ミャンマーのロヒンギャ迫害、多数派仏教徒の本心とは

2017.09.21 Thu posted at 18:07 JST

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ミャンマー・ヤンゴン(CNN) ミャンマーの事実上の政権トップ、アウンサンスーチー国家顧問が少数派のイスラム教徒ロヒンギャについて演説を行った当日。ある公務員は仕事を休み、精肉店を営む女性は休業し、ヌードル販売の男性はスマートフォンで演説に耳を傾けた。

同国西部ラカイン州の衝突では、40万人を超すロヒンギャが隣国バングラデシュに避難した。ミャンマーはこの問題を巡り、国際社会からのかつてない批判にさらされている。

ミャンマーのロヒンギャに対する処遇を非難する声は、スーチー氏の演説後もやむ気配はない。しかし最大都市ヤンゴンの住民には明るいムードが広がる。

市中心部の公園に設置された特設の大型スクリーンで演説を見守った旅行会社の経営者(41)は、「市民の大多数はスーチー氏を支持する。同氏がこの問題を解決してくれると確信している」と語った。

スーチー氏の演説が英語だったため、内容を理解できなかった市民も多い。それでも「同氏が私たちのため、世界に語りかけてくれたことを誇りに思う」と三輪自転車運転手の男性は言う。

ソーシャルメディアのプロフィルにスーチー氏の写真を掲載して支持を表明するユーザーも相次いだ。

57歳の公務員の男性をはじめ、CNNが取材した市民の多くは今回の問題について、海外のメディアがラカイン州に関して「間違った情報」を流したことから危機的状況に陥ったと批判する。

海外のメディアはロヒンギャのような少数派にばかりに脚光を当て、多数派である仏教徒の窮状を無視しているというのがその主張だ。

現地紙は政府の発表通り、テロ集団に襲撃されて軍が対応したと報じている。「民族浄化」や「集団虐殺」と形容されていることへの言及はない。

スーチー氏もそうだったが、ヤンゴンでロヒンギャという言葉を使う人はほとんどいない。多くの人は、不法移民の意味でも使われる差別用語の「ベンガル人」という言葉を使う。仏教愛国主義が急激に高まるミャンマーで、少数派のイスラム教徒に対する同情心はほとんど皆無に思える。

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