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【社説】

北朝鮮と日米韓 軍事衝突防止に総力を

 米国と北朝鮮の指導者による「言葉の戦争」が止まらない。対話がないままでは、東アジアで軍事衝突が起きる恐れがある。日米韓は経済制裁を強めながらも、衝突防止に総力を挙げねばならない。

 国連総会の会場で、どよめきが広がった。トランプ米大統領が演説で、核、ミサイル開発を続ける北朝鮮を「ならず者」と非難し、「米国と同盟国の防衛のためには、北朝鮮を完全に破壊する」と述べたからだ。さらに北朝鮮と取引する企業に制裁を科す大統領令にも署名した。事実上の「経済封鎖」を目指すものだ。

 金正恩労働党委員長は自身として初の声明を発表し、「史上最高の超強硬措置の断行を慎重に考慮する」と述べた。国連総会に出席中の李容浩外相は記者団から超強硬の意味を聞かれ、おそらく水爆実験を太平洋上で行うのではないかと語った。

 トランプ政権の高官らは軍事攻撃から対話まで異なる趣旨の発言をしているが、大統領自身の感情的な言い方が最も危うい。米朝双方が相手の意図と行動を読み誤る危険性が増したと、深刻に受け止めざるを得ない。

 ニューヨークでは日米韓の首脳会談が開かれ、北朝鮮に最大限の圧力をかけていくことで一致したが、政策調整の必要性も確認した。文在寅政権が北朝鮮に対する八百万ドルの人道支援を打ち出したことに、圧力を優先する日米が疑問を呈したためだ。

 北朝鮮と米韓は軍事力を誇示してにらみ合う。もし偶発的な衝突が起き、対応を誤れば本格的な交戦になりかねない。まず韓国と北朝鮮の軍当局間の通信回線を復活させ、緊急時の連絡網を築くことが急務である。

 核、ミサイルを議題とする本格的な米朝交渉は現段階では難しいとみられる。しかし、国連代表部を置くニューヨークで高官レベルの接触はできる。双方の考えを正確につかみ誤解を解くためにも必要なことだ。

 安倍晋三首相は総会演説で「対話は無に帰した」と断言したが、軍事衝突を防ぐためにも日米韓が結束し、中国とロシアにも働きかけて北朝鮮を交渉の席に着かせる努力が欠かせない。

 これまで北朝鮮情勢に比較的関心が薄かった欧州連合(EU)諸国も、ドイツやフランスが対話による解決を呼び掛け、スイスは会談場の提供など仲介をしたいと名乗り出た。困難でも対話の道を探る努力を続けていきたい。

 

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