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賢者の孫 外伝 Before Philosopher 作者:吉岡剛

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マーリンじいちゃんとメリダばあちゃんの、昔話です。
閑話で書こうかと思ったのですが、結構な分量になりそうなので、別小説として投稿することにしました。
『Pilosoper』とは、『賢者』とか『賢人』という意味です。
 アールスハイド王国。

 この国は、貴族至上主義が主流の世界において、数代前から民衆優遇の政策を打ち出し、農業や工業の生産性を上げることに成功し、国力を増大させ、今や世界を代表する大国となっていた。

 さらにこの王国では、ほぼ全ての国民に初等学院から中等学院まで義務教育と言っていい教育が施される。

 なので、この国では識字率も高く、『読み』『書き』『計算』はほぼ全ての国民ができるといっても過言ではない。

 そして、中等学院卒業時に特に優秀だった者は、さらにその上の高等学院に進学することが許される。

 そして、数多ある高等学院の中でも『専門高等学院』と呼ばれる特別な学院があった。

 アールスハイドにある専門高等学院は三つ。

 将来の官僚や、商会の幹部を育成する『高等経法学院』

 卒業生はそのまま軍隊に入隊し、兵士達の幹部となる『騎士養成士官学院』

 そして、優秀な魔法使いを育成し、輩出する『高等魔法学院』がある。

 広大なアールスハイド王国王都において、専門高等学院はこの三つのみ。

 その高等学院に、王都中、いや国中の学生が入学を希望し集まってくるが、毎年定められた定員は百名のみ。

 この学院に入学を許されただけで、相当なエリートなのである。

 ここに入学できなかった者は別の私立の学院に行くか、この時点で自立する。

 別の学院にて成績優秀で卒業したとしても、三大高等学院の卒業生とは明らかな区別をされてしまう。

 それほど特別な学院である。

 ある年、そんな名門アールスハイド高等魔法学院に、とある少年が入学してきた。

 その少年は、筆記試験の結果で首席とはならなかったが、実技試験で圧倒的な力を見せ、実技トップの成績を収めた。

 魔法学院の教員は、その圧倒的な力を見て、天才が入学してきたと色めき立った。

 彼がこの高等魔法学院の名をさらに高めてくれると、教員の誰もがそう夢想するほどの力を、その少年は持っていた。

 長い高等魔法学院の歴史上、最高の天才と言われた少年。

 その少年。名を『マーリン=ウォルフォード』と言った。

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