バナナ男、恋愛映画を語る

やっぱり自分にしか語れないことをこそ語りたいって思って。

だって本来的には仏教では恋愛は禁止されてるからね。執着を捨てなさいっていう教えですから。

恋愛なんて執着の最たるものでしょう。

 

お釈迦さまの言っていることをまっすぐ受け取れば、愛なんて持っちゃいけないんですよ。ほんとに。仏教って本来非常に厳しくてクールで、非人間的な宗教なんですね。

だいたい出家した僧が妻帯してる仏教なんて、世界中見渡したって日本くらいですよ。

他の国や地域の仏僧がきいたらびっくりすると思う。

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それはさておき、やっぱり恋愛ね。

これはね、やっぱり語るのが難しくて。それは気取ろうとするからなんだけどね。

どういうことかっていうと、どうしても陳腐にならざるを得ない面があるのね。

いつかphaさんが下のようなツイートをしてたことがあったけど、本当にその通りで。

twitter.com

つまり恋愛映画を語ろうとしてるんだけどね、どうしたって「ちょっとそんなもんを良いって思っちゃうのかよ、おいおい勘弁してよ、なんかもっとあんだろ」ってなっちゃうとこがあるんだよね。

例えば、少女マンガを良いって言ってるような、西野カナの歌を良いって言っちゃってるようなね。

でも、もうごくごく素直に単純に、ああなんか良いわって入っちゃったらね、仕方ないんだもの。そこを気取って何か小難しいポーズをとって否定してみてもね、仕方がないわけです。

やっぱり恋愛には西野カナ的なところがあると思うんです。

 

それで今日語りたいのが、これ。

潔く柔く きよくやわく

潔く柔く きよくやわく

 

 岡田将生、長澤まさみ主演、『潔く柔く』。

 

もうね、騙されたと思って見てほしい。ほんとに。

少女マンガが原作の映画なんですけどね。

もういいよ恋愛ものとかまして少女マンガとか、っていうそこのあなた、騙されたと思って見てほしい。

 

これが良い。

いや、もうベタなんですよ。ちょっとすんごいど真ん中投げるね、っていうような、いかにも少女マンガ的な場面っていうのはあるんです。

でも、それがあんまり違和感なく流れて観られてしまうくらい。

 

正直やっぱり売れてる少女マンガっていうのはそれだけのものを持ってるんだなと、ほんとバカになんかできなんだなって私は認識を改めました。

少女マンガファンに謝ります。そしてこの映画スタッフさんに感謝します。

長澤まさみと岡田将生が好きになった。

とにかく素直に良かったんです。少女マンガ原作の映画を他にも探していくつか観たくらい。

『君に届け』とかも悪くはなかった。

でも『潔く柔く』は別格でしたね。

 

全然内容に触れてませんね。

でもそれでいいんです。

恋愛ものなんてね、だいたい要素だけ取り出して並べてみればどれもベタなんですよ。逆にベタじゃなくて、あんまり際どかったりマニアックだったりする変化球を投げられてもね、素直にまっすぐには入ってこないですよ。

だからベタでいい。

でもそのベタなものをただ切り貼りしたみたいにベタベタにならずに、そして陳腐にならずに、素直にああ恋っていいな、なんか観てよかったよって思えるようにいかに持っていけるかが、最も難しく素敵なところなのであって。

これは素晴らしい形でそれが達成されている作品です。

 

一度まっさらな気持ちで見てほしいです。