山の中で見つけた不思議な光景
ガイドブックに頼らずに、地元の人にお薦めの場所を聞いて周る旅はたのしい。
どんなところにたどりつくか分からないドキドキと、地元の人しか知らないような情報が得られて嬉しいからだ。 今回やってきたのはお城とカマボコが有名な神奈川県の小田原市。いったいどんな旅になるのだろうか。 ※これまでいろいろな場所で取材をした記事を読めば誰もが知ったかぶりできるはず。「知ったかぶり47」は、デイリーポータルZと地元のしごとに詳しいイーアイデムとのコラボ企画です。 愛知編:名鉄のナナちゃん人形の股を覗いてはいけない~地元の人頼りの旅 in 名古屋~ 鳥取編:まさか鳥取でうどんを食べるとは~地元の人頼りの旅in鳥取市~ 滋賀編:彦根の心霊スポットが本気で怖い~地元の人頼りの旅in滋賀県~ 宮城編:冷やし中華の元祖店では具を自分で乗せる~地元の人頼りの旅in宮城県仙台市~
東京葛飾生まれ。江戸っ子ぽいとよく言われますが、新潟と茨城のハーフです。
好物は酸っぱいもの全般とイクラ。ペットは犬2匹と睡魔。土日で40時間寝てしまったりするので日々の目標は「あまり寝過ぎない」
前の記事:「冷やし中華の元祖店では具を自分で乗せる~地元の人頼りの旅in宮城県仙台市~」 人気記事:「「コーラと同じ量の砂糖が入った水は飲めたもんじゃない」は本当か」 > 個人サイト twitter いきなり本気出された!地図をもらいに入った駅の案内所で、さっそくおススメを聞いてみる。さすがプロ、観光に人気のお城や回遊バスを案内してくれるが、そこはあえて「個人的に好きな場所を教えてください」と言ってみる。
すると真っ先に候補にあがったのが山の中のとある場所。いきなりハード! 小田原駅前。周りにはカマボコや干物を置いてる店が多く並ぶ。
でも、案内されたのは観光客がふつう向かうのと反対!
県運営の24時間借りられる電動自転車をゲットし、山に向かった。まちのシンボルである小田原城がさっそく見えてきて気分が盛り上がる。城があるまちってそれだけで魅力的だ。
駅から割と近いところにある小田原城。城があるまちってなんか良いよね。
小田原城を背にして、観光バスも通らない山の中にはいった。基本的に一本道の坂を登り途中で右折するだけなのだけど、電動の勢いに乗って行き過ぎてしまい無駄にタイムロス。
ところどころ良い景色が見える
そして、右折した後もまた大幅に行き過ぎて戻る。方向音痴的にはあと10倍くらい案内を大きくするか増やしてほしいな、、と嘆いたところでようやくたどり着いた。そこには、世界が歪んだかのような不思議な光景があった。
見事にV字型の斜面! 蟻地獄みたいにも見える。
お薦めスポット1:巨大な空堀跡! 小峯御鐘ノ台大堀切、東堀ウオオオ、とひとり唸ってしまった。すごく地味ではあるけれど、、こんな地形見たことがない。
これは総構えと言われる城の外郭の一部で尾根を遮断し、守りを強固にした跡。戦国時代、秀吉による小田原攻めからまちを守るために北条氏が築いたという。全長9キロにもなるが、特にこの東堀が一番見応えがあるそうだ。 登るの大変な角度! そして高い!(高低差12m)
カメラを斜めに傾けて撮ってみたら、不思議な写真になった。楽しくてもっと撮りたかったけど時間使いすぎなので次いかねば。
最近案内板が立ったばかりの穴場と聞いた「西堀」らへん。でもどれが何やら全然分からなかった。残念
方向音痴には難易度が高いけど、時折良い景色も覗けるし歴史が感じられるのでこの総構えコースは散策にぴったりである。
小銭を握りしめていたおっちゃんを発見。これから競輪場に行くらしい。
山で人がほとんどいないなか、おっちゃんを発見しお薦めを聞いた。最初は俺わかんないよ~と言っていたがとっておきのスポットを聞く事に成功。ちなみにこの日、近くの競輪場で大きい大会がありこれから行くのだそうだ。
私は競輪を見た事がないのでちょっと興味を引かれたのだけど、競輪はお薦めしないなあ、と笑っていってしまった。 ホクホク顔のおじさんたちがたくさん向かっていく競輪場。だが、お薦めはされず。
で、向かったのは海方面。来たのとは違うルートで一気に山を下りる。ゆずの「夏色」を歌いながら急激な坂をゆっくり、ゆっくり下って行った。
けっこう怖い!
漁港だ! 山と海近いなー
おっちゃんが、「店はよく知らないけど漁港なら美味しい魚が食べられるよ、間違いない」と教えてくれていたのだ。
卸売り市場の近くにはたくさんの食堂があり賑わっている
お薦めスポット2:小田原漁港でアジ! 貴重な黄金アジに当たるかもいくつかのお店のメニューを見ると、どこも人気なのはイクラやサーモンやマグロなどが乗った海鮮丼だった。私も危うく釣られるところだった。
が、話を聞けばそれらの魚は必ずしも小田原で獲れたものではない。小田原でとれた魚を味わいたいなら、ここは迷わずアジだそうなのだ。 入ったのは、近くの魚屋さんが薦めてくれた「ふるはうす」さん
しかも小田原では、海を回遊せず餌が豊富な浅瀬に居着く「根付きアジ」が獲れる。背が黄色なため黄金アジと呼ばれ、脂が乗り丸々としているそうだ。
他の漁港だと普通のアジと仕分けがされて高値で売られるところ、小田原漁港ではそのままキロ単位で売られるため黄金アジが数尾混ざることがあるそうだ。(もちろん獲れないときもある) アジづくしをオーダー。ちなみにアジのタタキは小田原発祥らしい。
こちらのお店では運が良ければその黄金アジが食べられるのだ。食べた後でその事を知ったので黄金アジに当たったかは定かではないが、身がブリブリしてすごく美味しかったので当たったということにしよう。
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