<img height="1" width="1" style="display:none" src="https://www.facebook.com/tr?id=794925553999638&ev=PageView&noscript=1"/>

スマートフォン版はこちら

工具はともだち<122>ねじ山をつぶした時に役立つ「ねじプライヤ」「ロッキングプライヤ」

by 重田和麻 / Kazuma SHIGETA

 この間、組立家具を組み立てていた時、久しぶりにやってしまいました。そう、ねじ山をなめてしまったんです。一度だけだったので、なんとかリカバリーして締め切りましたが、自転車ユーザーにとっては、後ろで「キャー」という声が聞こえてきそうなホラー並みに怖いお話しですよね。でも、どれだけ気を付けていても、ねじと工具の精度や相性によってはやはりなめる事はあります。

 「工具はともだち」の中でも何度かお話ししたように、元々、ドライバーやアーレンキーなどのボルトの内側を回す工具は比較的硬くできていることもあって、徐々にボルトやビスを傷めていきますので、なめることを完全に防ぐことは難しいのが実態です。

 程度にもよりますが、少しなめた程度なら、精度の高い工具を使うことでなんとか回せるものですが、完全につぶしてしまってどうしようもなくなることもやはりあるものです。今日はそんな時に役立つアイテムを少し紹介したいと思います。

ねじをくわえて回す工具

 まずご紹介するのは「ねじプライヤ」。先端に歯が設けられているので、小ねじをくわえて回すことができます。

KTCのねじプライヤ ©KTC
ねじプライヤは先端がねじをくわえやすくなっている ©KTC

 先端でねじをくわえるように設計されていますので、KTCの普通のプライヤーと比べて約4倍以上のトルクで回すことができ、ねじ山をつぶしてしまった時や錆びついて回り難いねじに有効なんです。同じようなことを「ロッキングプライヤ」を使ってもできます。ロッキングプライヤは対象物をくわえた状態でロックできるので、なめたねじを回すことだけに集中できる分、比較的楽に回すことができるんです。

KTCのロッキングプライヤ ©KTC
ロッキングプライヤはねじをくわえてロックできる ©KTC
KTCのツイストソケット ©KTC

 この2つは自転車で良く使われるビスや六角穴付きボルトを回す際に有効ですが、六角ボルトの場合はどうでしょうか。この場合もこんなアイテムがあります。その名も「ツイストソケット」。普通のソケットと違い、中がよじれたツイスト形状になっているので、なめて丸くなったボルトやナットにかみ込み回すことができる優れものです。

なめかけたら「角がしっかり」した工具

 以上の3つはなめた後の話ですが、なめかけたねじやボルトを回す際はどうすればいいか。まずは先にも書いたように精度の高い工具、例えばネプロスのような工具を使用することです。

 また、アーレンキーで言うと、角がしっかりしている物を使うのも有効です。以前にもご紹介したようにアーレンキーは引き抜きという製法で作られている物が多く、どうしても角が丸く仕上がりがちです。それに対し切削加工、つまり削り出されて作られた物は比較的角がしっかりしています。KTCでも自転車用のアーレンキーは丸材から削り出していますので、こうした工具を使うこともなめりを防ぐのに有効な手段となります。ちなみに角が丸くなってきたようなねじに対してボールポイントを使用するのは自殺行為に近いのでお気を付けを。

ネプロスのヘキサゴンソケット ©KTC
KTCの自転車用アーレンキー ©KTC

 あとは、六角ボルトの場合は六角ソケットやめがねでもヘックスめがねを使うことをお勧めします。やはり、十二角に比べ丸みを帯びてきたボルトやナットでも比較的しっかり回すことができます。ヘックスめがねは使用する際、ふり幅が大きくなるため、狭い場所で使いにくい点も否めませんが、なめそうになってきたボルトを回す際には力強い味方になってくれることでしょう。

なめりを防止できるヘックスめがね ©KTC
ネプロスではストレートのヘックスめがねをラインナップ ©KTC

Cyclistロゴ入りエプロン付き「デジラチェ工具セット」販売中

Cyclist × KTC オリジナルデジラチェ工具セット Photo: SANKEI netShopCyclist × KTC オリジナルデジラチェ工具セット Photo: SANKEI netShop

 CyclistとKTCとのコラボレーションによる自転車メンテナンス向け「オリジナルデジラチェ工具セット」が好評です!

 デジタル式トルクレンチに、収納用ブローケースや、自転車整備に活躍する5つの付替え用ビットソケット、ソケットホルダー、さらにCyclistとKTCのロゴが入ったオリジナルショートエプロンが付属している、他では手に入らないセットとなっています。(価格は税込4万3869円)
(産経デジタル)

→「オリジナルデジラチェ工具セット」商品販売ページ(産経netShop)

重田和麻(しげた・かずま)

KTC(京都機械工具)入社後、同社の最高級ツール「nepros」(ネプロス)の立ち上げに携わった後、販売から企画、商品開発とさまざまな立場で同商品と歩みを共にしてきた。スポーツ自転車は初心者だが、工具についてはプロフェッショナル。これまでの経験を生かして、色々な角度からサイクリストに役立つ工具の情報を提供する。

関連記事

この記事のタグ

KTC 工具はともだち

新着ニュース

もっと見る

ピックアップ

スペシャル

ソーシャルランキング

インプレッション

インプレッション一覧へ

連載