「ここまでアイドルとして活動してきて、やりきったなっていう思いが強い。悩みや迷いはなかった。もういいかなって、スッキリした気持ちで決めました」。そう話すのは、今月27日にアイドルグループ・NMB48から卒業する木下百花(20)。奇抜な髪の色や行動から呼ばれてきた“異端アイドル”の印象とは違い、NMB48への思いを丁寧に話してくれた姿は“真面目”の一言。卒業を控える木下に、これまでのアイドル人生を聞いた。
■最初は作っていた“異端キャラ”「変人って思われたかった」
部屋が畳だったため、ずっと背筋を伸ばして正座をしながらインタビューに答えてくれた。一緒にいたスタッフに印象を聞くと「真面目な子」「やるときはやってくれる」と信頼の言葉ばかり。そんな木下は、なぜ“異端アイドル”と呼ばれるようになったのか。
「NMBのオーディションに体操服姿で行ってから言われるようになりました。入ってからも不思議ちゃんみたいな扱いでした。段々、周りから『根は真面目だよね』っていうイジりをされるようになったけれど、入ってから3、4年くらいまではわざとキャラを作っているところがあったんです。自分をどこに確立させるか悩んでいて。キャラがあると強いし、世間から変人って言われたくて、無理やり作っていたときもありました。でも、そういうのは意味ないなって気づいたんです」。
キャラ作りの葛藤を経て、自分らしい個性を出す本当の“異端アイドル”を確立した。自己評価も「わりと真面目」な木下は、異端でいることにもしっかりした考えを持っている。
「仕事や周りの人を大事にするとか、常識の部分は大事にしないと。そういう部分がないと、奇抜な髪の毛とか行動はできないと思います。いろんな人に迷惑をかけているからこそ、いろんな人に恩返しをしていかないといけないです。こういう身なりしているから、余計に真面目に見えるみたいです(笑)」。
■アイドルに偏見のあった加入前 続けた理由は“心残り”
NMB48に入ったのは、母親が勝手にオーディションに応募したことがきっかけ。2010年9月に、山本彩らとともにNMB48の1期生オーディションに合格した。
「もともとはアイドルに対しての偏見がすごくあったんです。笑っているだけでお金もらっているんだろうなとか。でも、入ってみたら全然違った。裏では全員がつらい思いをしていました。そんな私がここまでアイドルを続けてきた理由は、何をしても心残りが毎回あったからです。人は心残りがあるとそこから動けないので、卒業を決めた理由もやりきったと思えたからです」。
■須藤凜々花への思い「NMBに関わったことを後悔してほしくない」
今年6月の『AKB48選抜総選挙』で結婚発表した元メンバー・須藤凜々花のこともあり、「NMBは今ピンチって言われています。ファンの方には『今だからいてほしい』って言われますが、そこに頼っちゃいけないんです。次世代の子たちが自分発信で出ていけるグループになってほしい」と期待を込める。
須藤といえば、木下は8月に行われたライブで「みんなが聞きたかったのは、あなたが本当にNMBのことを好きかどうか」と、涙ながらに自身の思いをぶつけたことが記憶に新しい。
「私は、人間としてのベースが作られる年齢のときにNMBに入って過ごしてきたので、グループ自体が好きなんです。私の根本にNMBがあります。須藤さんには、いろんな人が大切にしてくれるNMBにいたこと、関わったことを後悔してほしくなかった。あの場で重い空気になるっていうのはわかっていて、私は“異端”って言われているのもあるので、私が言わないといけない。自分がたたかれるのはどうでもいいのですが、メンバーがたたかれるのはいただけないです」。
自身の役割を理解し、メンバーたちを思いやった木下。NMB48として活動期限が迫るなか、20日には神奈川・横浜アリーナで開催される『NMB48 ARENA TOUR 2017』に出演、26日には大阪市内のライブハウスで卒業記念イベント、27日にはNMB48劇場で卒業公演が控えている。
「アリーナツアーは新しいNMBとしてのスタートになるので、ファンの皆さんを安心させられるコンサートにしたい。あと、ライブハウスでの卒業イベントって、今までのNMBにはなかったので、最後の最後に新しい一面を見せたいです。卒業公演は、最後に特別すごいことをしようという感じよりは、一番大切にしていた原点に戻った姿を見てもらいたい」。
「卒業後のことはリアルに何も考えてない。自分のなかに選択肢がいっぱいあるんです」と目を輝かせた木下。最後に、この7年どんなアイドル人生だったかを聞くと、「波乱万丈でした。本当にその言葉が似合います。NMBに入ってよかったと思うのは、いろんなものを大事にできるようになったこと。人のことも、仕事も、いろんなことです。大事なことをちゃんと大事にできるようになりました」と実感を込める。“NMB愛”にあふれた真っ直ぐな中身は、正統派アイドルそのものだった。
