男性でもエストロゲンの減少はNO?効果・副作用・増やす方法を紹介
エストロゲンの減少は男性にも悪影響があるのでしょうか?女性ホルモンだから関係ない、と思い込んでいる人にこそ危機感を感じてほしい。男性へのエストロゲンの及ぼす効果や増やし方、副作用について、全部お伝えします。
目次
エストロゲンって男性にも作用するの?
「肌が荒れてきたような気がする」「髪の毛が頼りなくなってきた」…そんな変化にドキッとしていませんか?あなたが自身の体に感じている不安や心配。それは、年齢のせいだけではなく、エストロゲンの影響もあるのかもしれません。
エストロゲンは、プロゲステロンと同様、女性ホルモンの代表格。加齢によるエストロゲンの大きな変動は、女性の更年期障害の症状と深い関わりがあります。
では、男性陣にはまるで関係のない話なのかといえば、そんなことはありません。女性ホルモンという名こそついているものの、エストロゲンは男性の体の中にも存在しています。
女性に比較すると少ない量ではあるものの、男性の体においてもしっかりと機能を果たしているホルモンなのです。
男性にとっても無視できないホルモン、エストロゲンの働きやその増やし方について解説していきます。
でも、男性陣のみなさん。エストロゲンの減少は決して人ごとではないんですよ。
女性ホルモンだけど男性でも分泌
女性ホルモン、男性ホルモンとよく区別されていますが、それぞれのホルモンは女性、または男性しか分泌していない、というわけではありません。
ホルモンは血中に含まれて体内をめぐり、さまざまな機能を維持するために働いています。
人が分泌しているホルモンは、全部で100種類以上。中でも、生殖機能に影響し、外見上やまた内面においても女性らしさや男性らしさにつながるものが性ホルモンとされています。
女性であれば、エストロゲンやプロゲステロン、男性であればテストステロンがこれに当たります。異性にとっての魅力に関係することから、心身の若々しさとも切り離せないホルモンです。
その大きな特徴により性ホルモンと呼ばれていながらも、その機能は単純に生殖機能に限るものではありません。全身のさまざまな場所で、実に多くの役割を担っているのです。
エストロゲンの作用
男性の男性らしさを特徴づけている主要なホルモンは、テストステロンです。それに比較すると少ない量ではあるものの、男性もエストロゲンを分泌しています。
もちろん、女性が分泌するエストロゲン量と比べて、決して多くはありません。そのエストロゲンは男性の体の中でどのような働きをしているのでしょうか。
体内では
更年期を迎えた頃の女性が気をつけるべきとされているのが、骨粗しょう症です。それはこの時期、女性のエストロゲン分泌量が激減するため。つまりエストロゲンは、骨の形成や新陳代謝に関わっているホルモンでもあるのです。
またエストロゲンは、血中のコレステロールを良好に保つ働きも持っています。悪玉コレステロールと善玉コレステロール量をコントロールすることにより、動脈硬化や高血圧などのリスクを抑えてくれます。
さらに、エストロゲンは身体の疲労感や自律神経の働きとも相関しているホルモンです。一見無関係であるような男性の精力に作用しているとも考えられています。
体外では
その特性から「美のホルモン」という名でも呼ばれているエストロゲン。体の外側を魅力的に輝かせてくれる作用を持っています。
1つは、肌質への影響。エストロゲンは、肌にとって大切なコラーゲン生成に働くホルモンでもあるのです。しっかりとコラーゲンが満ちた肌は弾力やハリを持ち、若くイキイキした見た目に貢献します。
頭髪もまた、性ホルモンの影響を受けている部位です。頭部の薄毛が進みやすい人の割合に、男女差があるのにお気づきでしょうか。男性に比べ、若い時から薄毛がどんどん進む女性はあまり多くありません。
実は薄毛を進行させるのは、男性ホルモンであるテストステロンの影響。
それに対し、エストロゲンには進行を留める作用があります。髪の毛を育てる働きもあり、美髪を望む人にとっても重要視したいホルモンなのです。
テストステロンから変化
男性女性によって、それぞれの性ホルモンを分泌する量が違うのは、その仕組みが異なっているからです。
女性のエストロゲンが分泌されるのは、卵巣から。視床下部からの指令を受けて、合成、分泌されます。また、少ない量ではあるものの女性の卵巣からはテストステロンも分泌されています。
一方、男性の精巣から主に分泌されているのは、男性ホルモンであるテストステロンです。この一部がエストロゲンに変化することがわかっています。
