「宅配便は、とにかくゴミが出てしょうがない。宅配業者の取り扱いが乱暴だから、商品を保護するためにものすごい過剰包装で送ってくるんです。中国では2000年代後半からレジ袋を有料にして『白色公害』(レジ袋による汚染)をなくそうと努力したけど、あの取り組みは一体どこに行ってしまったんでしょう」
リアルな店舗には買い物の楽しさがある
日本を訪れる中国人は、日本の小売り店の素晴らしさをよく絶賛する。
ある中国人女性が日本の百貨店について書いた手記(以下は一部抜粋)がインターネット上で公開され、話題となった。
「個性ある売り場に充実したサービス、それは駐車場や授乳室を見ても分かる。高齢者や幼児など弱者への配慮が行き届き、子どもの背丈に合うトイレもしつらえてある。売り場に不良品や偽物はなく、安心して買い物ができる。日本の商品は意識の高い職人の匠の心でつくられているのだ」――。
中国ではEC市場が急成長し、リアルな店舗の市場を丸飲みにしてしまったと言われている。そのため中国の消費者はリアルな売り場での買い物の楽しさを忘れてしまった感がある。
しかし消費者は、安さだけを売りにする中国のEC空間に飽き始めているようだ。ジャック・マー氏は最近「すでにeコマースは死んだ」と口している。次なるステージは、リアルな店舗への回帰なのか、それともECの進化が幸福の追求に舵を切るのか?