一般的にはどうだろうか。奥さんとは出会ってもう13年になろうとしている。よく聞くのは「家族だから」であったり「お互い気を使わない関係」であったり。私はしない。寝てる時は知らない。起きてる時のオナラを聞かれたことが無いし、私も奥さんのオナラを聞いたことが無い。恥ずかしいとかそんな事ではない。当たり前だけど便はするわけだしそれを恥ずかしい行為だという認識はお互いに無い。「あー!お腹痛い!」と言いながらトイレに駆け込むのは共通である。しかしながら目の前でオナラは絶対にしない。奥さんの前で鼻毛を切らない。鼻くそをほじらない。私は奥さんの腋毛を見た事がない。奥さんは私の目の前で着替えない。私とチビはお尻にパンツを挟んでTバックみたいにして二人で奥さんの前を横切る。チビがオナラをすると夫婦でスハスハとチビのオナラを可愛い可愛い臭い臭いと嗅いでいる。そもそも私は知人や友人の前でもオナラをしないということもあるが、奥さんの前では絶対にしない理由として、そこを超えてしまうと男女の境界線が消えてしまうのではないかということを恐れている。そんなもの休まらないではないかと思われるかもしれないが、しないのが当たり前であればしなくてもちゃんと休まるし、したければトイレに行けば良い。奥さんは我慢をしていないのかと聞いたところ、奥さんも実家では家族の前でしない家だったそうで窮屈ではないと聞いてホッとした。要は「見せなくて良い部分は見せる必要が無い」と思っている。オナラするのが当たり前になってしまうと、オナラを皮切りにどんどん、止まることなくダラけた生活をしてしまうかもしれないと懸念する。親しき中にも礼儀ありではないが、どこか一線を越えないように、ちゃんとその線をお互い見ながら生活しよう、そのボーダーラインがオナラなのである。しかしながら我々夫婦は完全無欠に生活しているわけではもちろんない。自身で認める年の差のある変な夫婦なので、一般的に理解を超えた行動がある。ドン引きされるのでここでは控える。家族なんだから全てをオープンにするのではなく無理をしないように隠す部分はちゃんと隠し、一緒に生活しながら少しずつバレていけば良い。私の方が奥さんよりかなり歳上なので当然のように私が先に死ぬ。オナラは最後だ。息を引き取る寸前に盛大なオナラをカマして二人で爆笑しながら私は死にたい。