2017.09.23 Sat posted at 11:33 JST
(CNN) 日本の「スペース・スイーパーズ」の任務は宇宙の掃除だ。
欧州宇宙機関(ESA)の推計によると、地球軌道上を周回している宇宙ごみは現在1億7000万個。使われなくなった衛星などの人工物が秒速8キロで大気圏外を回っている。これは弾丸の10倍の速度だ。
ごみの塊の一部はトラックほどの大きさに達する一方、1セント硬貨より小さなものもある。ただ、最も小さな宇宙ごみでも他の衛星や宇宙船に対する大きな脅威となっている。
ESAの宇宙ごみ部門トップによれば、軌道速度の1センチの宇宙ごみと衝突した場合、手りゅう弾の爆発と同等のエネルギーが発生するという。こうした事故が起きると破片が宇宙に散乱し、さらなる事故を招くリスクが増大する。
シンガポールに拠点を置く衛星サービス企業、アストロスケールは「スペース・スイーパーズ」と呼ばれる専門家チームを採用。宇宙ごみを大気圏内に引っ張り込み、再突入の際に燃え尽きさせて破壊するために鍵となる技術を開発している。
アストロスケールの伊藤美樹氏は「製造から発射成功に至るまで、極めてやりがいのあるミッションだ」と話す。
同社は現在、東京の開発拠点で2種類の衛星を開発している。
ひとつ目は、1ミリ以下の宇宙ごみに関するデータをリアルタイムで収集する微小衛星。収集したデータは宇宙ごみの最新分布図を作るため使用される見通しだ。
もうひとつは「ELSA」と呼ばれる衛星で、使われなくなった宇宙船を捕獲し除去する。
ELSAは現時点では開発段階だが、衛星を捕獲する方法として磁石などを用いる計画だ。宇宙ごみを捕獲した場合、ELSAはこれを大気圏に突入させて一緒に燃え尽きることになる。
ELSAのデモンストレーション実施は2019年10月を予定している。
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