さらには、男女ともに副腎皮質からDHEA(デヒドロエピアンドロステロン)というホルモンが産生されています。DHEAの一部はテストステロンに変わり、さらに男性の場合はその一部がエストロゲンに変化します。
つまり、性ホルモンは性腺だけでなく、わずかながら副腎皮質からも作られているのです。
エストロゲンというホルモンに関して言えば、女性の分泌は卵巣からであり、男性の分泌は精巣プラス副腎皮質からも行われています。
分泌量は高齢になると減少
体のさまざまな機能は加齢につれて低下していくものですが、性ホルモンの分泌量もその影響を免れません。特にその変化が体調に表れやすいのが、女性です。
女性の生殖機能に関わるものとして生理があり、ある年代にさしかかるとそれは終わりを迎えます。いわゆる閉経であり、その前後で女性ホルモンの分泌量は大幅に減少します。そのため、女性が更年期障害の症状に悩むというのもおかしくはない話です。
一方で男性の性ホルモンの分泌量は、20~30代をピークにゆるやかな下降線を描きます。
もともと少ない量であるエストロゲンも、女性のような激しい変化はないにしろ、次第に減少していきます。ホルモンの変化による不調といえば、女性ばかりが注目されがちですが、男性の体でも十分起こり得ることなのです。
体内で分泌される性ホルモンは、量にするとごくわずかで、女性が一生を通じて分泌するエストロゲンを集めても、せいぜいティースプーンに1杯程度だと言われています。つまり、分量としてはほんのちょっぴりの増減が体のいろんな機能の好不調に反映されてしまうんですね。
エストロゲンの減少は美容と健康に影響
女性ホルモンなんて男性にはあまり関係ないと考えがちですが、エストロゲンは全身の多くの機能に関わるホルモン。
男性であってもその分泌量が減少すれば、美容や健康に思わぬ悪影響をもたらさないとも限りません。
肌がカサカサになる
生理周期の変動による影響を大きく受け、その変化がわかりやすい女性で言えば、一般的にプロゲステロンの分泌が多い生理前の時期は、ニキビや肌荒れが目立つ傾向にあります。
そして周期的にエストロゲンの分泌が多い時期になると、肌が健康的な状態となり安定しやすくなります。
これは、エストロゲンというホルモンに肌へと働きかける作用があるため。
エストロゲンの影響により、肌の真皮層を構成する線維コラーゲンやエラスチンの生成が活性化すると、肌がプルンとしたハリや弾性を持つように。また、肌表面の角層においては必要な水分をキープ、肌のみずみずしさを維持してくれます。
ところが、このエストロゲンが少なくなれば、それに従って肌のハリや潤いもダウン。加齢を示すしわやたるみ、カサカサが目立ってきてしまうということなのです。
自律神経が不安定になりやすい
エストロゲンに限らず、ホルモン分泌の指令を出している脳の視床下部は、自律神経を司る場所でもあります。すなわち、ホルモンバランスの乱れは自律神経の乱れをも呼び起こすのです。
自律神経は、男女を問わず、全身のあらゆる機能を意識せずともコントロールしてくれています。脈拍のペースや発汗の度合い、血管の収縮などが環境や条件に合った働き方をするのは、自律神経のおかげです。
通常であれば、日中体を動かしている時や緊張している時に交感神経が優位となり、就寝時間やリラックスタイムに副交感神経が優位となります。しかし、自律神経が状況にそぐわない働き方をすれば、体のさまざまな場所に不具合を生じてきます。不具合を感じる部位や臓器そのものには機能的な問題がないにもかかわらず、頭痛や不眠、動悸など体の変調を感じてしまうのです。
疲れが回復しにくい
こうした自律神経の状態は、一時の症状のみならず、慢性的な疲労感にも繋がりやすくなります。
眠るべき時に眠れない日が続けば、体の疲労はその日のうちに十分とれず、積み重なっていく一方です。
体内のあらゆる場所で緊張状態が解けなけれぱ、見えない器官においても休まる暇がありません。また、頭痛や肩こりなどの痛みを抱えながらの仕事や生活は、それだけでもストレスになり、精神的にもイライラがつのります。
身体的にも精神的にも無理を重ねてしまうこととなり、疲れが回復しにくくなってしまうのです。
骨が脆くなりやすい
エストロゲンは、女性ホルモンというカテゴリーに収まらない、意外な働きを持っています。
更年期を迎えた女性によく注意喚起されているのが、骨粗しょう症という症状です。エストロゲンの分泌が急激に減少するこの時期の女性に表れやすいと言われていますが、もちろん男性においても注意するにこしたことはありません。
