『ラブライブ!』の南ことり役、『けものフレンズ』のかばん役など大ヒットアニメに出演し、今や押しも押されもせぬ人気声優となった内田彩。一方で、昨年8月にはソロデビューから1年9ヶ月で日本武道館ワンマンを実現させ、歌手としても申し分ない成功を収めている。きょう13日、5作目のアルバム『ICECREAM GIRL』発売にあたり、「全く想像していなかった」という歌手としてのブレークに今の胸中を語ってもらった。ステージMCと同じく終始癒される語り口ながら、自身へ向ける冷静な眼差しがとても印象的だった。
●「一体何を歌えば」ソロデビュー時の迷い
昨年の武道館公演は約3時間にわたってブレのないボーカルを響かせ、持ち歌34曲を完唱する圧巻のパフォーマンス。それだけに「ソロデビューしたくないとゴネてたあの頃が懐かしい」とMCで語ったことや、インタビューでの「もともと歌手になりたいわけではなかったので、最初はソロとして何をすればいいかまったく見えてなかった」という過去の話はにわかに信じがたい。
声優と歌手。同じ“表現”する立場でもそのベクトルはまったく逆だ。「声優って役を通して表現するので、裏方というか、影の存在だと思っています。なので、ソロ歌手として自分の顔を出して“私です!”、みたいにやることはすごく抵抗があったんです」。『ラブライブ!』のμ’sなどソロデビュー前から多くのキャラクターソングを歌ってはきたが、「キャラソンは“演じる人”としてやってたので、すごく楽しくて恥ずかしさもなかったんですけど。ソロになって、なんの役も背負ってない私って人前で一体何を歌えばいいんだろうって(笑)」と、大きな戸惑いのなか踏み出したソロデビューだった。
それでも、始めてみれば14年11月のデビューから3年足らずでアルバム5枚というハイペースで作品をリリース。多くの曲と巡り合うなかで、声優である自分が歌手として何を求められているか、人知れず考え続けた。
「声優としての活動があったからこそファンがいて、歌を聴いてもらえるものだと感じていました。なので、声優のイメージからかけ離れ過ぎても裏切っちゃうし、でも期待通りのことしかしないのもつまらないじゃないですか。ちょっとずつファンの方の反応を見ながらやれることの幅を広げてきたという感じですね」。
ファンとキャッチボールを繰り返すなかで「みんなしっかり受け止めてくれたし、どの曲も私の歌として楽しんでくれているのを感じて。あ、こういうのやっても受け入れてもらえるんだという、ファンにもらってきた安心感が積み重なって自信になりました」と次第に意識が変化していった。
昨年春から声帯結節を患い、今年1月には手術も受けた。声を生業にする者として危機を抱えながら武道館公演を乗り切ったことも、結果的に歌い手としての可能性を知るきっかけになったという。「歌どころか声優の仕事もままならなくて、薬のんだり点滴打ったりしながらだったんですが、やってみたら意外とできて。あ、歌も向いてるかもしれない、ファンのみなさんに認めてもらえた、と自信がついたんです。体の制限がある中でいつも以上に(武道館で)できたというのが、そういうことに気づくきっかけになりました」。
●新アルバムに込めた自信「“声優”意識せず歌えた」
ファンに受け入れられた自信を一つずつ積み上げ完成させた今作『ICECREAM GIRL』。先行シングル「SUMILE SMILE」のようなメロが際立つロックチューン、エッジの効いたエレクトロ、シティポップ、喜怒哀楽に富んだ歌詞世界と、これまで試してきた彩り豊かなジャンル感が網羅された豪華さだ。内田のボーカルも曲ごとに個性を引き出す表現力が冴え、一篇の物語としてアルバムの成熟を感じさせる。
「武道館を終え一区切りがついて、ファンが求めるハードルも絶対上がってる。ちゃんと意味を持って出さなくてはいけない」と、今回も歌い手として自分が何をすべきか探す大変さはあった。しかし一方で、「提供された詞や音に、一曲ずつ役を演じ分けるように向き合って歌う」ことで、役者ならではの幅を効かせたアプローチも血肉化されてきている。「今出せるものとしては、面白く受け取ってもらえるんじゃないかな」と本人もなかなかの手応えを感じているようだ。
「1stアルバムの頃は声優としてファンが思っている内田彩を崩さないことを考えていた。でも今なら、私と私の表現がイコールで捉えてもらえる部分も増えたし、今回は声優・内田彩を意識せず歌えた曲も多かったですね」と語るとおり、デビューからの3年で培った心の変化を象徴する一作。ライブの新たなレパートリーに加わるこれら12曲が、ファンとどんな化学反応を起こしてくれるか楽しみだ。
さて、今後の展望についても彼女らしく、冷静に慎ましく話してくれた。「聴いてくれる人がいるなら、これからも歌っていきたいなと思っています。私は、歌で世界を変えたい! なんて思っているわけではないし(笑)、自分で曲を書いて一方的にメッセージを込められるわけでもないですから」。
圧倒的な主張で引きつけるのではなく、ファンと同じ歩幅で寄り添うのもまた魅力的なアーティストのあり方。「歌での表現がこの先も聴いてくれる人と一緒に、並行して歩んでいくという思いが私にとっては大事です。今後もライブとか一緒に楽しい時間を過ごして思い出を作っていきたいですね」。
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