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3章
59
グラマラスな上半身とは裏腹に下半身は鱗に覆われていて、先端にはヒラヒラと揺れる鰭。そう、まるで魚の尾鰭のような。
人魚マーメイド...?」
『ご名答』
「あれ?なんで、普通に会話ができるの?」
『私たちは、人間と似た声帯を持っているからよ』
彼女たちは楽しそうに言った。
人魚は中級の魔物でそれほど高くないランクだが、それ以前の問題がある。彼女たちは、伝説上の魔物とされている。なぜなら彼女たちの管理する水辺に近づくことが不可能に近いからだ。水辺から一定の距離内に入った者を排除するために攻撃してくるとされている。
「初めて見た。....きれい」
『ふふふ』
『ありがとう』
『私たち、この湖にしかいないからね』
妖艶に笑う人魚たちを見て顔が赤くなる。
『あら、可愛い反応してくれるのね』
『ほんと』
いやいやいや、美人さんに微笑まれたら誰でも赤くなりますよ。
人魚たちが水で自分たちを包む。そしてワラワラと私の周りに群がりだした。
『愛し子はうぶなのね』
色っぽく呟いて目を細めた人魚に視線が行く。一糸纏わず露になっている胸や濡れた髪が肌に張り付いた姿から目が離せなくなった私に、人魚は顔を近づけて言う。
『私たちとイイコト....しましょ....?』
......ん?イイコト?
「あ、あの...」
『ん、どうしたの?』
「自分、本当は女なんです」
『知ってるわよ』
「え」
クスクスと楽しそうに彼女たちは笑う。
『男も女も大好きよ』
そう言って唇を近づけてきた。
そのとき。
「何をしている」
人魚と私の間を氷のつぶてが通り、地面に刺さる。驚いたように人魚たちは湖に飛び込む。
「大丈夫か、トーヤ」
ファティマが私の背後に立ち、人魚達を睨んでいた。
「ファティマ?」
『もう、そんなに怒らなくてもいいじゃないですか』
『愛し子はトーヤというのね』
何が起こったのか分からなかった。
「トーヤ、人魚には人間を魅了する力がある。おまえは今それに見事に引っ掛かったんだ。しかも…"魅了の口づけ(セデュース)"をされそうになってた」
『いいじゃないですかキスぐらい』
「おまえ達のはただのキスではないだろう」
「えっと、もしその"魅了の口づけ(セデュース)"をされるとどうなるの?」
おそるおそるとファティマに尋ねる。

いよいよ、あと少しで2016年が終わりますね。クリスマスに投稿したかった...。
これだと、登場人物紹介欄作れねえわ。
年内にあと1話出したいと思ってます!
ブクマが600超えてました!ありがとうございます(T-T)

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