ほかの部位や器官と同様、骨もまた新陳代謝によって常に生まれ変わっています。破骨細胞によって古い骨を壊し、骨芽細胞によって新たな骨を形成しています。
通常双方の働きがバランスの取れた状態であり、この細胞の働きをサポートしているのが、エストロゲンです。
破骨細胞の活動を抑え、骨芽細胞の活動を助けているエストロゲンが減少してしまうと、新しく作られる骨よりも壊される骨の量が上回ってしまいます。そうなると骨密度が低くなり、骨の強度が脆くなってしまうというわけです。
ほんのわずかな衝撃で骨折する、という事態もあり得ます。
薄毛になりやすい
女性に比較して、男性に頭部の薄毛が目立つ割合が多いのは、その原因が男性ホルモンのテストテトロンにあるからです。
体毛は、成長期→退行期→休止期というサイクルにしたがって、伸びたり抜けたりしています。ところが、血中を流れるテストテトロンが頭髪の毛根部分に辿り着くと、5αリダクターゼ酵素と結合、ジヒドロテストステロン(DHT)という物質が合成されます。これは毛母細胞の活動を抑制するものであり、毛の成長を阻害してしまいます。
さらに、体毛のサイクルが乱れて通常より成長期が短くなるため、抜け毛を増やし、薄毛を助長します。そうすると、いわゆる「AGA(男性型脱毛症)」が進んでしまうのです。
女性の場合、テストテトロンを分泌する量が少ないことに加え、エストロゲン量が多いことも、薄毛人口の少ない理由です。
エストロゲンには、ジヒドロテストステロンの作用から毛根を守り、健康な毛髪を育む働きがあります。エストロゲンが少なくなれば、その分だけテストテトロンの影響を受けやすくなり、薄毛が進行しやすくなるのです。
精力が衰え勃起機能に問題
男性ホルモンのテストテトロンは、しっかりとした骨格や筋肉を作り心身の男性らしさを生み出すとともに、もちろん生殖機能にも関わっています。
加齢などが原因でテストテトロンの分泌量が少なくなれば、性腺機能が衰えて性欲が減退し、場合によっては勃起機能にも問題を引き起こします。
一方、男性のエストロゲンは、もともとテストステロンとして合成されたものの一部がアロマターゼという酵素によって形を変えるものです。
アロマターゼ活性が高く、産生するエストロゲンの量が多くなれば、それと引き換えにテストテトロンは減少します。それにともなって、やはり精子が減り、性欲減退しやすくなります。
では、男性の生殖機能にエストロゲンは無用なのかと言えば、そうではないようです。近年の研究では、男性にエストロゲンが不足した場合においても、テストテトロンの欠乏時と同様、精力が衰えるという結果が出ています。
男性の精力と一見無関係であるようなエストロゲンが少なすぎても、性機能に問題が出てくるのです。
生活習慣の改善で減少を防止
みなさん、心がけ次第でエストロゲンの減少を防止する方法もあるんですよ。
性ホルモンの分泌量には個人差があり、各々の睡眠や食事、運動など生活習慣の影響を受けることがわかっています。ということは、日々の生活の送り方次第で、性ホルモン分泌量の低下を食い止めることができるのです。
良い生活習慣といっても、具体的にはどのようなことを意識すればよいのでしょうか。
早寝早起きでホルモンバランスを調整
まず生活習慣の要といえば、1日のうちで大きなウエイトを占める睡眠です。日中に活動した疲れを夜間の睡眠でしっかりととるというリズムを作れば、自律神経がバランスよく働き、ホルモンバランスも整いやすくなります。
睡眠中に盛んに分泌されるホルモンとしては、成長ホルモンが有名です。成長ホルモンと言えば、子供から大人へと体を大きくするという働きが思い浮かびます。しかし、成長ホルモンの働きはそればかりではなく、体が成長した後も、代謝や免疫、精神面の安定に関わっています。
つまり、眠っている間に成長ホルモンを十分に分泌させることが、疲労回復やアンチエイジングの1つの鍵なのです。
成長ホルモンは、眠り始めの3時間に多く分泌されると言われています。特に22時~2時の時間帯に多いとされているので、このタイミングを目標に布団に入るのがおすすめです。
早寝早起きで得られる良質な睡眠は、ホルモンや自律神経、細胞の修復などさまざまな機能に連携しています。健やかな体を保つのに大切な条件と言えるでしょう。
軽めの運動でストレスを発散
成長ホルモンが活発に出るのは寝ている間だけではありません。運動による筋肉の刺激によっても、分泌量が増加します。
増加するタイミングは、運動後の30分から3時間。毎日意識して体を動かせば、その分だけホルモンアップの可能性が高まるのです。
