□感想
インド映画で、インド本国で歴代1位の興行収入を記録した話題作!
今レビューを書きながら私はとても困ってます。
なぜなら文字では伝えきれないほどの傑作だったからです!
言葉が整理できず1週間以上レビュー書けずに今日に至りましたw
試写会に呼ばれたので何も前情報を入れずに試写室へ。
ニューデリーと思われる空港からコミカルに物語が始まり…
気づいたら映画に登場する主要人物たちの魅力に完全にハマっていました。
たくさん笑って、たくさん泣いて、たくさん踊って、たくさん歌って…
そして社会問題にまで切り込んでいく!
170分の長尺中に撒かれた伏線たち最後はこれでもかと言わんばかりに見事に収まる!
しかもその最後の爽快感たるや!!!!
映画の魅力の全てがここにありました!
全ての人、全ての日本人に観てほしい、本当に本当にオススメの映画なのです。
ここから長文書いていきますが細かいことはいいですから劇場行ってくださいよ!
笑顔になれますよ。
元気出ますよ。
涙も流しますよ。
音楽最高ですよ。
踊りたくなりますよ。
そして何度も観たくなりますよ。
本当に本当に本当にオススメです!
しつこいですが最初にとにかく凄い作品であることをこのように伝えておきましょう!
□インド映画の魅力が詰まっている
私インド映画は時たま観るくらいで全く詳しくないですが、
このタイミングを良いことに少しばかり調べてみました。
インド映画は別名マサラムービーと呼ばれているようです。
マサラ=ミックススパイスのことです。カレーの国ならではですよね。
つまりミックスてんこ盛りムービーと言うことです。
ナヴァ・ラサという9つの情感を取り入れるのがインド映画の基本のようです。
9つとは以下の通り。
・シュリンガーラ (恋心/ロマンス)
・ハースヤ (笑い/ユーモア)
・カルナ (悲しみ/涙)
・ラウドラ (怒り/復讐)
・ヴィーラ (勇猛/アクション)
・バヤーナカ (恐怖/スリル)
・ビーバッサ (嫌悪/敵)
・アドブタ (驚き/サスペンス)
・シャーンタ (平安/ハッピーエンド)
要するに全部入り(笑)
しかしこれがインド映画の基本なのです。
よってマサラムービーと呼ばれるのです。
その極限を極めたのが本作『きっと、うまくいく』なのでしょう。
そりゃインド映画歴代興行記録を持っていて、
公開年のインドアカデミー賞16部門受賞とかとんでもない記録持ってますから(笑)
ちなみにインドはアメリカ以上に映画が製作されているんですよ。
カースト制度が未だ残る国、格差も当然ある国です。
そんな国だからこそエンターテイメントに集中できる映画はテレビ以上に国民的な娯楽なのです。
映画の最中くらい世の辛さは忘れて楽しもう!
そういうことなのでしょう。
苦しい中でもそういった国民性ってとても素敵だなと思いましたよ。
全部入りだからこそ、どんな人にも楽しめる要素がそこにあるのでしょう。
シンプルな映画も大好きですが、このてんこ盛り感から日本にはないパワーを貰えました。
未だ成長の続くインドのパワーをこういった映画事情からも垣間見ることができます。
一度インドに行ったことがあるのですが久々に行きたくなってきました。
インド映画の最高峰ですし是非この1本くらい観ましょうよ、皆さん!
□全部入りでも破綻せず見事に機能している完璧な脚本
この映画の何が魅力かと聞かれると正直困るんです。
なぜなら前述の通り全部入りだからです(笑)
しかし全部入りでも脚本が見事に機能していてわかりやすく、そして着地点が完璧です。
料理において全部入りだとバランス良ければ贅沢だけれど、
バランス悪いと胸焼けしますよね?
