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WAVファイルのタグへのソフト対応状況

ライターさん(最終更新日時:2017/8/23)投稿日:

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「WAVファイルにはタグが無い」、と言い切る方をたまに見かけます。
さすがにこれは無知が過ぎる少数派(或いは、敢えて大袈裟に言っている?)ですが、「WAVのタグに対応してるソフトは非常に限られる」と仰る方は結構多いようです。また、「WAVのタグは各ソフト独自のもので互換性がない」なんてことも時々耳にします。「MP3等を真似て後付でタグが作られた」なんてことをもっともらしく言ってる人もいます。

さて、これらは本当でしょうか?

WAVで使われているタグの種類は、実のところ下記3種類に集約されます。

1.LISTチャンク-INFOサブチャンク(システムデフォルトコード、日本語WinではシフトJISコード)
2.LISTチャンク-INFOサブチャンク(utf-8コード)
3.id3 チャンク

WAVの仕様書に元々規定されていた本来のタグは1です。
http://web.archive.org/web/20160317062723/http://www.kk.iij4u.or.jp/~kondo/wave/mpidata.txt
(2-14 INFO List Chunk を参照)
この仕様書はMicrosoftとIBMが1991年に規定したもので、MP3のタグより遥かに古いものです。
(因みに、MP3のID3v1タグは1996年にとあるメーカーが自社ソフト用に独自に開発したタグが、後に一般化したもの。ID3v2は初版が1998年に規格化されたもの。)

1は基本的に多言語は扱えません。
2はその点を克服するために文字コードをユニコードに変えたもの。1と2は構造は同じですが文字コードが違うので日本語は互換性が無く、文字化けします。英語は大丈夫なので、2は特に欧米でよく使われます。
3はMP3のID3v2タグを模倣したものをそっくりそのまま1つのチャンク(データブロック)に収めたものです。仕様上、WAVではID3v2タグはそのままでは使えない(WAVはファイル冒頭に「RIFF」という文字列が必要だが、ID3v2はファイル冒頭に「ID3」という文字列が必要なため、両立は不可)ため、このような手段を採っています。
3は構造そのものが1や2とは全く異なるので互換性は皆無ですが、最も高機能。AIFFの主流のタグがこれですが、WAVではまだマイナーですね(ただし、近年利用が増えている)。
因みに、アートワーク埋め込みが出来るのは3だけ。

主なフリーの音楽管理ソフトの2017春時点のWAVタグ対応状況は・・・

【初級者向け】
●WMP・・・・・・INFOサブチャンク(シフトJIS):ライブラリ登録時の読み込み、CDから作成時の書き込みのみ可能
●Groove ミュージック・・・・・・INFOサブチャンク(シフトJIS):読み込み可能
●iTunes・・・・・・非対応
●x-アプリ・・・・・・INFOサブチャンク(シフトJIS):読み書き可
●Media Go・・・・・・id3 チャンク/INFOサブチャンク(シフトJIS):読み書き可

【中上級者向け】
●foobar2000・・・・・・id3 チャンク/INFOサブチャンク(シフトJIS):読み書き可(但しINFOサブチャンクは書き込みにバグあり日本語書き込み不可)
●MusicBee・・・・・・id3 チャンク/INFOサブチャンク(utf-8 または シフトJIS):読み書き可(但しid3読み込みには少々不具合があるっぽい?)
●MediaMonkey・・・・・・INFOサブチャンク(utf-8 または シフトJIS):読み書き可、id3 チャンク:読み込み 及び 既存id3 チャンクの編集(要設定)のみ可(但しアートワーク除く)
●J RiverMediaJukebox・・・・・・非対応(書き込みは不可、環境によってはINFOサブチャンク(シフトJIS)の一部情報は読む?)
●Winamp・・・・・・非対応、ただし拡張プラグイン追加でINFOサブチャンク(シフトJIS)の読み書き可
http://www.win32lab.com/fsw/wpplugin/index.html
●AIMP・・・・・・id3 チャンク/INFOサブチャンク(シフトJIS):読み書き可
●VLC Media Player・・・・・・id3 チャンク:読み書き可

当方が主要ソフトと思っているものにつき挙げてみましたが、いかがでしょう(勿論、これで全てではありません)。
実際、当方ではMediaMonkeyでWAVに付けたタグ(シフトJISのINFOサブチャンク)が、WMP、x-アプリ、Media Go、foobar2000、MusicBeeでフツウに表示されてます。

因みに、5、6年前ですとMedia Go、x-アプリ、foobar2000、MusicBee、AIMP、VLC Media PlayerはまだWAVタグ非対応でした(尚、Groove ミュージックはまだ無かった)。また、今のJ RiverMediaJukebox(v14)は非対応ですが、これは5年ほど前の有料ソフト・J RiverMediaCenter14をベースに制限を加えた、作りの古いソフトです。J RiverMediaCenterの現行版はWAVタグに対応しているらしいです。

つまり、ここ5年ほどで主要ソフトのWAVタグ対応が今更になって進んでいる、ということみたいです。今や、主要ソフトで完全に非対応なのはiTunesくらいなものでしょう。