また、性ホルモンやその材料となるDHEAの分泌量も、運動の継続で変化することがわかっています。年齢を重ねて分泌量が減少傾向にある人でも、再び増加することが十分期待できます。
運動のポイントは、少し筋肉が刺激されていると感じる程度に行うこと。好きなスポーツ種目のほか、ウォーキングや軽いスクワットなどでもかまいません。
わざわざ時間がとれないのであれば、会社ではエレベーターを選ばずに階段を使う、スーパーに行く時は入口から遠い位置に駐車して歩く、などそれぞれの生活スタイルに合わせて工夫してみてください。
軽めの運動は知らず知らずのうちにストレスを解消し、それとともにホルモン分泌を促してくれます。
ただし、あまりにがんばりすぎては逆効果。息切れするほど体を激しく動かしては、かえってストレスとなり、ホルモン減少という結果になりかねません。
各自の体力に合ったほどよい運動が、ストレス解消とホルモンアップのコツです。
積極的に恋をする
恋愛と性ホルモンはなにかしら因果関係がありそうに思えます。誰かに恋心を抱けば、ドキドキときめいたりほかでは得られない幸福感に満ちたりします。
その特別な感情は、快感を呼び起こすドーパミンや満ち足りた気分を感じさせるセラトニンという物質が脳内で分泌されるからです。
では、性ホルモンも?とつい期待してしまいますが、恋愛が直接的にエストロゲンを増やす効果は、女性であっても確認できていないようです。
もちろん好きな相手を意識するようになれば、生活全般にやる気がアップ、自然と活動的になることが考えられます。睡眠、食事、運動など各方面が良好な状態に向かうことから、遠回りの道を辿りながらも性ホルモンアップに繋がるのかもしれません。
漫然とした生活を送るより、積極的に恋に挑んだ方がその可能性はぐんと高まるはずです。ホルモン増加を望むなら、ぜひ新しい恋にチャレンジしてはいかがでしょう。
倫理的に問題がある、という家庭環境にある人はためらうかもしれませんが、その場合、有名人への疑似恋愛でもOKです。画面の中や舞台の上に、ぜひ憧れの人を探してみてください。もちろん、パートナーに新たな恋心を抱き、ときめくのも良い方法でしょう。
エストロゲン増加のため食事の改善
生活習慣を改善する観点として、食事を忘れるわけにはいきません。睡眠や運動と並んで重要な要素であり、体のあらゆる活動のエネルギー源です。
食事内容や食事のとり方は、人の健康を左右します。もちろんホルモン分泌もその影響を逃れられません。
どのような食事をとればエストロゲン増加に繋がるのか、考えていきましょう。
暴飲暴食を避けて栄養バランスを考える
ホルモン分泌はもちろんのこと、健康を維持するためには、1日3食、栄養バランスに配慮した食事が基本です。
体が欲するがままの暴飲暴食は、体調不良を招き寄せるもと。規則正しい食事のリズムを念頭に置き、栄養バランスの組み立てを見直してみましょう。
厚生労働省では、「日本人の食事摂取基準」を定め、公開しています。2015年度版から、主要な栄養素についてピックアップしてみました。
栄養素 | 食事摂取基準(男性18~69歳) |
---|---|
1日の摂取カロリー | 2,650kcal/日(18~49歳) 2,450kcal/日(50~69歳) |
タンパク質 | 60g |
炭水化物 | 50~65% |
脂質 | 20~30% |
食物繊維 | 20g/日以上 |
栄養素の知識があり、ここから具体的な食事量をイメージできるのならよいのですが、これを日々厳密に実践していこうとすれば少し面倒を感じるかもしれません。
一方、農林水産省では、「食事バランスガイド」を掲載しているので、こちらもチェックしてみましょう。
食事の種類 | 1日分の食事バランスガイド(男性18~69歳) | 1つ分の目安 |
---|---|---|
主食 | 6~8つ | ごはん小盛り1杯分、食パン1枚など |
主菜 | 4~6つ | ハンバーグ1/3、焼き魚1/2など |
副菜 | 6~7つ | 野菜小鉢1皿など |
牛乳・乳製品 | 2~3つ | 牛乳コップ半分、スライスチーズ1枚など |
果物 | 2~3つ | みかん1個、りんご半分など |
こちらは、個人の活動量の違いによって全体のエネルギー量を考え、それに合わせてバランスを調整すればOKという考え方です。
1日分の目安として、完成した料理の量をそれぞれイメージできるようになっています。大まかな栄養バランスを把握するのに便利なので、活用してみてください。
エストロゲンを増やすおすすめ食材
