樺太の生活 映したフィルム発見

ロシア極東のサハリンを日本が樺太として統治していた時代の住民の生活の様子などを映したフィルムが見つかり、関係者は当時の暮らしぶりがわかる史料として注目しています。
フィルムは、戦後樺太から引き揚げてきた人たちでつくる「全国樺太連盟」の北海道事務所で職員が倉庫を整理していて見つけました。
樺太は太平洋戦争終結までのおよそ40年間、日本が統治していてフィルムには当時の住民が撮影したとみられる生活の様子など合わせて49分の映像が映っています。
このうち昭和17から18年にかけて撮影されたとみられる映像には、出征する兵士に大勢の人々が日の丸の旗を振ったり万歳をしたりして見送る姿が映っています。
また、樺太南部の豊原に大勢の人が集まる様子や引き揚げ船が出港する様子からは住民たちが旧ソビエト軍の攻撃から逃れて樺太を後にしていった状況がわかります。
全国樺太連盟の西本美嗣会長は「樺太のフィルムは多くが旧ソビエト軍によって破棄され、残っているものは極めて少ない。当時の樺太を知るうえで貴重な史料になる」と話しています。