“女性の平均寿命世界一”沖縄県北中城村でいただく「長寿ごはん」〈長寿村でやってみた「突撃! 隣の晩ごはん」(2)
食・暮らし週刊新潮 2016年3月17日号掲載
長生きの秘訣とは何か――長寿者が多い地域を実際に訪れ、地元の方に話を聞き、その暮らし方からヒントを探る本シリーズ。「長寿の郷」として知られる京都府京丹後市の次は、“女性の平均寿命”が日本で最も長いとされる地に赴いた。
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2013年に厚生労働省が発表した「平成22年市区町村別生命表」によれば、平均寿命日本一は、男性が82・2歳の長野県松川村、女性は89・0歳の沖縄県北中城(きたなかぐすく)村とされている。
女性1位の北中城村は、那覇から北に車で40分。村の東には、中城湾が広がり、海岸線から少し内陸に入ると起伏の激しい丘陵地帯となる。村内には昨年オープンの巨大ショッピングモールもあり、那覇の「郊外」といった雰囲気だ。
沖縄県北中城村
村で元気なお年寄りを探すと、近所に100歳の安里静子さんがいるという。自宅を訪ね、話を聞いた。
■安里静子さん(100)の昼食
戦前に夫と死別した静子さんは、戦火の下、子供を抱えて生きながらえた。
「山で15日間も野宿したし、遺骨を退かした6畳ほどのお墓の中に隠れていたこともありました」
戦後は、米軍の宿舎を作る際、大工の下請けなどの力仕事をし、女手一つで3人の子供を育て上げた。苦労を重ねたことが、今日の活力に繋がっているのか。
「朝6時に目を覚ますと、庭の掃除や草取りから始まって、今は、機械がするだけだから自分で洗濯しますし、畑でほうれん草やゴーヤーなどを作っています。天候次第では、近所を散歩し、馴染みの家に遊びに行きます」
テレビが好きで、相撲をよく見ているが、白鵬ばかりが勝って、つまらないとぼやく。肝心の食事は、
「好き嫌いなく、何でも食べます。豚肉、鶏肉も食べますが、間食はほとんどしません。毎日、野菜を多くとるよう心がけ、ほうれん草や、ネギ、夏ならゴーヤーなどを煮込んだり炒めたりして食べています」