さて、基本的な栄養素をふまえたうえで、ここからは特に、エストロゲン増加にスポットを当てたおすすめ食材を紹介していきます。
以下のような食材を意識的に多くとることで、あきらめかけていた若さやエネルギーをその手に再び取り戻すことができるかもしれません。
イソフラボンの多い大豆製品
エストロゲン増加を狙うのなら、なんといってもおすすめの食材は大豆製品です。かねてよりその栄養価の高さが知られていましたが、近年になってさらに含まれる成分の詳細が明らかになってきています。
サポニン、レシチンと並んでその効能に注目されているのが、大豆イソフラボン。
大豆イソフラボンは、ポリフェノールであるフラボノイドの一種であり、その化学構造としてエストロゲンときわめて類似した形をしています。ということは、大豆イソフラボンをとると、エストロゲンの働きと同様の効果が期待できるのです。
大豆を毎日食べるとなるとハードルが高いように感じますが、日本の食生活は、大豆が形を変えた食材が意外に多いもの。
豆そのものはもちろん、豆腐や納豆、油揚げ、きなこも大豆製品であり、豆乳という飲み物、味噌、しょう油といった調味料もそうです。
主な大豆製品のイソフラボン含有量は、次の通りです。
大豆製品 | 100gあたりのイソフラボン含有量(平均) |
---|---|
豆腐 | 20.3mg |
油揚げ類 | 39.2mg |
納豆 | 73.5mg |
きな粉 | 266.2mg |
しょう油 | 0.9mg |
味噌 | 49.7mg |
これらの食品をできるだけ日々の食事にとり入れることを意識しましょう。調理する時間が取れない、食材に飽きて続かない、といった場合には、サプリメントという方法も効果的です。
しかし、性ホルモンと同様の作用があるという性質上、過剰摂取すればホルモンバランスを崩すのではないか、体に悪影響があるのではないか、という心配もあるかもしれません。
食品安全委員会では、1日に摂取する大豆イソフラボンアグリコンの目安として、70~75mg/日を上限の数値としています。サプリメントなどで摂取するなら、30mg/日まで。
これらの数値は、長期間継続して摂取することを想定した値であり、1度超えたからといってすぐさま健康被害があるというものではありません。
この上限値を頭に置いておく限りは、副作用の心配はしなくてよさそうです。
大豆イソフラボンアグリコンの「アグリコン」とは何?
大豆や大豆製品に含まれているイソフラボンの多くは、糖と結合した配糖体という形をしています。これが体内で吸収されるのは、腸で分解され、糖と切り離された形となってから。その形をアグリコンと呼んでいるのです。
血行促進にも期待のローヤルゼリー
ローヤルゼリーもまた栄養価に優れた食品です。ローヤルゼリーは、ハチミツを栄養源とするミツバチの世界で、女王蜂だけが生涯食べ続ける特別食。
生まれた時はほかの蜂と変わらない大きさであっても、この特別食を摂り続けることによって、働き蜂の2~3倍のサイズに成長します。寿命は30~40倍に延び、日々1,500個の卵を産める体に。そんな女王蜂の体を作り上げる秘密がローヤルゼリーにはあるのです。
中でも、ローヤルゼリーでしか得られない成分とされているのが、脂肪酸の一種である「デセン酸」。
このデセン酸は、体の中に入るとエストロゲンの性質に近い物質となります。よって、健康美容さまざまな面においてエストロゲンと同様の役割を果たしてくれることが期待できます。
ローヤルゼリーはそのままの形で販売されていることはあまりなく、健康食品やサプリメントという形がほとんどです。サプリメントにおいては、デセン酸の含有量がその品質の決め手の1つとなっています。
ローヤルゼリーの成分にはまだわかっていない部分もあるのですが、デセン酸のほかにも、15種類のアミノ酸や10種類以上のビタミン、ミネラル類などの栄養素が豊富。
血行促進や代謝力のアップから、病気の予防やアンチエイジングにも期待が寄せられます。
ビタミンや酵素たっぷりのプラセンタ
化粧品やドリンクに美容成分として配合され、サプリメントという形や医療分野でも活用されているプラセンタ。
哺乳類の胎盤を原料として抽出されるものであり、小さな生命を育む力を秘めた成分です。具体的には、アミノ酸や糖質、脂質といった三大栄養素のほか、ビタミン類や酵素、核酸など胎児の成長に必要な栄養素がたっぷり。
プラセンタの成分は、大豆イソフラボンやローヤルゼリーに含まれるデセン酸のように、エストロゲンに代わる働きを有しているわけではありません。ですが、ホルモンバランスや自律神経バランスを調整して、正常へと向かわせる作用があるとされています。
