最近は北朝鮮情勢で株式市場のブルとベアが入れ替わっています。
ここで言うブルとベアは単なる相場の上昇と下落ではなく、リスク銘柄の選好状況を指します。
分かりやすく説明するため、ここでは簡単なブルベアインデックスを作成してみました。
このインデックスはリスク選好の際に上昇する業種(金融や輸送機器など)とリスク敬遠の際に上昇する業種(食品や医薬品など)のリターンの差分で作成しています。
このブルベアインデックスと日経平均株価の動きについて、今年の4月から観察していきます。
図1.ブルベアインデックスと日経平均
(ブルベアは+方向がブル、-方向がベア)
この図から分かるように、
ブルベアと日経平均は連動する期間と連動しない期間に分かれます。
(1)連動する期間について
17年4月および17年7月中旬~17年9月は、ブルベアインデックスと日経平均株価は同じような動きをしています。
この期間にブルベアをドライブしている要因は、なんといっても「北朝鮮情勢」です。
情勢が悪化すればリスク敬遠&市場下落、情勢が好転すればリスク選好&市場上昇の動きをしています。
(2)連動しない期間について
この図で最も気になる点は、17年5月前半のリスク敬遠の動きと、17年6月下旬から始まっているリスク選好の動きです。
ではこれらの動きが起こった原因ですが、
定性的な説明になってしまいますが以下のとおりです。
①5月前半にブルベアインデックスが低下した理由
米小売売上高やインフレデータの不調やトランプ政権の諸問題により、リスク敬遠の動きが広まったためです。
②6月下旬にブルベアインデックスが急激に上昇した理由
ECB総裁発言とイエレン議長発言がきっかけで、上記①の動きのアンワインド(巻き戻し)が発生したためです。
アンワインドが発生するときは、それまでの動きと比べて反対方向に急激に動きます。
このように日経平均が殆ど動かないような相場でもブルベアは動いている場合があります。
ロングショートの貴重な収益源となるのは言うまでもありません。