新海誠作品は全部好きだ。
10年近く新海誠のファンである私の、思い出補正込み好きな作品ランキングを、アンチクライマックス方式で紹介したいと思う。
目次
- 第1位 秒速5センチメートル
- 第2位 君の名は。
- 第3位 言の葉の庭
- 第4位 雲のむこう、約束の場所
- 第5位 ほしのこえ
- 第6位 だれかのまなざし
- 第7位 クロスロード
- 第8位 星を追う子ども
- 第9位 彼女と彼女の猫
- 第10位 大東建設CM
- 第11位 信濃毎日新聞
- 初心者におすすめの観る順番
- まとめ
第1位 秒速5センチメートル
新海誠が生んだ全日本男子の心を破壊する超問題作。
初めてこの作品に出会ったのは高校生の時ぐらいだろうか。その背景の美しさと、
作品全体を流れる切ない空気感に心を鷲掴みにされた。
本作品は3話構成になっているのだが、初めて観たときは、1話の「桜花抄」に心をもっていかれた。子供の恋愛の息苦しさみたいなものに激しく胸を打たれたのだ。
でも、大人になってから本作を再試聴した時には、2話の「コスモナウト」の高校生の恋愛ならではの懐かしさと切なさに悶絶した。そして、3話の「秒速5センチメートル」で心は決壊した。
そう、秒速5センチメートルは、観る世代によって作品の感じ方が幾通りにも変化するのだ。
だが、共通することは、主人公が永遠に一人でポエムを読みまくるあの感じに、男であれば共感するということ。
一時期、mixiやfacebookでこじらせたポエマーを日本に大量に生んだ元凶は、この作品のせいだろう。
それぐらい影響力のあった作品であったと思う。
第2位 君の名は。
言わずと知れたアニメ界に新たに誕生した大傑作。
話は変わるが、私の人生は新海誠とともにあったといってもいい。
2007年に「秒速5センチメートル」と出会ってから、「君の名は。」が誕生するまでに約10年の月日が流れた。
秒速5センチメートルで新海誠の魅力にはまった私は、次回作を待った。そして、約4年後に誕生したのが「星を追う子供たち」だ。
新海誠らしさを求めていたため、正直な所、期待外れの作品であった。そして、さらに約2年を待ち「言の葉の庭」が生まれた。
「これだ!これだよ!!これこそが新海誠だと!!」
このままの流れで、次回作は超大作が生まれるのではないかと心を踊らせて、さらに約3年を待った。
そして、生まれたのが「君の名は。」だ。
そんなファンとしての熱い期待に全力で応えてくれる名作だと断言していい。新海誠らしさを残しながらも、従来までの作品とは違ったエンドを迎える。
そう、新海誠もまた、わたしたちファンと一緒に成長しているのだ。
第3位 言の葉の庭
新海誠作品の中でも作画が最も美しい作品であると思う。
そして「秒速5センチメートル」らしさを引き継ぐ世界観。大好きな作品である。
時間は45分と短編作品の部類になるのであろう。短いだけあってストーリーとしては少し物足りなさを感じ部分はある。
ただ、新海誠らしく、ひたすらに美しい作画、特に雨の描写と、切なくて息苦しい恋愛の描き方は絶妙だ。
雨の降った土曜日の朝にでもゆっくりと観たい作品だ。
第4位 雲のむこう、約束の場所
「ほしのこえ」に続くSFと日常世界をミックスさせた世界観の長編作品。
正直な所、ストーリーの面白さとしては「君の名は。」には敵わないだろう。
それでも、この作品の作画と音楽の美しさは、新海作品の中でもずば抜けていると思う。
1つ1つの映像の魅せかたは、さすがとしかいいようがない。余分のようで絶妙な空白のカットの入れ方ががたまらないのだ。
そして、なんといっても音楽が秀逸。「今敏」でいえば「平沢進」。「新海誠」でいえば「天門」なわけだが、本作での天門はいい仕事をしすぎている。
綺麗な絵と美しい音楽を聴くだけでも観る価値のある作品だ。
第5位 ほしのこえ
新海誠がほとんど1人で制作したといわれる自主制作の短編作品。
現代のアニメキャラクターの絵に慣れた人には、少し抵抗のある作品になるかもしれない。
それでも、古臭さを凌駕するだけの作画の美しさとストーリーの力がある。
宇宙と地球という途方もない距離に引き裂かれた少年と少女。会いたくても会えない物理的な距離と、離れていく心の距離に、歯がゆさと切なさで胸が押しつぶされそうになる。
是非とも漫画版も読んでほしい。エンドの部分が補足されていて泣ける。ここまでが「ほしのこえ」だと思う。
第6位 だれかのまなざし
約6分のショートムービー。
「言の葉の庭」の劇場版と同時上映されていた作品だ。
新海誠の恐ろしいところは、長編作品だけでなく、短編作品でのメッセージ性の破壊力も半端ではないこと。
きっと、両親に会いたくなる。
第7位 クロスロード
2分。たった2分だ。なんでたった2分で、こんなにも人の心に届く作品ができるのだろう。
受験はものすごく辛い、現実はこんなにも美しくないことも知っている。
それでも、誰かに胸にはきっと届く。もう少し頑張ってみようと。
映像の持つ力は本当に素晴らしいことを思い知る。頑張れ、受験生。
第8位 星を追う子ども
新海誠作品としては異例の世界観の作品だ。
秒速5センチメートルの次回作として、期待に胸を膨らませて映画館に向かったが、あまり期待していた作品に落胆したことを覚えている。
「星を追う子ども」は「ジブリのパロディ」と言われる。まさに私もそう思った。こんなのは新海誠じゃないとまで思った。
それでも、冷静にDVDのレンタルが開始されて、もう1度観た時に、これはこれで面白いと思った。
私の中でのジブリ最後の傑作は「ハウルの動く城」なのだが、これは2004年に誕生し、それ以降のジブリは衰退を辿っているとしか思えない。
そんな中での、ジブリらしさを吸収したこの作品は、アニメとして十分に面白いと思ったからだ。
作画の美しさはもちろん言うまでもない。新海誠の違った一面も見れる作品だ。
第9位 彼女と彼女の猫
約5分の新海誠の自主制作短編作品。
物語自体を面白いと感じることはないが、新海誠の感性の鋭さを実感する。
現実世界の息苦しい生活感の表現の仕方がとにかく素晴らしい。
有名な新海作品を何作か観てからだと、さらに楽しめるかもしれない。
第10位 大東建設CM
30秒CM × 4本。
初めて大東建設のCMをテレビで観た時に、飛び跳ねたことを思い出す。
「これ、新海誠だろ!!」
大好きな新海誠が、CMにまで起用されるようになったのだ。嬉しかった。
もちろんCMとしての出来も素晴らしい。
30秒という短い時間の中だからこそ作画の美しさが映える。なんといってもセリフがいい。
働く大人の心を熱くする。
第11位 信濃毎日新聞
18秒。
田舎と電車フェチにはたまない映像だ。
何回も何回も何回も再生したくなる。
初心者におすすめの観る順番
新海誠の最大の魅力は作画の美しさと、大人が吐き気を覚えるほどの切なさの表現だと思う。
その為、話が綺麗な作品から、鬱作品へと順番に観ていくほうが、苦しさが増していき、新海誠らしさを十分に感じることができると思う。
というわけで、下記がおすすめの順番だ。
短編作品
まとめ
3連休の初日にでも観てほしい。
間違っても日曜日の昼間に観ては絶対にいけない。
日曜日を一日潰すだけでなく、翌日の仕事まで引きずることになるぞ。
以上