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iPhone X対応におけるデザイン上の注意ポイント

iPhone Xが発表されたわけですが、なにこのデザイナー泣かせの変態端末。
iPhoneのUI設計者グレッグ・クリスティが追い出されて、ジョナサン・アイヴがソフトウェア統括となったのが2014年。 iOS7のフラット化あたりから、どんどんとUI設計が置いてけぼりになった感がありましたが・・・ここにきてまたデザイナー泣かせの豪速球が。

ざっくりデザインガイドラインを読んでの、気になったところメモ。


画面サイズ
サイズは従来のベースであった4.7インチの375pt x 667ptから、375 x 812ptに。縦方向に145pt追加された

想定されるインパクト

  • 表示可能な情報量が増える
  • 縦スクロール系コンテンツのコンバージョンが増加
  • スクロールで隠れるナビゲーションの必要性が低下
  • 画面上部のボタンのコンバージョンが低下
  • ゲームなどの全画面イラストに、黒枠が出たり、見切れたりする
  • グラフィック的なコンテンツでは、全体の構図が崩れる。



画像素材
iPhone Xは基本的に3倍解像度。@3x系の素材準備が必須となる。ただしこの辺はiPhone Plus以降のトレンドなのでトドメ感

想定されるインパクト

  • 画像素材のPDF / ベクター化が進む。
  • ビットマップでの生産コスト、配信コストの増加。
  • フォトショやイラレでの作成が、より現実的でなくなる(オートストレッチも参照)。



レイアウト
これが一番大きいかな。

画面端はコーナーがあり、画面上部にはセンサーエリアがある。このため、コーナー等の各種セーフエリアを回避したレイアウトが必要。基本的にはAutolayout対応が必須と考えた方が良い。

ラウンドコーナー周辺は、システム側の情報要素が自動で配置されるため、フル画面のゲーム以外では影響は少ないと考えて良い。

グラフィックとしてみた場合、だいぶレイアウトが悲惨な感じになる。

またStatusBarを隠すのが「非推奨」となった。これはコンテンツエリアの増加により、隠す必要が減ったためと思う。機能的には問題ないが、一部のアプリのビジュアルに影響が出ると考えられる。

想定されるインパクト

  • 工数増。互換性確認コスト増
  • グラフィックとしてのレイアウトの品質低下。
  • Autolayoutやってこなかったモノは本格的にツケを払う。