映画もそれと同じだと思うんですが本作はバランスが良く本当に贅沢な映画になっております。
インドの超エリート大学ICEでの学生生活を3人の学生を軸に描いていく本作。
自由人で天才な実質主人公のランチョーとファラン、ラジューの2人。
この3人の笑いあり、涙あり、悲劇あり、喜劇あり、歌あり、踊りありの生活がメインストーリーです。
それと別に10年後のある1日が同時進行で描かれます。
その2つの時間軸を行ったり来たりする構成がまあ見事でして。
とんでもない情報量なのに最後は完璧に幕を下ろします。いやはや見事。
ナヴァ・ラサという9つの情感を取り入れているので一瞬足りとも飽きさせません。
プラスして本作はインドの社会問題からも逃げずに扱う姿勢を示しています。
インドは学生の自殺が多い国なのです。
プレッシャーから自殺する大学生が後を絶たないようです。
そういった悲劇も本作は描きます。
その描写は胸を打ち、苦しくなるシーンでもありますが、
それら悲劇を克服し一歩ずつ未来へ向かって歩いていく学生たちの姿に元気を貰えます。
ナヴァ・ラサ(9つの情感)が見事に機能している証拠でもあるのでしょう。
□歌とダンスがムカつくくらい楽しいw
インド映画お決まりの歌とダンス、正直言って細かい脚本とか置いといてこれだけでも観る価値ありますw
日本語タイトル『きっと、うまくいく』が示すメインテーマ曲"Aal izz Well"。
この歌とダンスがまあ面白くて面白くてw
この中に混ざりたいと思いましたもんw
そして"Give me more sunshine"には泣かされる…
このやろ!人の感情を弄びやがって!とでも文句いいたくなりますよw
これもまた名曲です。
そしてエンディングへの伏線にもなっている"Zuuby Dooby"。
このミュージカルシーンが映画内で最もお金かかってますw
まあ面白い面白いwこの曲調は鑑賞しながら少し意識的に記憶しておいてください。
クライマックス大爆笑できますからw
3曲、音源的な動画だけペタッと貼っときますねw
映像は劇場で観てください!劇場へ行くんだ皆の衆!!
"Aal izz Well"
"Give me more sunshine"
"Zuuby Dooby"
中毒性高すぎる曲たちwww
□たくさんのエピソード1つ1つが私たちの明日の糧となる
とにかく面白くて感動できて笑えて笑顔になれる全部入りの傑作映画です。
観た方々と語り合いたくて仕方ないですよホント!!
お気に入りのシーンや感動したシーン、関心したシーンを上げたらキリがないですよ。
・飛行機引き返すオープニング
・汚い裸での007オマージュw
・ランチョーの登場シーンで即席武器で応戦したとこw
・宇宙ペンのエピソード(これは最後感動エピソードへの伏線!)
・"Aal izz well"のミュージカルシーン
・学生自殺という現実を見せつける苦しいシーン
・いきなりモノクロになり演出で爆笑しつつ実はシリアスなシーンだったとこw
・値段にうるさい馬鹿男のエピソードw
・下ネタヒンディー語で場内大爆笑なシーンwww
・ランチョーVS学長のやり取りで見られる問題提起の数々
あーもうこれキリがないのでやめます!!w
本当に素晴らしい映画だったのです。
褒めるシーンがてんこ盛りとか恐ろし過ぎるだろこの映画www
年間ランキングはその時の気分もあるので後で変わる可能性もありますが、
現時点では熱量もあって今年ナンバー1の傑作だと私は思ってます!!
小規模公開ですが、『最強のふたり』のようにロングランでヒットになることを心より願っています。
この映画実はインドでは2009年に製作されたのです。
やっと・・・やっと・・・やっと日本で公開となったのです。
遅いなあ・・・とも思いつつ、この映画を日本で公開させるために尽力された配給会社の方々には最高の映画を観る機会を作ってくれたこと、心から感謝申し上げます。
劇場公開したらもう一度足を運びます。
いや何度でも運びますとも!
ランチョー始め、奴らに会うために!!
何度でも!何度でも!何度でも!!
□基本情報
邦題
『きっと、うまくいく』
原題
"3idiots"
監督
ラージクマール・ヒラニ
出演
アーミル・カーン、カリーナ・カプール、R・マドハヴァン、シャルマン・ジョシ、オミ・ヴァイディア
公式サイト
http://bollywood-4.com/index01.html
ストーリー
行方不明だったランチョー(アーミル・カーン)が街に戻ってくると聞き、ファルハーン(マドハヴァン)とラージュー(シャルマン・ジョシ)は母校に向かう。10年前、三人は名門大学の学生だった。真っすぐなランチョーは異議があれば学長にすら物申し、好きなことに打ち込んでいた。しかし、ランチョーと学長の娘・ピア(カリーナー・カプール)が接近したことから、3人は卒業目前で退学を言い渡されてしまう。(シネマトゥデイより)
予告編