保険が適用される更年期障害の治療には人間の胎盤を原料とした注射薬が用いられますが、そうでなければサプリメントという形での摂取が一般的でしょう。こちらは、馬や豚などの胎盤をもとに作られています。
精力で定番のマカ
最後にもう1つおすすめしたいのが、マカです。
アンデス山脈を故郷にする植物で、地元では滋養強壮や精力アップに優れた食物として長い歴史を持っています。
中でも特徴的な成分がアルギニンです。そのパワーから次第にマカの名が知れ渡るようになり、現代では精力増強の定番ともなっています。
しかし、マカに含まれる成分はほかにもアミノ酸やミネラルなど豊富。その効能も、精力の方面に限らず、免疫力アップや生活習慣病予防、スキンケアなど多岐に渡るものです。
さらには、ホルモンバランスを整える作用があり、そういった意味ではエストロゲン増加をもサポートしてくれる食品です。
ただ、植物とはいってもその辺りのスーパーの野菜コーナーで手に入るものではありません。粉末やドリンク、サプリメントを、ドラッグストアや通販などで購入することができます。
一方、大豆製品は食材として身の回りに数多く存在するので、調理やメニューの組み立てが苦にならない人は利用するとよいでしょう。
しかし、食材の調達や分量の計算を日々継続していくのは、思ったより大変なもの。ちょっと無理かもしれない、と思った時には、やはりサプリメントが役に立ちます。
エストロゲン対策サプリTop5
サプリメントでは、食事でまかないきれない栄養素や希少な成分を、各自の悩みに応じて摂取できます。
医薬品とは違ってドラッグストアやネット通販などで簡単に購入でき、どんなライフスタイルでも取り入れやすいのもメリットです。
それはエストロゲン対策にも当てはまること。ここでは、エストロゲン対策にぴったりのサプリメントをピックアップしてみました。おすすめのTOP5を紹介していきます。
大塚製薬「エクエル」
大豆イソフラボンのうちのダイゼインという成分は、体内に入った後、腸内でエクオールという物質に変わることがあります。
このエクオールとは、大豆イソフラボンそのままよりも、よりパワーアップした働きが期待できるもの。大塚製薬の「エクエル」は、このエクオールに着目したサプリメントです。
というのも、ダイゼインをエクオールに変えるには必要な腸内細菌があり、腸内環境によっては必ずしも誰もが産生できるものではないから。また、例え産生できる人であっても、エクオールの性質から何日もの間体内に留めることは不可能なのです。
そこでエクオールの研究を重ねた大塚製薬が発見したのが、ラクトコッカス20-02という乳酸菌。エクエルは、この乳酸菌の力を借り大豆をあらかじめ発酵させておくため、初めからエクオールという形で経口摂取できるサプリメントです。
エクオールを作れる人もそうでない人も、日々継続して大豆のパワーが得られます。
商品詳細 | 内容 |
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主要な原材料 | 大豆胚芽発酵物 |
注目の成分 | S-エクオール、大豆イソフラボン(アグリコン) |
容量 | 1箱112粒(28日分) |
1日の摂取目安量 | 4粒 |
価格 | ・通常価格:4,320円(税込)送料無料 ・定期お届け便:4,104円(税込)送料無料 |
みんなの口コミ
- 5/5 点すごく効果ありました
- 5/5 点
メディアなどで取り上げられることも多く、豆腐、納豆などの大豆製品の良さは世に浸透している様子。 ただ、エクオール産生できない体質の人は、いくら大豆製品を食べていても、望むような好結果を得られないようです。
食べているのにどうして?という人は、体内でエクオールが作れないでいるのかもしれません。そんな人が「エクエル」を摂ると、食品としての大豆製品だけを食べていた時とは明らかな体調の変化を感じるようです。
また、「エクエル」は、積極的に大豆製品をとりたいけれど生活スタイル上難しいという人にも、有効な手段となっています。
full-me(フルミー)「MACA MIU」
full-meの「MACA MIU」は、その名の通りマカを主体にしたサプリメントです。
この商品のマカに注目すべき点は、ペルーからの輸入品ではなく、国内で育てられたものを使用しているということ。
ペルーでは、海抜4,000mのアンデス山脈で育つマカ。それを日本というかけ離れた環境で栽培することに成功、しかも含まれる有用成分は本場のマカを超えるものとなっています。
