今野浩喜、『僕やり~』パイセン役は「配役すると“お目が高い”と言われる俳優」だからこそ
何事も“そこそこ”で生きていければ…と考えていた高校生たちがイタズラ心で起こした復讐劇を機に平穏な日常を一変させるさまを描く窪田正孝主演の火9ドラマ『僕たちがやりました』(カンテレ・フジテレビ系)。今クール、回を重ねるごとにドラマファンにとってボルテージの上がる展開となっている本作品。窪田演じる主人公・トビオたちが通う凡下(ぼけ)高校OBで、風貌・性格ともにインパクトの強いパイセン役を演じるのは最近すっかり役者づいてきた芸人・今野浩喜だ。永野芽郁、新田真剣佑、間宮祥太朗、川栄李奈ら若手共演者に混じって一癖も二癖もあるパイセン役を熱演。そんな今野に最終回を控え、本ドラマの裏側、また芸人と役者の距離感について話してもらった。
――今回、このドラマを取材するにあたって、今野さんにインタビューをしたいとお話したところ、「お目が高い」と番組スタッフの方に褒められました。今や俳優としてもすっかり一目置かれる存在になったということですね。
今野:それはどう受け取っていいものやら(笑)
――パイセン役ということで、キャスティングの話を聞いた時はどんな心境だったのですか。
今野:まず、一番四苦八苦するのが関西弁だろうなって。あと、俺は胸毛も生えているんですけど、それを全部剃ったりとか、髪も本当は坊主じゃないしとか、そんなことをいろいろと考えていくと、パイセンにもっと近い人間がほかにいなかったのかなって。断られて俺のところに話がきたのかもしれないですけど(笑)でも、なんで俺なんだろうって。ほかに確実にふさわしい人がいるはずなのに自分を選んでくれたことは素直に嬉しかったですね。
――出演者は窪田さんはじめ勢いのある若手俳優ばかりです…
今野:みんな若いので、居心地が悪いですよ。共通の会話も特にないし……。あるのかもしれないけど、嫌われたくないし、おじさんだと思われたくないから、表面上の話しか出来ていないんです。あんまり話題を掘り過ぎると距離が生まれそうで(笑)でも、芝居はやりやすいですよ。台本そのものが仲のいい設定になっていますから。演じている時が一番仲がいい。カメラが止まったら喋らなくなんですよね…。
――若い人ばかりの現場は今野さん的に珍しいことですか?
今野:いやこれまでもありましたよ。「欅坂46」が主演した『徳山大五郎を誰が殺したか?』(テレビ東京系)とかね。でも、欅坂のメンバーほど歳が離れてしまえば、もうあきらめがつくじゃないですか。女子校にちょっと入っちゃったっていうだけの世界なんで。今回くらいの世代差のほうが難しいです。ゆとり世代なのかな、ゆとりよりちょっと若いのかなって、そんなことを考えながら接しています。ゆとりであれば、失礼なことされても『ああ、ゆとりだからな』って流せるし(笑)。 でも、今回のメンバーはゆとりよりは少し下の世代だと思いますけどね。
――窪田(正孝)君あたりがゆとり世代に当たるのかもしれないですね。
今野:窪田君はゆとり世代かもしれないんですが、業界にいるのが長い分、すごくしっかりしていますけどね。やっぱりいろいろと背負っている感じがします。何回も共演したことがあるのは窪田君くらいなんですけど、人間がよくできていますよね。今、僕はタバコを吸っていないんですけど、「以前IQOS吸っていましたよね。やめたんですか」とか言ってくるんですよ。覚えてくれていたんだって。こっちも嬉しくなります。
――間宮(祥太朗)さんとはいかがでしたか?
今野:間宮君はまだあんまり喋っていないんですけど、漫画が好きなのか、相当読み込んできているのか、彼が演じるイサミに、すごく似せてきているなって。ちゃんとコミックの動きができているんです。驚きますよ。
――皆さん、今野さんの原作への役柄の似せ方を見てプレッシャーを感じているのでしょうか?
今野:今回、サングラスをして坊主にして、鏡の前で見てみて、俺の方も我ながらなんて似ているんだろうって思いました(笑)コスプレみたいだなって。パイセンとはそもそも私生活からして似ているんですよ。金持ちという部分は全く違いますけど。例えば、俺の普段の格好ってほとんどパイセンと色違いみたいな服ばかりですから。ブランドのクロックスがビルケンシュトックに変わったくらい。衣装に関していえば、(着ているもののラベルを見せながら)これとかドルガバですからね(笑)。今回の一番の面白ポイントかもしれないです。ドルガバってもう鉄板ですからね。聞いただけで笑ってしまう。窪田君が一番笑ったポイントでもありました。パイセンはドルガバなんです。金持ちっぽさをここで表現しているんです。
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『僕たちがやりました』-(C) 関西テレビ -
『僕たちがやりました』-(C) 関西テレビ
――今野さんは、かつてのコントもそうですが、非常に憑依型というか、スイッチが入ると完全に役になりきるイメージがあります。今回もかなりなりきる役作りをしているのでしょうか?
今野:役作りというのは正直やったことがないです。このドラマでは役作りをする勉強をさせてもらっている感じはしますけどね。演技に関しては憑依型とよく言われますけど、あんまり意味がわからないです。そもそも冷静じゃないと演技はできないんです。まじめに憑依してしまったら役者としてセリフなんて言えないだろうって。パイセンを演じるのは常に関西弁という足かせがあるので、難しいですよ。イントネーションを思い出しながら喋っているので、その場のノリで出る、アドリブまでいかない言葉を出す時はどうしても3秒くらい遅れてしまう。「これ、関西弁でなんて言うんだろう」って。これでいいのかなって。
――台本もかなり弾けた内容ですね。
今野:演じる側としての葛藤はすごいですよ。それこそ憑依したいくらい(笑)冷静ではいられないんです。やったことのない挑戦が常に与えられているという感じです。これはドッキリなんじゃないかと思いました。役作りという中で人はどれくらいできるんだろうっていう壮大な実験をされているような気分になります。
――キャスティングをしたスタッフは、今野さんならそういうことを乗り越えてやってくれるだろうという狙いがあったんでしょうね。
今野:そうなんですかね……。役者さんはどんな作品であっても120パーセント文句を言わずにやると思うんです。でも、俺の場合はやらされている感がどうしても出てしまう。申し訳ないんですけどね。だから、今回も俺の関西弁で文句が出た場合はキャスティングが悪いんだという保険を持ってやっていこうと思っています(笑)。
――パイセンは今野さんらしい役柄だったと思いますか?
今野:自分がブサイクとは言いたくないですけど、いつも俺は出演することでみんなを引き立てている感じがするんですよ。でも、パイセンは俺の役としてはかっこいい方だと思いますよ。珍しいくらい。単純にサングラスからしてかっこいいと思っています(笑)。
――ちなみに人気コミックの実写化作品でもあります。そういう部分でのプレッシャーはありましたか?
今野:ファンの方の目というのは確かに恐いですよね。でも、実写化に向いている漫画だとは思いますよ。例えば『ドラゴンボール』のアメリカ版(『DRAGONBALL EVOLUTION』2009年)とかやっぱり難しいじゃないですか。今回のは実写に向いている作品でよかったなとは思います。クリリンの役とかだったら嫌だったですもん。クリリンの鼻に日本で一番似ているやつは僕だとは思いますけど(笑)。
菊地・..・ @sanagisan56
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吉田 凌 @Ryolovejsb
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