英単語を効率良く覚えるために知っておきたいポイント
英語力を上げるために絶対必要なのがボキャブラリーを増やすこと。ただやみくもに記憶すれば良いわけではなく、文字を見て瞬時に分かる力と発音を耳で聞いて分かる力が必要になる。
また、英会話などで使うためには瞬時に使える英単語力も伸ばす必要がある。
見て聴いて瞬間的に意味が思い浮かぶまで英単語を仕上げる必要あり
大量にインプットすることはもちろん、瞬時に引き出せる瞬発力も鍛えていく必要がある。英語の勉強って筋トレにすごく似ていて、毎日継続していかないと筋力が落ちるように英語力は落ちていってしまう。
以下に、英単語を覚えるうえでまず知っておきたい前提を3つ紹介しておく。
作業と割り切ると覚えられる量は一気に増える
元も子もない言い方になってしまうけど、英単語を覚えるのに綺麗ごとは必要なし。本当に単純な作業だと割り切ってしまった方が気持ちも楽になる。逆に、割り切ってないと辛い。だってホントに作業だから。きっと楽しくはないけど、この作業を楽しめるようになったら勝ちくらいに思っておこう。
短期間で一気に覚える方が効率がいい
それから、なるべく時間をかけずに短期間で一気に覚える方が圧倒的に効率がいい。これは記憶のメカニズムもあるので後ほど紹介する。
覚えるだけじゃダメ、瞬発力も鍛えよう
あと、単に覚えるだけじゃダメですよ。きちんと単語の瞬発力を鍛える必要がある。実はあまり知らない人も多いので、逆に知っているだけで単語学習の深みがかなり変わってくる。
英単語、めちゃくちゃ地味だけど英語の1〜2位を争う大切な要素なのできちんと覚えていこう。
瞬間的に意味が出てくるまで英単語を覚えよう
記憶するのはみんなやってるけど意外と盲点なのが瞬発力。 しかも、文字だけでなく耳で聴くときの瞬発力も鍛えることがポイント。
ここが出来ているかどうかで英語の力差はかなり変わってくる。
例えば、"aviation"という英単語の文字を見たとき意味(イメージ)が思い浮かぶ時間の秒数が記憶度として数値化できる。単語帳を覚えるということは、この思い浮かぶ時間を0.5〜1秒を目標に縮めていく作業だ。
さらに忘れがちなのが耳でリスニングしたときにも意味が思い浮かぶ時間。これは発音を知っていて聴き取れる必要がある。
この見た瞬間、聴いた瞬間に意味が分かる状態まで仕上げるのが理想的。
そもそも記憶はどんなときに定着する?
記憶ってどういうときに定着するかというと、覚えたものを一度忘れてもう一度思い出すときに定着すると言われている。
人の脳って見たもの一度に記憶へストックできるのはたったの1〜2秒程度と言われている。(感覚記憶)
そこから瞬時に必要なものとそうじゃないものに分けて、必要じゃないものはスッパリ忘れてしまうように出来ている。要は、人って忘れるのがものすごく得意だってことだ。
覚えておく価値があると判断されたものだけが短期記憶に残り、そこからさらに絞り込まれて見事に長期記憶として認定される。
また、定着するかどうかはインパクトにも左右される。
インパクト、というと大げさかもしれないけど、例えば飲み会や誰かと話していたときに聞こえてきた英単語や表現が妙に残るのもインパクトの一つ。印象に残りやすくなる=短期・長期記憶になりやすい。
例えば、誰かがその単語を連呼しているのを聞いたり、覚えているときにコーヒーをこぼした英単語など…単純に覚えるのではなく何か別の出来事と一緒に覚えるようなイメージだ。
記憶に残るインパクトが大事
ただ、毎回このインパクトを期待するのは難しいので、通常は何回も繰り返し見て思い出すことで長期記憶にストックさせていく必要がある。
覚えておきたいのは「忘れるのが普通」だということ。忘れたら記憶する準備ができてるってこと。だからとにかく忘れる前提で、とにかく何度も何度も見ることが大切だ。
何度も思い出すことで記憶は少しずつ定着していく。
参考資料:英語上達12のポイント
英単語の効果的な覚え方
さっきの記憶の説明を踏まえ、とにかく人ってこれでもかってくらい忘れまくる。だから、記憶に留めやすくするためには短時間で詰め込めるだけ詰め込み、何回繰り返せるか?が勝負になる。
