トップ > 中日スポーツ > 大相撲 > 紙面から一覧 > 記事

ここから本文

【大相撲】

豪栄道カチコチで松鳳山に黒星 勝てばほぼ優勝だったのに

2017年9月22日 紙面から

松鳳山(左)にはたき込みで敗れ、土俵上でぼうぜんとする豪栄道(安藤由華撮影)

写真

◇秋場所<12日目>

(21日・両国国技館)

 単独トップの大関豪栄道(31)=境川=は平幕松鳳山(二所ノ関)にはたき込みで敗れ、2敗目を喫した。平幕千代大龍(九重)ら3敗の3人がそろって敗れ、後続との差は2で変わらなかった。一人横綱の日馬富士(伊勢ケ浜)は小結玉鷲を寄り切り、勝ち越しを決めた。関脇嘉風(尾車)は5日目から8連勝で勝ち越し。阿武咲(阿武松)は新入幕から3場所連続で勝ち越した。

 貴ノ岩、朝乃山、千代大龍の3敗力士3人が次々と黒星を喫していく。土俵に上がった時点で後続とはすでに3差。取組後に豪栄道は「(気持ちの変化は)特にない。攻めるのが大事」と話したが、少し神経質になっていたようにも見える。

 松鳳山に2度突っかけられてから、3度目の立ち合い。「しっかり当たらないとダメやね」と不十分な手応えで、引き技に出てしまう。最後は攻め込んだが松鳳山のはたきにバッタリ。再び後続との差は2に縮まってしまった。

 八角理事長(元横綱北勝海)は「勝ちたい気持ちが上回ったのかな。きょう勝てばほとんど決まりだった。余計に大事だと分かっていた。大事にいきたいと意識しちゃった」と分析。15日制となった1949年夏場所以降で、12日目終了時点で3差をつけて逆転された例はない。勝てば優勝確率100%の大事な一番を落としてしまった。

 分かっていたはず。この日の朝稽古後に、「守りに入っているときは弱い」と話していたばかりだった。

◆朝乃山は連勝5で止まる

 新入幕の朝乃山は、立ち合いのタイミングが合わず、荒鷲に右四つに組まれて後手後手に。投げをしのいだが、最後は寄り切られて連勝が5で止まった。

 突き放して、相手を懐に入れさせない展開を思い描いていただけに、立ち合いを「『待った』だと思った。ふわっとなって…」と後悔。2桁勝利へのこだわりを口にして「ここからが十両と違ってきつい。立ち合いに集中する」と気合を入れ直していた。

◆豪栄道、きょう勝てば V率100%

 それでも、優勝に一番近いのは豪栄道。13日目終了時点の2差も優勝確率100%。貴景勝に勝って、しっかりと流れをつかむことだ。

 若手力士に対するときも「自分が向かっていく気持ちでいないと。そういう気持ちがなくなったらダメ」と話していた豪栄道。この黒星を薬にして攻めの相撲を取り戻したい。(岸本隆)

 

この記事を印刷する