「対応ソフトは殆ど無い」?
「互換性がない」?
こういう事を仰る方は、最近の状況を把握しておらず、昔の古い情報や知識を元に仰っているのかも知れません(PC関連は変化が早いですから)。
そもそも、これらを仰る人って主要ソフトで唯一非対応のiTunesユーザーが多い印象を受けます。iTunesは元々Macのソフトで、Windowsではあくまで外様。Windowsのファイル形式であるWMAやWAVへの対応は当初から他と比べてイマイチでした。iTunesを「フツウ」だと考えない方がいいでしょうね。アレはむしろ特殊かと。例えば、主要ソフトでFLACに非対応なのも最早iTunesだけでしょ。
「WAVファイルにはタグが無い」のではなく、「iTunesで作ったWAVファイルにはタグが無い」のです。
因みに、3のid3チャンクはAIFFのタグと同じものですので、Appleさんはやろうと思えば簡単にiTunesをWAVのid3チャンク対応に出来るはずなんですけどね。
結局、AppleさんはWAVよりもAppleロスレスやAIFFを使って欲しいんでしょう。

もっとも、WAVのタグって使い勝手はもう一つです。大元の規格が1991年のものですので、欠点が目立ちます。
INFOサブチャンクはアルバムアートが扱えないし。INFOサブチャンク(シフトJIS)は多言語が扱えないし。元々の規格になかったトラック番号やアルバムアーティストなど一部項目はソフトにより対応が異なり、互換性がイマイチだし。
また、ファイル中でのタグの記録位置についても混乱(Microsoftは冒頭を推奨してるが、殆どのソフトは巨大ファイルでの実用性の面から末尾に記録する)があって、これが原因でトラブルが起こる可能性もゼロではありません。
id3 チャンクならそうした制約や問題は無いですが、こちらは対応ソフトがまだ少なくて汎用性に難がありますし。

可能であれば、FLAC、ALAC、APEなどの、タグ対応がもっとしっかりしていて、汎用性もそこそこある可逆圧縮形式を利用した方がいいでしょうね(ただ、一番有望なFLACがiTunesでは使えないのは痛い・・・)。
WMAロスレスやTAKはほぼWindows専用、WavPackは対応ソフトが全体的に少なく、汎用性に難があります。TTAは公式なタグの規定が無く、「ID3タグとAPEタグが利用可能」とされてはいるが、どちらが優先かも決まっておらず、ソフトによりID3タグ対応/APEタグ対応/両対応、のようにバラバラなので、イマイチです。



【おまけ1:WAVのタグに対応してる主な変換ソフト】

●dBpowerampMusicConverter・・・・・・id3 チャンク/INFOサブチャンク(シフトJIS):読み書き可(編集は有料版のみ)
●XrecodeⅡ・・・・・・id3 チャンク/INFOサブチャンク(シフトJIS):読み書き可、INFOサブチャンク(utf-8):書き込み可(読み込みは日本語文字化け)
●Xrecode3・・・・・・id3 チャンク:読み書き可、INFOサブチャンク(シフトJIS):読み込み可
●XMediaRecode・・・・・・INFOサブチャンク(utf-8):読み書き可
●MediaHuman Audio Converter・・・・・・id3 チャンク:読み書き可、INFOサブチャンク(utf-8):書き込み可


【おまけ2:WAVのタグに対応してる主なタグエディタ】

●STEP_K・・・・・・INFOサブチャンク(シフトJIS):読み書き可
●MP3Tag・・・・・・id3 チャンク:読み書き可、INFOサブチャンク(utf-8):読み込みのみ、INFOサブチャンク(シフトJIS):書き込みのみ
●TagScanner・・・・・・id3 チャンク:読み書き可、INFOサブチャンク(utf-8):読み込みのみ
●AudioShell2・・・・・・id3 チャンク/INFOサブチャンク(シフトJIS):読み書き可

音楽管理ソフトが続々とWAVのタグに対応していることを受けてか、MP3TagとTagScannerも2016年になって新たに対応しました。
その他、dBpowerampやXrecodeⅡもタグエディタとして利用可能

【追記】
波形編集ソフトのAudacityは、以前はINFOサブチャンク(utf-8)対応だったのですが、いつの間にかid3 チャンク対応(但しアートワーク除く)+INFOサブチャンク(ASCII?、非ASCII文字がある項目は書き出さない)対応に変わっていました。Media Goも最近になって新たにid3 チャンクにも対応したようです。正直、変化が早くて当方でも掴みきれません。
WAVのタグに新規対応するソフトもid3 チャンクが多いようですし、どうやら高機能なid3 チャンクへとシフトしていく流れがあるようです。
id3 チャンクとINFOサブチャンクは1ファイル中に共存が可能ですので、現状ではid3 チャンクとINFOサブチャンク(シフトJIS)を両方書き込んでおくのがベストかもしれません。

註:既にお判りと思いますが、ソフトのタグ対応状況はバージョンにより異なる場合があります。

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