というわけで、効率的な英単語の覚え方はこんな感じ。
英単語の覚え方
単語帳の英単語を20個に区切りざっと目を通す(目安30秒)
↓
日本語の意味を隠して英語を発音し、意味がパッと分かるか確認
(目安1単語1秒以内)
↓
20個ぜんぶ覚えたら次の20個へ(その日のノルマまで続ける)
↓
次新しく覚えるときに前の範囲全体を復習
必ず発音すること
1秒以内に意味が分かるまで仕上げること
見て聴いてを同時にするために絶対に単語を「発音」するようにしよう。そうすることで文字・発音の両方を一度にできる。
大まかなやり方の例はこんな感じ↓(画像はキクタンBasic4000より引用)
手や赤シートなどなんでもいいので日本語の意味を隠してしまおう。"exist"をきちんと発音して意味を頭の中で思い浮かべる。考える場合は5秒以内で答えを出すようにしよう。発音が分からなければCDやウェブ検索で確認しよう。
確認してOKであれば次の"approach"へ。とにかくスピード重視で1単語に5秒以上使う必要なし。トントン拍子で進んでいこう。(覚えられない単語にはチェックをしておこう)
とにかく英単語の瞬発力を鍛えることが大切なので、瞬間的に意味が出てくるまで何度も繰り返そう。
えっ、覚えられない?大丈夫。1発で覚えられる人より、毎日繰り返せる人が確実に上達する。学校では1回で覚えられると偉いみたいな風潮もあるけど、僕は繰り返せる人の方が圧倒的に偉いと思ってる。
繰り返した数が多い人ほど得られるものは多い
めげずに忘れたら覚えるチャンス!とにかく毎日続けよう。そしてバカみたいにポジティブになること、辛くなると一気にやらなくなってしまう。継続のためのモチベーションを保つのが一番の課題になる。
1日に覚える英単語の数はいくつがいい?
これは難しい質問だけど、自分が無理のない量に留めることが大切。いくつ覚えるか?が大事ではなく、いくつなら毎日続けられるか?が一番のキモになる。
例えば、100個であれば10日で1000単語覚えられて素晴らしいことだけど、逆に勢いよくやり過ぎて途中で燃え尽きて全くやらなくなると元も子もない。 なによりも継続させることを一番に考えよう。
おすすめは1日50単語から。1単語5秒としてもどうしても難しいなら10単語まで減らしてもいいし、いけるなら100単語やってもいい。
ただ、復習の周回数を上げるためにも1日100単語は一つの目標にしてほしい。
復習の注意点
もう一つ、必ず押さえておきたいポイントが「復習」だ。
1日のノルマをやる
2日目は1日目にやった単語の復習+次のノルマへ
3日目は2日目までやった単語の復習+次のノルマへ
例えば、1日60単語ずつ覚えるのであれば、2日目は60単語復習+新しい60単語、3日目は120単語+新しい60単語とどんどん積み重ねていくイメージだ。
「え、それめっちゃ時間かかるやん・・・」と思われそうですが、 発音1秒・意味確認1秒で合計2秒だとすると60語にかかる時間は 2×60=120秒=たった2分。カップラーメンが出来る前に余裕で復習できてしまう。(ページをめくる等の時間のぞく)
引用:http://www.isshikijuku.co.jp/itogen-blog/forgetting_curve/
記憶について知るためにエビングハウスの忘却線の図を持ってきてみた。
一度覚えたことでも1日経つと半分も覚えてない!でも復習することで記憶がリフレッシュされる。つまり、何度も繰り返さないと覚えることができなくて忘れるのが当たり前ってこと。ここめちゃ大事。
だから自分の覚えてきたことを常に積み上げながら復習するのが一番効果的だ。
最終ゴール地点をお忘れなく
で、どうなればOKかという最終的なゴールはこんな感じ。
ここまでくればOK。文字と発音の両面から英単語が思い浮かぶまでの時間を縮めていこう。英単語をただ覚えるのではなく、瞬間的に出てくるところまで仕上げるのが大事。
例えば、英単語を見て5秒くらい考えて意味を答えられてもダメ。その5秒を1秒以内まで縮めるのがゴールになる。
目的ごとに自分に合う単語帳を選ぼう
