どもを幼稚園・保育園へ入園させる際に気になるのが費用です。
「私立幼稚園就園奨励費補助」や「認可外」、「認証」の保育料補助など、国や自治体から出る補助金制度をしっかり活用することで、自己負担はかなり軽減されます。
私立幼稚園就園奨励費補助とは
自治体が運営する公立幼稚園と比較し、私立幼稚園は保育料が高めです。保護者の負担を軽減するために、私立幼稚園の保育料の一部が各自治体から支給されます。
保護者の負担を軽減
多くの自治体が、子どもを私立幼稚園に通わせる世帯への補助金を支給しています。金額は所得(市町村民税額)や兄弟姉妹の有無、第何子などによって異なりますが、公立との保育料の格差を是正し、保護者の選択肢を増やす一助となっています。
公立・私立の違いとは
公立幼稚園は、文部科学省の指針に従っているため、園ごとの独自性などはなく、延長保育やおけいこ教室などもありません。運営は自治体になり、先生(保育士)は公務員になります。
一方、私立幼稚園のカリキュラムは千差万別で、英語や漢字、九九、スポーツや音楽に力を入れている幼稚園もあります。運営は社会福祉法人や学校法人などが多く、キリスト教会や仏教寺院など様々です。
このような私立幼稚園の独自性が子どもの可能性を広げるという考えから、多くの親が私立幼稚園を選んでいます。
公立幼稚園と私立幼稚園の保育料
以下、文部科学省の調査などから算出される、幼稚園にかかる平均的な費用です。
初年度年間費用の相場は、一般的な私立幼稚園で40万円~50万円前後とされ、青山学院幼稚園や学習院幼稚園などの名門と呼ばれる園では、年間60万円~70万円とさらに高くなります。
平均入園費
公立:0円~1万円前後
私立:2万円~4万円
毎月の平均保育料
公立:約19,000円(内訳=教育費10,000円、給食費1,500円、園外活動費6,700円)
私立:約40,000円(内訳=教育費28,000円、給食費2,200円、園外活動費10,000円)
制服・教材費
公立:約10,000円~20,000円/年
私立:約25,000円~40,000円/年
補助金で公立と大差ない自己負担
東京都葛飾区では区内私立幼稚園25園(認定こども園4園及び区立幼稚園3園)と公立よりも多くの私立幼稚園があり、私立を利用する世帯への助成が手厚く、一ヶ月あたり最大で2万8千円の補助金が交付されます。
私立幼稚園の費用に一ヶ月で4万円かかったとしても、補助金を最大に受給できれば、実質月額1万円強に抑えられます。
青山学院幼稚園や学習院幼稚園などの名門に通うのではないのであれば、自己負担は公立と大差ないといえるでしょう。
「認可外」、「認証」の保育料補助とは
幼稚園や保育園に通わせたいが認可保育園の定員に空きがなく、認可外、または認証保育園に預ける選択しかない場合もあります。
そういった際の保育料を、保護者の経済負担を軽減するために国や自治体がその費用の一部を負担してくれる制度です。
保育士不足などから認可保育園への入園が難しい
一定の要件を満たし、自治体が認可した保育園は、ほとんどの運営費を公的助成でまかなっています。そのため、保育料は上限が決められ世帯の所得に応じて変動します。
東京都23区では年収300万円の世帯が3歳児を預ける場合、月額1万~1万5000円程度です。
しかし近年、保育士不足などから認可保育園への入園は激戦となり、なかなか空きがないというのが現状です。
共働きとなると保育園を利用しないわけにはいかず、多くが都独自の認証、認可外保育園の利用することになります。
認可外保育園の費用は施設によって異なりますが、場合によっては月額10万円を超える場合もあり、給料の大半が保育料で消えてしまいます。
補助を使用することで認可保育園よりもお得なることも
このようなことから、多くの自治体が、認可外保育園を利用する家庭に補助金を交付しています。東京23区では月額1万~2万円、多い区では4~5万円の助成金が支給されます。
杉並区はもっとも手厚く、子どもの年齢や保育園のタイプなどによって異なりますが、最大月額6万7000円の助成金が支給されます。
認証保育所・グループ保育室等の入所者への保育料の一部助成|杉並区公式ホームページ
千代田区では、一定の要件を満たせば補助金を利用し、認証、区補助対象保育室に通う方が認可保育園へ通うより安くなる場合もあります。