テレビの「苦肉の策」にガッカリ感が募る理由

「チャンネルを変えさせまい」はバレている

「そこじゃない!」が視聴者の本音です(撮影:尾形文繁、田邉佳介、吉野純治)

ネットコンテンツの充実と録画機器の普及で、テレビ番組の視聴率は下がる一方。しかし、民放各局は「CMで広告収入を得る」というビジネスモデルを変えることなく、視聴率を上げるための工夫を続けています。

ただ視聴者にしてみれば、それらの工夫は「そこじゃないでしょ!」と言いたくなるものばかり。テレビ局サイドの事情が優先され、工夫というより「苦肉の策」という印象のものが多いのです。

「CMまたぎのあおり演出」にがっかり

苦肉の策の最たるものは、CMにかかわる演出。みなさんも一度は「CMまたぎ」、あるいは「あおり演出」という言葉を聞いたことがあるでしょう。CMに入る直前、「このあと、まさかの展開が」「衝撃の結末へ」「答えは〇秒後に!」などのナレーションやテロップで期待感をあおろうとする演出です。

しかし、ネット媒体の“釣りタイトル(見出し)”がそうであるように、「期待したほどのものではなくがっかりさせられた」「あおりが嫌で見るのをやめたくなる」という人がほとんど。また、CM直前に流した映像をCM明けに再び見せる、水増しのような演出をする番組が増えたことから視聴者の不満は募っていきました。「このままではスポンサーへの嫌悪感につながりかねない」だけに、「CMまたぎのあおり演出はオープニングだけにとどめる」など、頻度を減らす番組が見られるようになっています。

さらに、ここ数年で増えているのは、ドラマのタイアップCM。ドラマ本編からCMに入るとき、チャンネルを変えられないように、1本目のCMをスピンオフのようなショートドラマにしているのです。

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  • NO NAMEc6d40ebc6b98
    人材難なのかもうブレイクスルーがなくなってきて
    小手先の手段しか打つ手がないように見える。

    そういった煽りが視聴者からの反感を買うことすらも
    想像できない連中に人を楽しませることは難しいでしょう。
    up43
    down5
    2017/9/15 09:22
  • NO NAMEe43ba2e10147
    テレビは視聴率取るために高齢者に向けになってると聞いた、つまり年を取っていく昔の世代にいつも合わせてるだけだからテレビそのものが進歩してない。
    時間がある年寄りにはダラダラとした番組でもいいけど若い人はやっぱり時間ないからネットにいきがちよね。
    あと、そろそろスマホでも放送できるようにしないといよいよ大変だと思うぞ、せっかくあるものを何故使わないのか。
    up45
    down8
    2017/9/15 09:25
  • NO NAMEb4c35a1967ac
    競争が無い許認可産業だから視聴者のことを見下している感がアリアリでテレビは不快ですね
    up45
    down9
    2017/9/15 08:48
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