どの単語帳選びも大切。まずは基礎単語を完璧に仕上げるのはもちろん、最低でもレベルの違う2冊は何周もやり込めば効果絶大ということも覚えておきたい。
基礎固めという意味でも初心者レベルの単語帳はしっかりとマスターして、中級レベルのものを選びまずは2冊を完璧に仕上げる流れがベスト。
あとはTOEIC、英検、TOEFL向けなどで専用の単語帳が出ているので、自分の目的に合う単語帳を選んでみよう。
おすすめ英単語帳 初級レベル向け
中学英単語といって舐めていてはダメ。この1800単語を自動的にアウトプットできるまで覚えるだけで一気に英会話の幅も広がる。
CD音源も含めて最も優秀なのがキクタン。その名の通り、聞いて覚えられるような音声が付いているのが魅力。発音も覚えながら文字でも覚えていける語彙力アップには欠かせない1冊。迷ったらまずはこの単語帳からはじめよう。
キクタンはアプリもおすすめ。音声も聴けるし、例文も確認できる優れもの。単語帳を買うより圧倒的に安いのでiPhoneユーザーであればアプリでもいい。
おすすめ英単語帳 中級レベル向け
とにかく万能なのはDUO。海外で良く使われる英単語や例文で構成されており、これ以上の中級本はないと思う。 僕が英語を話せるようになるまでにやった勉強法と計画のすべての記事でも書いている通り、絶対おすすめな単語帳。
ただ、TOEICもカバーしたいなぁって人にはキクタンをおすすめする。キクタン600をやってみて面白くなったらたぶん800も続けてやりたくなると思うけどね。
アプリもフル活用していこう。
おすすめ英単語帳 上級者向け
正直このレベルまでくれば、目的別に自分で単語帳を選べる段階だと思う。医学、製造、Kindle Unlimited会員であれば無料になるので活用すべし。ただ、日常的に使う言葉はかなり少なく専門的な用語ばかりになる。
英会話ペラペラレベルなら、難しい単語帳に手を伸ばすよりも中級の完成度を100%に近づけていく方が近道だ。なので、専門的な英単語が必要であればこのあたりの単語帳も検討してみよう。
どうしても覚えられない&覚えるのが嫌になったら…
覚えられない&続かないが一番の敵。単語を覚えることよりも、自分の気持ちをどうコントロールしていくかが大切になってくる。これ一番難しいので、それなりの対策案をいくつか紹介しておく。
覚えられない単語はチェックしてリスト化
ある程度進んでくると復習するのが300単語400単語と増えてくる。そうすると、覚えられない単語がだいたい決まってくる。
覚えられないものはメモ書きにぶち込んでみよう。僕が作っている英単語メモはこんな感じ。スマホに入れていつでも見れるようにしている。
とにかく単語を羅列しておく。本当に覚えられないものは上に持ってきておくと繰り返し見る回数が増える。これを通勤中やご飯中に開いて随時意味を確認していく。
僕は「意味が浮かばなかった単語はその場でグーグル検索しなければならない」という超嫌な罰ゲームを課している。
単語帳を置く場所を工夫してみる
英単語帳を置く場所を少しひねってみよう。例えばこんな感じ。
- スマホの上
- PCの上
- マンガの上
- 枕の上
- 椅子の上
スマホやPCを毎日見る人はその上に単語帳を置くようにしてみよう。家でスマホを見るときは単語を10個覚えてからじゃないとダメ、とかルール化してしまうのも◎
あとは、読みたい本やマンガの上に重ねておくのも同じように使える。
寝る前であれば枕の上に置いてベッドに入る前に単語帳を開いてもいいし、良く座る椅子の上に置いてもいい。
とにかく何か別の行動に絡めてやる習慣づけをつけてみよう。
単語の覚え方まとめ
長文になったので最後にポイントを簡潔にまとめておく。
英単語は見て・聴いてすぐに意味が分かる瞬発力を鍛える
作業だと思い切って割り切る
1日に覚える単語は負荷のない量にする
「覚えられない」は1歩前に進むチャンスと思おう
復習で何度も繰り返す
1度で覚えられるより毎日継続できるか
道のりは険しいけど、単語を制するものが英語を制すると言えるほど重要な要素だ。毎日少しずつ継続してみよう。
以上、最後までお読みいただきありがとうございました。
過去記事僕が英語を話せるようになるまでにやった勉強法と計画のすべて