マカの不思議なパワーを生み出す成分、ベンジルグルコシノレートはペルー産のものと比較して十数倍。ギャバ、リジン、アルギニンなど数多く含まれるアミノ酸は、どれを見ても輸入マカを上回る数値です。
そのうえ、「MACA MIU」は、ショウガ、葉酸を加えているので、妊活中の体作りにぴったり。女性はもちろん、夫婦そろっての使用にも人気の高い商品です。
商品詳細 | 内容 |
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主要な原材料 | マカ粉末(国産)、ショウガ抽出物、葉酸 |
注目の成分 | ベンジルグルコシレート、ギャバ、リジン、アルギニン、プロリン |
容量 | 1本90粒(約1ヶ月分) |
1日の摂取目安量 | 3粒 |
価格 | ・単品購入価格:7,980円(税抜)送料無料 ・定期便レギュラーコース:初回2,980円(税抜)、2回目以降4,980円(税抜)送料無料 ・定期便しっかりコース:初回5,980円(税抜)、2回目以降9,000円(税抜)送料無料 |
みんなの口コミ
- 5/5 点疲れた体にとてもいい
- 3.6/5 点普段より元気に活動できている
こちらの商品は、もともと男性向きというイメージのあるマカを、女性、特に妊活中の人にも手に取りやすくしたものなので、女性からの口コミが目立ちます。
男性に元気を与えてくれる成分は、女性にも気力体力をもたらしていることが伺えます。赤ちゃんを待っている女性はもちろん、子育て世代、その親世代など、幅広い年代から支持されているようです。ニオイや味がなく、形状的にも飲みやすい、という感想もありました。
やわた「ローヤルゼリーとプラセンタ」
エストロゲンに似たデセン酸を含むローヤルゼリーと、ホルモンバランスをコントロールしてくれるプラセンタ。この両方を1度にとれるのが、やわたの「ローヤルゼリーとプラセンタ」です。
どちらの成分も気になって迷う、という人にはこちらがおすすめ。ローヤルゼリーには16種類、プラセンタには20種類のアミノ酸を含み、コラーゲン生成に役立つことから、美容を気にしている人にも人気です。
使われているプラセンタは豚由来のもの。それを熟成発酵させることで、豊富な美容成分がさらに増しています。日頃の活力、そして特に肌の潤いに自信を失いかけている人に適したサプリメントと言えるでしょう。
商品詳細 | 内容 |
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注目の成分 | ローヤルゼリー、デセン酸、発酵豚プラセンタエキス粉末 |
容量 | 1袋60粒(約1ヶ月分) |
1日の摂取目安量 | 2粒 |
価格 | ・通常価格3,240円(税込)+送料216円 ・らくらく定期便3,078円(税込)+送料216円 |
みんなの口コミ
こちらの商品の口コミを見ると、ローヤルゼリー、そしてプラセンタという成分名には、やはり肌の不調を感じている人が引き寄せられています。スキンケアだけでは補えない肌の乾燥や、野菜を十分に摂っていてもおきてしまう肌荒れ、そんな肌悩みを次第に解消してくれているようです。
また、見た目の変化だけではなく、「苦手だった朝も活発に動けるようになった」「1日の終わりに疲れにくくなった」という声もありました。
フローレス化粧品「母の滴 サラブレッド 100」
「母の滴 サラブレッド 100」は、原料、製造過程ともに安全性や品質にこだわって作られているプラセンタのサプリメントです。原料は馬由来の胎盤。広い北海道の地で育ったサラブレッド馬のもののみを使用しています。
しかも、命を育むパワーを持っているプラセンタに加え、へその緒であるサイタイのエキスも配合。天然のヒアルロン酸に富んだサイタイをブレンドすることにより、健康プラス美容と高い水準の効果が期待できるものとなっています。
プラセンタの品質を表すタンパク質量は、実に98.8%。年々衰えていく元気と活力を補って余りある力を秘めています。
商品詳細 | 内容 |
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主要な原材料 | 馬プラセンタエキス末、馬サイタイエキス末 |
容量 | 1袋60粒(約1ヶ月分) |
1日の摂取目安量 | 2カプセル以上 |
価格 | ・通常価格:6,500円(税抜)送料無料 ・定期便:6,500円(税抜)送料無料 |
みんなの口コミ
- 5/5 点年末の激務を乗りきれそうです!
