荷物を客室に届けるロボットを導入
プリンスホテルは、自律走行して客室に荷物を届けるデリバリーロボット1台を品川プリンスホテルNタワー(東京都港区)に導入し、10月2日から運用する。
ロボットは「Relay(リレイ)」と名付けられ、幅51センチ、高さ92センチ。中に21リットルの収納スペースがあり、上部の蓋(ふた)を開けて荷物を出し入れすることができる。客室から電話でオーダーを受けると、ロビーでスタッフから荷物を受け取り、内蔵の地図を頼りに指定された部屋に届ける。
センサーで障害物などを検知して回避するほか、エレベーターとも連動して乗降することができ、仕事が終わるとロビー脇の充電ドックに戻ってくる。上部にタッチパネルを備え、荷物を客室に届けると、五つ星で評価を要求。高い評価を得ると、喜びの音を鳴らし、身を震わせる。
同社は2年半前からデリバリーロボットの導入を検討していたといい、米シリコンバレーに拠点を置くロボットベンチャーのSavioke(サビオーク)社に開発・製造を依頼し、エレベーターとの連携などロボットの運用に必要なシステム設計はNECネッツエスアイ(東京都文京区)が担当した。
プリンスホテルは14日に現地で内覧会を実施。あいさつに立った同社の武井久昌専務執行役員は「安全かつクイックにお客様に喜んでもらうのが狙い」「新たなエンターテインメント、エキサイトメントを提供したい」とロボット導入の狙いを説明。今後については「Nタワーのお客様の声を聞いたうえで系列他店にも展開したい」という。
Nタワーは2013年のリニューアルオープン以降、自動チェックイン・アウトシステムを導入するなど、パソコンやタブレットを駆使するビジネスマンをターゲットに独自のサービスを提供してきた。【兵頭和行】