーム。
プライヤーはしあわせ荘というマンションの管理人になり、マンション管理業務を通じて住人である女の子たちとコミュニケーションをはかったり、彼女たちの生活を垣間見る事ができる・・・という内容である。
一部で期待されていたものの、初報から音沙汰のないまま、数日前には発売時のVR対応を断念して発売後のアップデートで"VR一部対応"と言うかたちのリリースがあった。しかし、今回の東京ゲームショウ2017のビジネスデイの取材で、ゲームメディアIGNが残酷な形で現状を記した。
http://jp.ign.com/happy-manager/17618/preview/ps-vr
現状は一体どうなっているのか?試遊してきた。ビジネスデイの時点でTwitter等で若干(悪い意味で)話題になっていたが、実際にプレイしてみると多くの知見を得られた。
例えば女の子の部屋の本棚にある本はちゃんとタイトルがあり、部屋はぬいぐるみがおいてあるとか、そういった点から女の子のキャラクター性を想像させる様にできている。
色々と言われてはいるが、インパクトのあるモデル。人間の認知で最も優先度の高い要素は顔、とくに目。そういう意味では目力が強いモデルは視線を感じさせられたし、目が合うと恥ずかしいという感覚はもてた。
・・・以上。
これに尽きる。
そもそもデモコンテンツとしての体をなしているとは言い難い。想像するにただ現在開発できている限りのプロトタイプの冒頭部分を遊ばせている状態ではないか。
15分程度のTGS最短の待ち時間で並び始め、順番になると係のお姉さんから『15分程度です』と言われおもむろにコントローラーを渡されるが何をすればいいのかわからない。
ちなみに15分のうち、起動時の読込〜分以上かかる。その後オープニングムービーが流れるが、貴重な試遊時間が削られるのでスキップしたので内容は不明。
"はじめから" "つづきから" というスタート画面が表示されるがどちらで始めればいいのかわからない。
自分は続きからで始めた。が、それまでのプレイヤーのセーブデータ(おそらくオートセーブ)が3つくらい残っており、とりあえず一番上をえらんだ。
試遊の各回が終わるごとにPS4の"アプリケーションを終了する"からルートメニューに戻るのだけれど、その際に画面左上にPS4ストレージ容量やメモリ使用量等のPS4のデバッグ情報らしきものが出力されている。これはもしかして開発機で動作している?(ゲームショウは開発機で出展するのも普通なんだろうか)
UI、見た目のクオリティ、操作感。全てVR対応させようとしていた名残がそのままでボロボロ。
移動の操作が厄介。マップ内に点々とポイントが存在する。そこに右スティックでフォーカスすると、そのポイントまでワープして場所が切り替わる。左スティックでは移動できない。左スティックを倒すとその方向に視界がスライドする。自分の立ち位置が同じまま、急に身長が高くなったり低くなったり、左右にずれる。
ある作業を実行する際には画面内にコントローラーを握ったプレイヤーの手が表示される。どう考えてもVRの名残。
女の子とのコミュニケーションがメインのゲームなのに会話にストレスを感じる。
起動時だけでなく会話の最中も音声データの読み込みのためか?いちいち時間がかかる。
会話に対する選択肢を決定してから相手の女の子が喋るまでに5秒くらいかかる。
何かしないといけないのかもしれないな、と思って見回していると「人と話すときは目を見てください!」と怒られる(でもちょっとかわいい)
というか、エンジン自体の使い方を勉強しながら作っているのか?
UnrealエンジンはVRにネイティブ対応してるから労力かけずに行けるっしょ!からの炎上プロジェクトな感じが否めない。
究極的にはこれ。
VRを断念したせいでいろいろな歪が発生しているとはいえ、では逆にここから想像され得る、VR対応もできた時の本ゲームの本来の理想の形とは一体?このままブラッシュアップされたところで実はゲーム体験のレベルとしては現状とあまり変わらないのでは?という恐怖。
・・・というような惨状。さすが、前述のIGN記事で"ふしあわせ荘を名乗れ"と指摘されただけのことはある。
ちなみにブースで配布されているうちわ、オモテは地球防衛軍、ウラはバレットガールズファンタジア。しあわせ荘は、ない。さらにTGSが始まって以来、しあわせ荘の管理人の公式アカウントはD3P公式のリツイートをするばかりで発言なし。沈黙を守っている。このままでは、しあわせ荘は公式からも無かったことにされるのではないかという不安感。
ある意味Simple1500時代の古き良きD3Pを思い出させるこのゲームであり、たった15分の体験で良くも悪くも心を奪われた。しかしこのままお蔵入りするなら幻のゲームとなってしまうし、ここから発売にこぎつけるなら今のクオリティではなくもう少し立派なゲームになるだろう。恐らくこのゲームを今の状態でプレイするならTGSに行くしかない、チャンスは明日しかないのです。
待ち時間はTGS最短クラスの15分。そしてプレイも15分。一周30分です。
今日は同社の地球防衛軍に比べてあまりに過疎だった本ゲームですが、明日は一人でも多くの管理人さんが集うことを願ってやみません。