ロバート・フランクのドキュメント映画を観てきたんです。
Don't Blink って題名の。
訳すと、「瞬きするな」「見つめろ!」とかって感じかな。
「よく観ろ!」ともいえるし。
ちなみに、ロバート・フランクはカメラマンです。
世代としては、キャパやドアノーやブレッソンのちょっと下です。
ネタばれは特にないので、安心してください。
まあ、ドキュメントなんで、ストーリーも何もないと言えばないんですけどね。
そのうちDVDも出ると思うので、
特に写真に興味のない人はそっちでいいかもしれません。
一応書いておくと、今のところ神戸ではここでやってます。
ここ、上映時間がまちまちなんで、しっかり確認してください。
偶然仕事に空きが出たので、ささっと行ってきました。
確か、今週の土曜日までだと思うんですが、こんなのもやってますね。
なんでも、最終日には作品破るとこまでやるらしいです。
印刷は新聞紙用の紙に刷り、「早く安く、そして汚い」がテーマですって。
映画館内は意識高い系老人ばかりという、いつもの元町映画館。
あの人たち、何者なんだろうといつも思うんです。
上映前に老カップルが話していました。
「よほど写真好きでないと、面白くない映画だろうね」
「そんなに、写真好きな人いるのかしら」
「さあ、写真のことはわからないからなあ」
「わかる人いるの?」
「いないんじゃない?」
いや別にいいんですけどね。
なんで、そこにいるのか謎の老人たち。
年代は、まあ、あの世代ですね。
なんで、あの世代の意識高い系って、妙に汚いんだろう?
そんなことより、ロバート・フランク。
私はAmericansと、London/Walesは持ってます。
アマゾンが日本で始まってすぐに通販で買ったと思います。
洋書だったんで、序文も読んでるはずなんですが。。
甘かったです。はるかに予想以上の壊れっぷりでした。
いやあ、ぶっ飛んでますね、ロバートじいさん。
- 作者: Jack Kerouac,Robert Frank
- 出版社/メーカー: Steidl
- 発売日: 2008/05
- メディア: ハードカバー
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私、てっきりアメリカ人だと思ってたんですが、
スイスからの移民なんですね。
アメリカでロバート・フランクなんて名前、
日本でいえば山田太郎みたいなもんですもん。
本名ではないのかもしれませんね。
それに、てっきり既に死んでると思ってたんです。
それが92歳で、バリバリ現役です。
悪態ツキまくってますよ。
Fuck! Sucks! ばかり言ってます。
いいですねえ、そうでなければ。
こんなじいさまです。
アトリエで作業したり。
古い作品を解説したり。
Q いい写真をとるコツは?
A とりあえずピントだけ合わせとけ!
Q あなたの人生哲学は?
A ないに決まってんだろ!
だそうです。いいですねえ。
そして、何かというと、
「それは嫌いだ!」
すがすがしいです。
移民が1947年らしいんです。
スイスで商売に成功してたユダヤ人の家系らしいんで、
戦火に追われたのではないようですね。
監督に対しても、
「卑しいユダ公にちゃんと見えるから安心しろ!」
とか言ってますし。。
差別がどうこうとか、うるさい!
ってはっきり言ってますし。
字幕では訳されてなかったですけどね。
あまりに価値が出過ぎた自分の写真が嫌になって、
オリジナルプリントの束にドリルで穴を空けてましたしね。
いい感じです。
なかなか、人格的には十分破綻してるようで安心しました。
平和な人は、堅気でいいんです。
もちろん、家族も不幸の連続です。
そりゃ、気の毒なくらい不幸です。本人も家族も。
でもね、すごいことですよ。
強いんです。
精神も肉体も、タフであるからこそ、
あの写真を撮れたんですねえ。。
ちなみに、トップ画像の写真のオリジナルプリントは、
サザビーズで55万ドルで落札です。
それが束になってるとしたら。。
2000万ドルくらいの、ドリル遊びです!
「こんちくしょうめ!」と叫びながら。
うひょーーー!
カッコいいぜ、じいさん!
写真にこういう値段が付き始めたのは、じつはメープルソープ以降です。
ちなみに、今のアシスタントは、日本人の山崎あゆみさん。
これまた、すごいことになってますね。
(まあ、行ける人はぜひ映画館で!近々ドアノーの映画もやるそうですね!そこでクリック!)