- 4/5 点効き目実感!
プラセンタの原料をサラブレッド馬に限ったこの商品。それだけにほかよりもお値段が高めの設定となっています。
ただし、迷った末にこちらを選んだ人も、納得の結果に満足している様子。肌や体調に明らかな改善や即効性を感じているという声が多く見られました。
美容だけでなく、健康の面でも良好な変化があるようです。1箱あたりとしては値段がはるけれど、結果的にお得なのでは、という意見もありました。
アサヒグループ食品「マカ×ザクロ・大豆イソフラボン」
「今の自分にどんな成分がよいかわからない」「まずは少し試してみたい」という人なら、手軽な商品から始めてみるのもよいでしょう。
こちらのサプリメントの成分はマカを中心に、ザクロエキス、大豆イソフラボンと、エストロゲン様の性質を持つ二大成分を配合しています。
1日分が約70円とコスパがよい点でもおすすめ。飲料や食品を扱っているアサヒグループ食品が国内の自社工場で製造しているから安心です。
若々しくハツラツとした毎日をサポートしてくれます。
商品詳細 | 内容 |
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主要な原材料 | マカエキス末、ザクロエキス末、大豆イソフラボンアグリコン |
容量 | 1袋40粒(20日分) |
1日の摂取目安量 | 2粒 |
価格 | ・参考価格:1,260円(税抜) ・Amazonにて945円(税込)~ 送料別 ・楽天にて928(税込)~ 送料別 |
みんなの口コミ
- 5/5 点続けなきゃって思うサプリ
- 4/5 点体温が安定
成分の組み合わせに特徴があり、マカもイソフラボンも気になるという人にとって便利なサプリメントとなっています。
ホルモンバランスの乱れから疲労を感じやすくなっている人も、飲んだ時と飲んでいない時の違いを実感しているようです。基礎体温が上がりやすくなることから、妊活中の女性や冷え性の人にも高評価を得られています。
ただ他の多くのサプリが1ヶ月分入りなのに対し、20日分であるという点は少しマイナスポイントと感じられているようです。
エストロゲン摂取の注意事項
ここまで見てきたように、男性であってもエストロゲン分泌量と若く元気に満ちた体とは決して無関係ではありません。
しかし、エストロゲン量が多ければ多いほど良いのかといえば、それは違います。最後に、エストロゲンに関して注意すべき点をお伝えしていきます。
エストロゲン値が高すぎると病気の可能性
男性が分泌するエストロゲンの量は、一般的には年齢が上がっていくにつれてゆるやかに減少していきます。しかし、体に明らかな異常を感じていない限り、わざわざその数値を計測し、自分で把握していることはまずありません。
全身のさまざまな場所で機能を果たした後のエストロゲンは、最終的には肝臓に運ばれて分解されます。ところが、肝臓で肝硬変やなんらかの機能障害を起こしている場合には、エストロゲンの分解がスムーズに行われないのです。
そうすると、自分でも気づかないうちに体内のエストロゲンが過剰になっています。逆に言えば、エストロゲン値が高すぎる人には、肝臓の病気が潜んでいる可能性があるということです。
女性化乳房のリスク
男性の体内においてエストロゲンが過剰になると、女性のように乳房がふっくらとする症状が出ることもあります。
遺伝的な要素以外で発症するものは続発性女性化乳房症と呼ばれ、上記のような肝臓機能の低下を起因としてエストロゲンが増している場合のほか、加齢や薬剤の副作用が原因となることがあります。
特に他の病気の心配がなく、ホルモンバランスの乱れによって乳房が膨らんでいるのだとしても、思いがけない体の変化は心身の悩みとなるものです。
体にとってメリットの多いエストロゲンではあるものの、男性にとってはテストテトロンとのバランスがとれた状態が望ましいのだと認識しておいてください。
ホルモンバランスを整え美容と健康を改善
更年期の多くの女性が気にかけているエストロゲン。実は男性にとっても軽視できないホルモンであることを知っていただけたかと思います。
加齢や多忙によるストレスなど、ホルモンバランスを崩しかねない要素は身の回りに溢れています。どの年代にあっても、活力に満ちた毎日を送りたいもの。ぜひ自分に合った方法でバランスを整え、美容・健康ともに満足のいく結果を手に入れてください。