■最初は作っていた“異端キャラ”「変人って思われたかった」
部屋が畳だったため、ずっと背筋を伸ばして正座をしながらインタビューに答えてくれた。一緒にいたスタッフに印象を聞くと「真面目な子」「やるときはやってくれる」と信頼の言葉ばかり。そんな木下は、なぜ“異端アイドル”と呼ばれるようになったのか。
「NMBのオーディションに体操服姿で行ってから言われるようになりました。入ってからも不思議ちゃんみたいな扱いでした。段々、周りから『根は真面目だよね』っていうイジりをされるようになったけれど、入ってから3、4年くらいまではわざとキャラを作っているところがあったんです。自分をどこに確立させるか悩んでいて。キャラがあると強いし、世間から変人って言われたくて、無理やり作っていたときもありました。でも、そういうのは意味ないなって気づいたんです」。
キャラ作りの葛藤を経て、自分らしい個性を出す本当の“異端アイドル”を確立した。自己評価も「わりと真面目」な木下は、異端でいることにもしっかりした考えを持っている。
「仕事や周りの人を大事にするとか、常識の部分は大事にしないと。そういう部分がないと、奇抜な髪の毛とか行動はできないと思います。いろんな人に迷惑をかけているからこそ、いろんな人に恩返しをしていかないといけないです。こういう身なりしているから、余計に真面目に見えるみたいです(笑)」。
■アイドルに偏見のあった加入前 続けた理由は“心残り”
NMB48に入ったのは、母親が勝手にオーディションに応募したことがきっかけ。2010年9月に、山本彩らとともにNMB48の1期生オーディションに合格した。
「もともとはアイドルに対しての偏見がすごくあったんです。笑っているだけでお金もらっているんだろうなとか。でも、入ってみたら全然違った。裏では全員がつらい思いをしていました。そんな私がここまでアイドルを続けてきた理由は、何をしても心残りが毎回あったからです。人は心残りがあるとそこから動けないので、卒業を決めた理由もやりきったと思えたからです」。
■須藤凜々花への思い「NMBに関わったことを後悔してほしくない」
今年6月の『AKB48選抜総選挙』で結婚発表した元メンバー・須藤凜々花のこともあり、「NMBは今ピンチって言われています。ファンの方には『今だからいてほしい』って言われますが、そこに頼っちゃいけないんです。次世代の子たちが自分発信で出ていけるグループになってほしい」と期待を込める。
須藤といえば、木下は8月に行われたライブで「みんなが聞きたかったのは、あなたが本当にNMBのことを好きかどうか」と、涙ながらに自身の思いをぶつけたことが記憶に新しい。
「私は、人間としてのベースが作られる年齢のときにNMBに入って過ごしてきたので、グループ自体が好きなんです。私の根本にNMBがあります。須藤さんには、いろんな人が大切にしてくれるNMBにいたこと、関わったことを後悔してほしくなかった。あの場で重い空気になるっていうのはわかっていて、私は“異端”って言われているのもあるので、私が言わないといけない。自分がたたかれるのはどうでもいいのですが、メンバーがたたかれるのはいただけないです」。
自身の役割を理解し、メンバーたちを思いやった木下。NMB48として活動期限が迫るなか、20日には神奈川・横浜アリーナで開催される『NMB48 ARENA TOUR 2017』に出演、26日には大阪市内のライブハウスで卒業記念イベント、27日にはNMB48劇場で卒業公演が控えている。
「アリーナツアーは新しいNMBとしてのスタートになるので、ファンの皆さんを安心させられるコンサートにしたい。あと、ライブハウスでの卒業イベントって、今までのNMBにはなかったので、最後の最後に新しい一面を見せたいです。卒業公演は、最後に特別すごいことをしようという感じよりは、一番大切にしていた原点に戻った姿を見てもらいたい」。
「卒業後のことはリアルに何も考えてない。自分のなかに選択肢がいっぱいあるんです」と目を輝かせた木下。最後に、この7年どんなアイドル人生だったかを聞くと、「波乱万丈でした。本当にその言葉が似合います。NMBに入ってよかったと思うのは、いろんなものを大事にできるようになったこと。人のことも、仕事も、いろんなことです。大事なことをちゃんと大事にできるようになりました」と実感を込める。“NMB愛”にあふれた真っ直ぐな中身は、正統派アイドルそのものだった。