「MOX燃料」福井の高浜原発に到着 市民団体が中止訴え

「MOX燃料」福井の高浜原発に到着 市民団体が中止訴え
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原発の再稼働が進むなか、プルトニウムを含んだ「MOX燃料」と呼ばれる核燃料が、21日朝、フランスから専用の輸送船で、福井県にある高浜原子力発電所に到着しました。6年半前の福島第一原発の事故以降、MOX燃料が海外から輸送されるのは今回が2回目です。
MOX燃料は、使用済みの核燃料から取り出したプルトニウムをウランと混ぜたもので、核燃料サイクル政策の柱となっている「プルサーマル」発電で利用されます。

21日は午前7時ごろ、福井県高浜町にある関西電力の高浜原発に、フランスで製造されたMOX燃料が専用の輸送船によって到着しました。そして午後2時ごろからMOX燃料の入った輸送容器の搬出作業が始まりました。

MOX燃料が海外から輸送されるのは、6年半前の福島第一原発の事故以降、2回目で、4年前に同じ高浜原発に運び込まれて以来です。

国内では、青森県の核燃料の加工工場の建設などが大幅に遅れていることから、MOX燃料を製造することができず、今後、原発の再稼働が進めば海外からのMOX燃料の輸送が続きます。

日本は、昨年末の時点で核兵器6000発ほどに相当するおよそ47トンのプルトニウムを保有していますが高速増殖炉「もんじゅ」の廃炉によって、消費できるのはプルサーマル発電が行われている3基の原発に限られていて、今後、プルトニウムをどう減らしていくかが課題となっています。

市民団体が中止を訴え

高浜原発の対岸では「MOX燃料」の輸送に反対する市民団体のメンバーなどが集まり即時に中止するよう訴えました。

高浜原発から2キロほど離れた対岸には、「MOX燃料」の輸送に反対する福井県や京都府などの住民で作る市民団体のメンバーなどおよそ30人が集まりました。午前6時半ごろ輸送船が姿を見せると、メンバーらは、「MOX燃料搬入を許さない」などと書かれたプラカードを持って、輸送船に向かってシュプレヒコールを上げていました。

この後、メンバーらは高浜原発のゲート前までデモ行進し、関西電力の担当者に「MOX燃料」を使ったプルサーマル発電の即時停止とすべての原発の廃止を求める申し入れ書を手渡しました。

市民団体の代表を務める京都市の木原壯林さんは、「使用済み核燃料の再処理工場が稼働せずもんじゅの廃炉も決まる中、外国に依存してプルサーマル発電を続けることで事故の危険性が高まっていると思うのですぐに中止してほしい」と話していました。