皆さんは、仮想通貨で儲かった税金のことについて考えていますか?
2017年4月にビットコイン(仮想通貨)は正式に通貨となり、ビットコインやアルトコインを購入する際の税金は非課税となりました。
ビットコインとして持っていても課税はされませんが、ビットコインの利益分を他の通貨やモノに替えると利益分が課税されます。
2017年9月6日に国税庁より「ビットコインを使用することにより利益が生じた場合の課税関係」というタックスアンサーが公開されています。
[平成29年4月1日現在法令等]
ビットコインは、物品の購入等に使用できるものですが、このビットコインを使用することで生じた利益は、所得税の課税対象となります。
このビットコインを使用することにより生じる損益(邦貨又は外貨との相対的な関係により認識される損益)は、事業所得等の各種所得の基因となる行為に付随して生じる場合を除き、原則として、雑所得に区分されます。
(所法27、35、36)
引用元:タックスアンサー
これによって、国税庁のビットコインへの課税の見解が判明し、投資家の中で話題になっています。今回は、現状出ている情報をもとに仮想通貨の税金処理について整理してみたいと思います。
<注意>
2017年の確定申告にむけて、より具体的な追加情報が出ることが考えられます。また、仮想通貨の税処理については、税務署によっても判断が異なることがあります。最終的な税金の処理については、地元の税務署へご相談の上、処理するようにしてください。
- 仮想通貨の使用はどこから課税されるか
- 仮想通貨の税金は「雑所得」扱いになる
- ビットコインから他の仮想通貨(アルトコイン)に替えたときに課税されるのか
- ビットコインを使った買い物についての課税
- 海外の取引所での取引について
- 確定申告の申告時期について。いつまでに申告する?
- 累進課税「雑所得」の所得税率と控除額
- 実際に課税される金額の計算式
- 経験が無い人にとっては確定申告の勉強にもなる!
仮想通貨の使用はどこから課税されるか
ビットコインを始めとした仮想通貨取引で得たすべての利益は原則、雑所得に区分され課税される。
仮想通貨取引で得たすべての利益とは要するに、
- ビットコイン⇛物品
- ビットコイン⇛日本円
- ビットコイン⇛アルトコイン
これらすべての取引において得た利益に対して課税されると考えられます。
ビットコインのままでビックカメラなどで買い物をしたとしても、利益分はしっかり課税されることになります。
仮想通貨の税金は「雑所得」扱いになる
タックスアンサーの発表以前は、仮想通貨にかかる税金は「譲渡所得」か「雑所得」かで意見が分かれていましたが、今回の発表で「雑所得」として扱うことが明確になりました。
現在は株式取引もFX(外国為替)も 一律20%の課税ですが、以前FXは「雑所得(分離課税なし)」として最大40%も課税されていました。
仮想通貨にかかる税金についても、以前のFXと同じ扱いになると考えます。
将来的にはFXのように、分離課税ありの課税方式になる可能性もありますが、相当な時間がかかるのではないでしょうか。
ビットコインから他の仮想通貨(アルトコイン)に替えたときに課税されるのか
今回の国税庁のビットコインの税金の扱いの発表は、あくまでビットコインに対しての見解です。アルトコインについての記載はありません。
しかし、2017年4月からは「ビットコイン・アルトコインを含めた仮想通貨は非課税」であることから、「ビットコイン以外のアルトコインに替えたときの利益も課税対象になる」のではと考える方が多いようです。
例えば100万円で投資したと仮定してみましょう。
100万円でビットコインを購入した後、アルトコインに替え、最終的に法定通貨500万円で日本円に替えた場合、利益の400万円が課税対象になると考えます。
ビットコインを使った買い物についての課税
ビットコインで買い物をするためには、下記の方法があります。
- ビットコインで支払いができる店舗で直接支払う
- ビットコインデビットカードで法定通貨に交換して支払う
いずれの場合でも、利益確定とされ、利益分は課税されることとなります。
これまでは「税金がかからないので節税対策になる」と考えられてきましたが、
商品の購入(決済)にはビットコインを使用しますので、課税対象となります。
申告する際には使った数量ときその当時のレートを控えておく必要があるため、気をつけて買い物しなければなりませんね。
海外の取引所での取引について
こちらも、これまでは税金対策になると考えられた、海外の取引所(Poloniex、Bittrexなど)についてですが、今回の発表では触れられていませんでした。
銀行口座の例でみると、海外口座は国税庁の調査は入らないので、無申告の人も多いそうです。仮想通貨の取引所も同様であれば保有量は申告しなくてよいと考えられますが、恐らく何かしらの規制は入るかと思われます。
確定申告の申告時期について。いつまでに申告する?
確定申告は毎年1月〜3月15日までに税務署に申告しなければなりません。
2017年中(1月〜12月)に得た利益分の申告は、
「2018年の1月1日〜3月15日」
の間に申告する必要があります。
サラリーマンであれば、雑所得は20万円以上が申告対象になっていますので、対象の方は必ず申告するようにしましょう。
累進課税「雑所得」の所得税率と控除額
雑所得の税金は累進課税になるので、利益額が大きくなればなるほど課税率も大きくなっていきます。
また雑所得は他の所得と損益計算ができないため、「雑所得」のみで損益計算を出す必要があります。不動産所得や事業所得、譲渡所得などの他の赤字があっても、通算はできません。
実際に課税される金額の計算式
給与所得があるサラリーマンの場合であれば、以下の計算式で所得税額が算出できます。
(給与所得 + 仮想通貨所得 – 控除額)* 税率 = 所得税額
例えば、給与所得500万円、暗号通貨の利益200万円であれば、
(5,000,000 + 2,000,000 – 636,000) * 23% = 1,463,720円
となり、146万円以上課税されることになります。ただし、サラリーマンの場合は、給与所得に対する所得税は月々の給与から源泉徴収されていますので、
(5,000,000 – 427,500) * 20% = 914,500円
はすでに徴収済みの金額になります。
というわけで、確定申告時に追加で納税が必要な税額は、
1,463,720 – 914,500 = 549,220円
となります。仮想通貨で200万円の利益を得ていたとしても、そのうち55万円は税金として支払わなければならないので、最終的には「145万円」が手元に残るということです。
この所得税以外にも、住民税が所得金額に対して10%かかりますので、更に引かれることになりますね。
経験が無い人にとっては確定申告の勉強にもなる!
仮想通貨はこれからも普及し続けていき、それに合わせて価値も上がっていくものです。
仮想通貨で得た利益を確定申告することは、正しい税の仕組みを知ることにもなります。
私も来年の1月1日〜3月15日の確定申告が人生初になりますので、しっかり勉強して確実に納めようと思います。
今年は仮想通貨元年といわれ、仮想通貨市場が非常に盛り上がっています。
確定申告の時期までには、国税庁から何らかの新しい見解が公表される可能性が高いと思います。今後、仮想通貨の確定申告についての続報や追加情報がありましたら記事にしていきます。
実際に私が人生初の確定申告をした結果のレポートもまとめる予定ですので、ぜひ読んでいただけたらと思います!