今回の物語の舞台となるのは大規模同盟“Circle-of-Two(CO2)”。物語はCO2同盟の上級外交官“The Judge”氏が突如として敵対同盟である“TEST”及び“Goonswarm”に対し、1兆ISK(インゲームマネーの名称。『EVE Online』は公式にリアルマネートレードの仕組みを搭載しており、日本円換算で本記事執筆時点約160万円以上)を超える、同盟の船やモジュールなどの資産を盗難、譲渡した所から始まります。
更にThe Judge氏は続けて、CO2同盟のステーション(プレイヤーのホーム。大規模同盟が主に居を構える、主星系外の領域では、これがないならば一切の安全も確保できなければ、補給行動もおぼつかない。更に各プレイヤーの資産を保管する倉庫の役割も果たしている。)も譲渡。これによりCO2同盟の数千人にも及ぶプレイヤーの多くは危険な深宇宙領域に手持ちの装備のみで放り出されることになってしまいました。
この突然の裏切りに激怒したのはCO2同盟のリーダー“gigX”氏。氏はThe Judge氏へと同盟チャットで怒りとともに「リアルで彼の手を切り落とす」旨を発言。“The Judge”氏のリアル情報の提供支援を同盟へと通達しました。
『EVE Online』ではThe Judge氏の行ったような裏切り行為などは認められているものの、勿論、リアルのユーザーへと危害を与えようとする行為はゲームの利用規約違反。更に、この様子はThe Judge氏を始めとした複数のユーザーによって外部にライブストリーミングされており、程なくしてgigX氏はゲームからのIPレベルでの永久BANという重い処置に至ってしまいました。
時を同じくして、GoonswarmがCO2同盟の残った大規模要塞へと侵攻を開始、リーダーを失い混乱したCO2同盟から要塞を奪取しています。
なお、この一連の流れについて、The Judge氏はCO2同盟のメンバーに向けて声明を発表。氏を含む選出されたユーザー(CSM)が出席する、リアルで年1回行われる『EVE Online』開発元との会合期間中にGoonswarmのエージェントより寝返り交渉があった旨を明らかにしています。
かねてよりThe Judge氏がCSMという立場であり、『EVE Online』開発元と近しいことからゲームや開発元への不満をgigX氏よりぶつけられていたThe Judge氏は、その後複数の出来事を経て、gigX氏がCO2同盟の運営に関して決定的に志を別にしたと認識。gigX氏の同盟からの排除のために、Goonswarmの“裏切り”要請を受託し、今回のクーデターを画策したとのことです。
主要拠点を失い瓦解寸前のCO2同盟の行末や、The Judge氏の今後の動向などは不明ですが、リアルでの会合まで巻き込んだMMOゲームの陰謀劇は、また『EVE Online』ならではの騒動として内外のユーザーの記憶に残っていくのかもしれません。
『EVE Online』はSteamなどにて基本無料で配信中です。日本語にも対応していますが、今後のアップデートでの追加コンテンツについては日本語化されないことが発表されています。
裏切ったヤツがBANされたのかと思ったら、怒ったリーダーだった
まさにゲームニュースって感じ
gigXって人からいつも文句言われてむかついたから、
同盟を敵に売り渡したってことかな?
他の同盟員に同情するわ