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【社会】

電通違法残業で即日結審 高橋まつりさん母「働く人の命、絶対守って」

記者会見する高橋まつりさんの母幸美さん=22日午後、東京・霞が関の厚労省で(池田まみ撮影)

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 広告大手電通(東京)の違法残業事件で、労働基準法違反罪に問われた法人としての電通に対する二十二日の東京簡裁での初公判。山本敏博社長は「深く反省している」と謝罪した。検察は罰金五十万円を求刑し、即日結審した。判決は十月六日。過労自殺が労災に認定された新入社員高橋まつりさん=当時(24)=の母幸美さん(54)は公判後、厚生労働省で記者会見し、電通が再発防止策を着実に実行するようくぎを刺した。 (岡本太)

 「社長をはじめ、すべての従業員が強い意志を持ち、労働環境の改善に取り組んでいってほしい」。傍聴席で山本社長の発言を見守った幸美さん。高橋さんが入社直前の二〇一五年三月、卒業旅行で訪れた米国で撮ったという写真とともに記者会見に臨んだ。「公の裁判で電通の法律違反が裁かれたことは感慨深いものがあった。ただ娘は帰ってこず、むなしさもある」と、言葉をしぼり出した。

 公判で検察は、一四年度に労使協定の上限を超える長時間労働をした社員が月千四百人前後いたことなどから、長時間労働がまん延していたと説明。度重なる是正勧告に対し、長時間労働を改善するのではなく、長く働いても違法とならないよう協定の上限を引き上げる「小手先だけの対応に終始した」と指摘した。その上で「労働者が被った精神的、肉体的疲弊は想像に難くない」と言及した。

 幸美さんはハンカチで目元をぬぐいながら、公判でのやりとりを聞き入った。その時の心境を聞かれ、「遺族の気持ちを代弁してもらえた」と振り返った。

 山本社長が再発防止に向けて「問題点を根本から見直す計画を策定しており、順次実行する」とした点については、「にわかに社長の言葉を信じることはできない。立派な計画を作っても、実行しなければ意味がない」と話し、着実な改革の推進を求めた。

 電通事件を契機に議論が加速した「働き方改革」を巡る議論は、衆院解散・総選挙によって先送りになる公算が大きい。幸美さんは「どうなっても働く人の命は、後ろで生きている家族のためにも絶対守っていかないといけない。議論を中断せず、継続してほしい」と語気を強めた。

 

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