2017年9月、中国のICOトークン全面禁止から始まり、中国国内の取引所の相次ぐ閉鎖報道によってビットコインを含めた仮想通貨の暴落を引き起こしました。 中国の三大仮想通貨取引所であるBTCCは9月30日、OK CoinとHuobiはそれぞれ10月30日に閉鎖するとされています。
今回、中国はビットコインについて、あくまで「取引は禁止」すると表明をしており、マイニングの禁止は正式には発表されていません。しかし、このまま規制強化が進めば「マイニング自体の禁止」の可能性も考えられます。
中国当局の動きに左右されビットコインの価格も大きく揺れていますが、実際のところビットコインにおいて中国の影響力ってどれくらいなんでしょうか?ビットコインの取引額をもとに考えてみました!
- 暴落したビットコインの価格は回復
- 中国のビットコイン取引額シェアは6%以下
- 2017年2月 中国人民銀行の大規模規制
- 中国がマイニング禁止になる影響
- 中国集中からマイニングを分散することがビットコインの安定性に繋がる
暴落したビットコインの価格は回復
一時は40%以上もの暴落をしたビットコインですが、この3連休明けには見事なV字回復ですでに暴落前の水準に戻ってきています。
またこの暴落を受けて、世界のビットコイン取引量に占める各国のシェアが変わりつつあります。
中国のビットコイン取引額シェアは6%以下
参照元:CryptoCompare
9月19日現在、ビットコインの国別の取引量をみてみると、1位が日本円で、過半数近くを占めています。2位はアメリカで32.46%、3位は韓国ウォンで6.63%、4位は中国で5.62%となっています。
正直、このランキングを見てあれ?と不思議に思った方は多いんじゃないでしょうか。想像以上に中国元による取引量が少ないです。
実は、今回の一連の中国取引所閉鎖騒動で中国の取引額が大きく失われたというわけでもなく、この騒動以前より中国のビットコイン取引量シェアは大きく下がっていました。
2017年2月 中国人民銀行の大規模規制
中国元は、2017年1月以前までは、ビットコイン取引量のシェア90%以上を占めていました。圧倒的な存在感です。
しかし、2017年1月に中国人民銀行(中央銀行)が仮想通貨取引所に行った大規模な規制をきっかけに、一気に資金が引いてシェアが2割ほどまで急減しています。
5月末には資産の引き出しが再開されたようですが、
中国の投資家にしてみれば
「いつ取引所に規制が入って禁止されるか分からない」
状況にあったので、海外の取引所に流れ込んでいたと考えられます。
この大規模規制後、日本市場が世界一の市場になりました。
中国がマイニング禁止になる影響
China’s Interference on Bitcoin Tests Currency’s Foundation - WSJ
取引量では中国元は影響力が落ちていたのが分かりましたが、本当に中国の強いところは「マイニング」市場です。
現在、ビットコインの半数以上は中国でマイニングされています。
中国集中からマイニングを分散することがビットコインの安定性に繋がる
BitTimesによると、Litecoinの創設者であるCharlie Lee氏は
「今回の閉鎖は良いことです。ビットコインを中国政府が規制することで、中国は市場に参入することができなくなります。集中化された取引の解決方法は、分散化することです。」
と述べています。
ビットコインの根幹であるマイニングが、中国に偏っているのは非常に危険であり、市場集中が続いていれば常に中国リスクがつきまといます。
今回の取引所閉鎖に加えて、マイニングも全面禁止になるとすれば、中国以外の地域に分散されて市場の安定化・健全化が進むだろうと思います。将来のビットコイン市場を考えれば、今回の規制強化はむしろ好材料だったと考えるべきです。
また、これまでと違い中国のビットコイン取引における影響力が弱まっていますので、中国関連の悪いニュースがこれから表に出たとしても、それほど狼狽えることはないでしょう。