頭からかぶって暖をとるのが大好きなんです。
僕の実家は東北の海沿いで、涼しい地域でした。そのせいもあって、22歳になるまで家にエアコンはありませんでした。
扇風機だけで一夏過ごせるんだもの。裕福な家庭でもなかったし、そんなもんだと思っていました。
エアコンとの出会い
社会人になって、すぐに会社の寮に入りました。6畳のワンルーム。風呂トイレは共用。
生まれて初めて、自室にエアコンがついていることに感動しました。それまでは窓を開けるか、扇風機だったから。
エアコンと出会ってすぐは、なかなか使えませんでした。今までずっと使っていなかったから、何度に設定するのか、涼しくなったら手動で止めるのか、そんなことすら分からなかったのですね。
それでも夏はやってくる
入社して3ヶ月も仕事をすれば夏が来ます。
涼しいド田舎から仙台へ出てきたもんで、都会の暑さには中々慣れませんでした。最高気温はそこまで変わらなくても、アスファルトの照り返しで体感温度が全然違う。アスファルトタイヤを切りつけながら、暗闇走り抜ける。
チープなスリルに身を任せながら、僕はついにエアコンのリモコンを手に取りました。
ピッ…
明日に怯えながら、電源を入れます。デフォルトの設定温度は23度でした。
ああ…涼しい…
エアコンをつけたまま寝る
涼しさに感動していました。
このまま涼しい部屋で寝れるのか…?
嬉しい反面、妙な罪悪感が生まれたのを今でも覚えています。ただ、その罪悪感の原因までは考えていません。
田舎に住んでいたころは、窓を開けて網戸にして、扇風機を4時間のタイマーにして寝る。熱帯夜は暑くて目が覚める。汗びっしょりで。
それが、無くなる…?
不思議な高揚感と罪悪感に包まれた僕は、さらに温度を下げ、22度に設定して部屋の電気を消しました。
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深夜
ゴォ…
エアコンの乾いた風が、部屋に行き渡ります。
夜中に僕は目が覚めました。
クソ寒い
そりゃそうです。普通に寝るときの設定温度22度は自殺行為。そんなことすら、当時の僕は知りませんでした。ただのバカです。
タオルケット一枚だけで寒さを凌げるはずもなく、バカな僕はエアコンの温度を上げるではなく毛布を引っ張り出して体に掛けました。
背徳の瞳
部屋から一歩外に出れば、30度超えの熱帯夜。
でも、僕は部屋の中で毛布を掛けて、寒さを凌いでいる。
意味のわからん背徳感を覚え、深夜に一人でテンションが上がりました。
と言っても、翌日も仕事だしすぐに寝ちゃうんですけどね。
翌朝、完全に冷房あたりを起こして、身体が怠いまま僕は出社しました。身体は怠いけど、妙なテンションだった記憶があります。
総括
結局、何を言いたいのかといえば。
真夏にエアコンをガンガンに効かせて、毛布をかぶると、幸せ。
これだけなんです。同じことしてる人はいないかなー?って。いや、いてほしい。全国に200万人くらいはいてほしい。
ただ、そう頻繁にはやりません。一夏に2回くらいです。それ以上やると、普通に風邪を引くので。
今朝の東京は、涼しい、じゃなくて普通に寒かったです。もう、暑いでは無くなってしまった。
今年はもう、出来ない。