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【社説】

衆院選10月に 「安倍政治」に下す審判

 議員任期を一年以上残しているとはいえ、閉塞(へいそく)感が漂う日本政治を転換する機会でもある。政権側の思惑に惑わされず、五年近くにわたる「安倍政治」に対する審判をしっかりと下したい。

 自民党の二階俊博幹事長が、安倍晋三首相から早期の衆院解散を検討していると伝えられたことを明らかにした。二十八日召集予定の臨時国会の冒頭にも衆院を解散し、十月中旬に公示、下旬に投開票が行われる見通しだという。

 衆院解散は、全国民の代表である国会議員の身分を行政府の長である首相が奪う行為だ。内閣不信任決議案の可決または信任決議案の否決という憲法に定めがある場合や、国民に信を問うべき重要な争点がある場合を除き、首相の「解散権」は、乱用を厳に慎むべきものである。

 首相の今回の解散に、そもそも急ぐべき「大義」はあるのか。

 臨時国会召集は、森友学園への国有地売却、加計学園による獣医学部新設、防衛省・自衛隊の日報隠しなど安倍政権をめぐる疑惑追及のため、野党側が憲法五三条に基づいて要求していたものだ。

 それを三カ月も放置して野党に追及の機会を与えず、召集した途端の冒頭解散なら、憲法軽視、疑惑隠しと批判されて当然だ。

 解散するにしても、せめて首相の所信表明演説と各党代表質問、衆参両院予算委員会での総括的質疑を終えてからにすべきである。

 解散検討の背景には、民進党の低迷のほか、野党共闘をめぐる協議や小池百合子東京都知事と連携する国政新党の準備が進まないうちに解散した方が、自民党に有利との判断もあるのだろう。

 それが政治の現実とはいえ野党の混乱に乗じた解散は、やはり解散権の乱用との誹(そし)りは免れまい。

 とはいえ、私たち有権者は傍観するだけではいけない。むしろ衆院選は、そうした政権の在り方を含めて「安倍政治」全般にわたって審判を下す機会でもある。

 例えば、安全保障や経済政策。安倍政権の下で進められている軍事偏重、成長重視の政治に歯止めをかけるには、選挙で民意を示すしかない。

 政治の主導権を握る安倍自民党に比べ、野党には厳しい選挙情勢であることは間違いないが、大義なき解散と批判するだけでは、有権者の支持は集まるまい。

 短期間だが、各党内で徹底的に議論し、「安倍政治」に代わる政権や政策の選択肢を示す。それが野党に課せられた責務である。

 

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