Mixer の技術的視点での凄さ
ところてんが Mixer について書いていたので、技術的な話をしようとおもう。
Mixer はマイクロソフトが買収した会社でもともとは Beam.pro というサービスだった。仕組み自体は今と変わらず、ゲーム配信をするという仕組み。
Mixer が他のゲーム配信サービスと違うのは HLS/MPEG-DASH といったストリーミング配信技術を採用せずに WebRTC というリアルタイム配信技術を採用したことだろう。
彼らは Janus という WebRTC Gateway を基盤として採用した。使うだけでなくフォークして、色々自前で改良を進めている。
Mixer が凄い点を上げてみる。
- フル HD 、60 fps 、5Mbps での配信が実現可能
- ほとんど遅延がない、あっても 1 秒あるかないか
- クライアントを独自で作り込んでいる
- 5Mpbs という高いビットレートでの配信を大規模に実現している
- リアルタイムに保存もしてくれて、14 日間は保持してくれる
- XBox や Windows 10 からすぐに配信可能
- 最大4人までの共同配信が可能
とにかく富豪という言葉がぴったりだ。
遅延が少なく画質がとにかく良い
Mixer を見て実感するのは遅延の少なさと、画質の良さだ。なんだこれ、というくらいの画質の良さなのに、遅延がほとんどない。
WebRTC ならではの低遅延が実感できる。Mixer の配信を見ながら chrome://webrtc-internals をみてみるのをオススメしたい。
クライアントを独自で作り込んでいる
FTL という SDK を公開している。内部の詳細までは見ていないが、推測になってしまうが暗号化せず、映像をガンガン送りつける独自のリアルタイムプロトコルだろう。
これで Janus に送りつけて、 Janus からガンガン配信するという仕組み。強い。
ビットレートがおかしいくらい高い
WebRTC は HLS や MPEG-DASH のように CDN は使えない。そのためサーバ自体が速度を叩き出す必要がある。1 ユーザで 5Mbps … 100 ユーザで 500Mbps … もうあとは何も言うまい。これが無償で配信できるだけでマイクロソフトパワーを実感できる。
共同ストリーミング (Co-Streaming)
Mixer の特徴に 4 人同時配信という概念がある。
Mixer が提供している Co-Streaming という概念がある。これは最大 4 人までの画面を表示するというもの。medium.com
PUBG などの数人同時でのチーム戦というゲームの実況を見据えての基盤だろう。
まとめ
YouTube や Twitch では実現しづらい共同ストリーミングを導入し、より生配信を視聴者と楽しめる仕組みを提供している。
ところてんが言うように、遅延の少ない配信に合わせたライブ感を楽しむゲーム向けだ。
この仕組を支えているのが WebRTC だということを覚えておいてほしい。