セミの生き様に己を投影している方は見ないでくださいね。
今年もまた、セミの死骸を処理する季節になりました。
美談チックに語られても
セミは地上に生まれてから一週間しか生きられないと聞きます。厳密には種類や生息場所によって一ヶ月や半年にもなるらしいのですが、まあ良いでしょう。その生き様に感化されて、なぜか人間に例える人がいますよね。
「セミのように我慢強く~」
教師にそう語られたことがあります。しかし当の僕は「コイツは何を言ってるんだろう」と思っていました。なぜなら、田舎で育つ子供はセミを捕まえて遊んだり、エアーガンで◯したり、他にも諸々……して成長します。
なので、そういった対象であるセミを見習え! と言われても「???」となるのです。
セミマンションに住んでしまう
そして、セミに対する価値観を決定的づける出来事が起こります。
セミが大量に発生する公園の隣のマンションに住んだことです。同じ経験をした方ならわかってもらえると思いますが、本当にエグいです。
それでは比較していきます。
誕生まで
僕が思うのは、セミって土の中で嫌がらせを受けているんじゃないかなってことです。微生物かミミズかはわかりかねますが、とにかく物凄いストレスの中で生きているんじゃないかと。その強烈な反動が、鳴きまくって一週間で死ぬという結果だと考えます。
対して、騒音おばさんは家の中で育ちます。
最初から騒音を発する人ではないはずです。ただのおばさんが家庭環境、人間関係で傷つき、徐々に歪んでいきます。発狂して殻を破ることで、騒音おばさんは誕生します。
どちらも強烈なストレスに晒されています。
音量
セミはあれだけ小さな体であの大音量を出すわけですから、そりゃ死にますよ。限界を超え続けた先には死あるのみです。
対して、限界を超え続けた騒音おばさんは社会的に死にます。
どちらも凄まじい音を出します。
放尿
小学校の時、コヤマンマンというアダ名のクラスメイトがいました。癇癪持ちで、キレると相手の髪を引っ張るという質の悪いヤツでした。そんな彼がセミにオシッコをかけられて
「歯痒い~!!」
と言っていたんですね。笑いたかったんですけど、髪を引っ張られたら厄介なので我慢していました。
騒音おばさんに放尿されたら、間違いなく歯痒いでしょう。
どちらも歯痒い思いをします。
顔が怖い
どちらも怖いです。
進化の可能性
コンクリートを吸っても鳴けるセミが年々増えている気がします。子どもの時は、「こいつら電柱吸って鳴いてやがるよ~ケラケラ」と笑っていましたが、現在はただただ不気味です。吸っている気分になれば鳴けるってことは、自己洗脳が完了している証明でもあります。つまり、木がなくても鳴けるってことです。生まれてしまえば何を吸っても鳴き続けるのがセミなんです。
対して、騒音おばさんも手がつけられません。ヒマが出来たら布団を叩き、布団を叩き終えたらラジカセを大音量で流し、ラジカセが飽きたら発狂……。今の時代、簡単に大音量を流し続けることは容易です。何がきっかけでどんなタイミングで騒音人生を歩むのかなんて誰にもわからないのです。
どちらも進化の可能性をはらんでいます。
死んだふり
セミが発生するマンションでは、9月にホウキとちりとりで掃除するのが当たり前になります。またベランダに死骸があるよ……と思い、そそ~っと掃いたら
「ミ゛ンッ!!」
と鳴いて暴走します。
対して、騒音おばさんはやっと静かになった……と思ったら
「ア゛ア゛ア゛〜!!!」
と叫んで暴走します。
どちらも何度でも蘇っては暴走します。
体液
乾燥したセミを踏んでしまえば粉々になります。死んで間もないセミを踏めば変な液が出ます。
騒音おばさんも火葬後は粉々になります。火葬前は色々な穴から変な液が出ます。
出ます。
対処方法
夏になると、新しいセミがどんどん生まれてきます。もう、引っ越すしか対処法がないんです。マンション選びにおける最大の注意点だと言えます。
騒音おばさんもきっと世界のあちこちで誕生しています。こちらは誰かに相談しましょう。相談したことでヒートアップする危険性には充分ご注意ください。
相手を変えるよりも、自分を変えたほうが早いかもしれません。
おわり。
虫キライ
歩きスマホもキライ