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2017年9月19日(火)

男たちがまっすぐ帰らない理由

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近江
「今、退社する時間を早めたり、残業時間を減らしたりする『働き方改革』の取り組みを進めているという職場も多いと思いますが、その一方で、仕事が終わっても『まっすぐ家に帰らない』男性が増えているそうなんです。」

まっすぐ帰らない男性が増えている?

リポート:富野要太(映像取材部)

今日もお仕事、お疲れさまでした!
あれ?仕事が終わっても帰らないんですか?
家族がおうちで待っているんじゃないですか?
夕方6時の家電量販店にも、ワイシャツ姿の男性たちがたくさん。
今、「働き方改革」が進む中で、“まっすぐ家に帰らない男性”が増えているというのです。
こうした人たちは、社会心理学者から「フラリーマン」と呼ばれています。

ゲームセンター店長
「“フラリーマン”だらけ。
増えてます、“フラリーマン”。
奥さんに隠れて来ている人もいると思うが、ここで楽しんでもらえたら、それでいいかな。」

密着“フラリーマン”の夜

男性たちは、なぜまっすぐ家に帰らないのか。
話を聞く中で出会った1人、物流会社に勤める長谷川毅(はせがわ・つよし)さん。
結婚2年目にも関わらず、退社後は毎日寄り道をしているんだそうです。

「(退社後)ついて行っていい?」

長谷川毅さん
「大丈夫ですよ。」

「働き方改革」の一環で定時退社した長谷川さんに密着しました。

「奥さんは知ってますか?」

長谷川毅さん
「いや、知らない。
『残業だ』と言ってしまうことがある。」

長谷川さんはいつも、会社の最寄り駅ではなく、一駅先まで歩いているそうです。
と、ここで突然公園のベンチに座りました。
取り出したのは、おにぎりと本!

長谷川毅さん
「暗いけど、こんな感じで読んで、食い終わったら行くという感じで、いつもやっている。」

実はこれ、「愛妻おにぎり」。
残業があると思って毎日作ってくれるそうです。

長谷川毅さん
「ごちそうさまです。」

続いて立ち寄ったのは、カフェ。
無料Wifiがあり、通信料がかからないといいます。

長谷川毅さん
「もう7時10分。」

そろそろ家に向かうと思いきや?

なんとバッティングセンター。
いつも1回、300円だけと決めているそうです。

長谷川毅さん
「もう気分最高。
これやってるときが一番いい。」

退社から2時間。
ようやく「家に帰る」と連絡しました。
でも、なぜそこまでして、まっすぐ家に帰らないんですか?

長谷川毅さん
「共働きなんです。
早く帰りすぎてしまうと、“ごはんを作る時間ないじゃない”って。
“じゃあ手伝うよ”と、先に洗濯物を取り込んだり、ごはんの準備をしても“下手だね”と、あまりうまくいかなくて。
であれば、妻に任せようと。」

長谷川さん、自分が早く帰りすぎることで、家事が余計大変になってしまうのではないかとフラフラしていたのです。

長谷川毅さん
「遅くなりました、ごめんなさい。」





ちょうど晩ご飯のカレーライスができあがったところでした。

長谷川毅さん
「いただきます。」

長谷川さん、今回の取材をきっかけに、妻の美妃(みき)さんにだまってフラフラしていることを打ち明けました。

「寄り道しているのは知っていた?」

妻 美紀さん
「うすうすと。
なんか、においで分かるんですよ、帰ってきたときの。」

長谷川毅さん
「恥ずかしいな。
早く帰ってきても困るでしょ?」

妻 美紀さん
「そうね。」

長谷川毅さん
「ほら。
早く帰ってきて手伝おうとすると、全部やり直しじゃん?」

妻 美紀さん
「ほどよく8時、9時くらいがいいかな。」

長谷川毅さん
「正直やっぱり、怒られるのかと思っていた。」

実は美妃さんも、1人の時間が欲しいとのこと。
フラリーマンを許してもらえました。

まっすぐ帰らない その理由は…

男たちがフラリーマンとなる理由はさまざま。

「普通、まっすぐ帰りませんよね。
趣味の店に行ったり。」

「(客は)いい方ばかりではなかったりする。
それで気持ち的にムシャクシャすることもあったりする。」



「働き方改革」で定時退社が増えた。

30代(不動産業)
「帰る時間が早くなったり、急にがらっと変わった感じがある。
時間の使い方は、どうしたらいいのかなという気持ち。」

定番は“ひとり居酒屋”。
好きなマンガを1時間半ほど楽しむ。

30代(不動産業)
「子ども中心に回ってますんで、家は。
自分にとって居心地がよくないときもある。
後ろめたい気持ちはある。」

唯一の息抜き この時間が大切

「フラリーマン」は、若い世代だけではありませんでした。

駅前でスマホのゲームに熱中していた、この男性。

諌山幸男さん
「(全部そろうまで)あと50もないと思う。
渋谷にいたら(モンスターが)たくさんいますね。」

諌山幸男(いさやま・ゆきお)さん、56歳。
勤め先の会社は今、残業を減らすことに力を入れているといいます。
週に3、4日、書店や家電量販店などで2時間ほど過ごしてから帰宅しています。
そのきっかけは、諌山さんたちの世代が直面する現実にもあるといいます。

高齢になった父親の介護。
諌山さんは、妻と交代で続けてきました。
夕方、フラリーマンになることが唯一の息抜きだったといいます。

諌山幸男さん
「早起きして、薬の準備して。
そういうのが毎日あった。
ストレスになるじゃないですか。」

2ヶ月前、父親をみとりましたが、諌山さんは今もフラリーマンを続けています。

諌山幸男さん
「この時間って、絶対大切だと思う。
帰りたくないわけじゃない。
ちょっと自分の時間をつくりたい。」

「働き方改革」が進む時代の中、フラリとさまよう時間が男性たちに必要なのかもしれません。

子どもと同居 寄り道増える

高瀬
「このフラリーマンを、出勤前のご家庭に朝お届けしていいのかどうか、ためらいもありましたが、これは見る人によって、だいぶ見方が異なるという気がするんですけれども、どう見ました?」

近江
「気持ちも分かりますけど、子どもを育てている女性からしたら、『もう何でもいいから早く帰ってきて、ちょっとでも手伝ってよ』っていうのが本音じゃないかなと、ちょっと思ったんですけど。」

高瀬
「こんなデータもあるので、ご覧いただきましょう。

『既婚男性の仕事帰りの寄り道』についてなんですけれども、子どもと離れて暮らしていたり、子どもがいなかったりする家庭に対して、子どもと同居している男性の方が寄り道をしてしまう傾向があるという結果になったんです。」

近江
「家に子どもがいると、休日も家族サービスでちょっとクタクタになって、『平日の午後、夜ぐらいはちょっと1人の時間ちょうだいよ』ということなんですかね。」

高瀬
「今回、男性の側に立った取材かもしれないんですけれども、取材で聞こえた声です。
『働き方改革で残業時間が減った分、給料も減り、お金をかけずに時間を過ごす工夫を考えないといけなくなってしまった』『夜遅くまで開いている図書館があればいいのに』『自由な時間が突然、増えてもやりたいことがない』という戸惑いの声が多く聞かれたそうなんです。
中には、『コンビニで安いお酒を買って、外で飲んでいる』といった方もいるということでした。」

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