撮影&文:はなここ
たくさんの方の『君がうちに来たとき』を読んでいたら、あっという間に過ぎていった、我が家の5匹の犬たちとの日々が、更に愛しく感じられるようになりました。
だから、私も少し書いてみようと思います。
先ずお話をするのは、猫のこと。
我が家が犬を飼うようになったのは、一匹の猫がきっかけなのです。
子姫(こひめ)と名付けた可愛い子。
今思えば、あの子姫がいたから今があるのです。
私の実家には、お稲荷さんがありました。だから私は小さい頃から、犬が飼いたくても、許してはもらえませんでした。
何故かって? 狐は犬が大嫌いなんです。
折角家をお稲荷さんが守っているのに、犬を飼ったら、そのお稲荷さんが家から逃げ出してしまうんですね。
だから、実家では犬は厳禁。しかし猫とは一緒に居たことがありました。
そんな私は、8年前に捨て猫を拾いました。
パパと住み始めて、初めて飼った拾い猫。名前は『子姫』と名付けました。
あまりに溺愛していた為、青森、新潟など、泊まりがけの旅行にも一緒に連れて行ったくらいです。
子姫は捨て猫の子のせいか、ずっと回虫に悩まされていて、私が排便からそれを見つけては、病院に連れていくことの繰り返しでした。
子姫を飼って、一年が経とうとしていたある日――
泊まりがけで行ったある花火大会の夜のことです。
私が目を話した隙に、子姫は自分で宿の網戸を開けて、部屋を出てしまいました。
ベランダの縁に座っている子姫。
それを見つけた私は、驚いて「子姫~!!!」と大声で呼びました。
その直後です。子姫はこちらをしっかりと見て――、それからベランダを飛び降りたのです。急いで駆け寄り、子姫が飛び降りた先を見ると、子姫はそこにいて、もう一度しっかりと私を見上げました。
そして『ミャ~ォ』とひと鳴きし、子姫は芝の生い茂った山の方へ、行ってしまったのです。
その宿には急遽連泊し、翌日も子姫を探し、そして待ちました。
きっと戻ってきてくれると、信じていた時間でした。
――しっかりと私を見つめてくれた子姫。
しかし、待つも探すも空しく……
鳴き声もせず、姿すら見せてはくれませんでした。
パパに「諦めよう」と言われ、泣く泣く帰宅。
いつもは私の横に眠ってくれる子姫のいない夜。
私は、子供のように声をあげて、毎晩泣いていたのを今でも覚えています。
後になって聞いてわかったのですが、私が泣き続けていた時期、パパは仕事でその町に行っては、子姫を探していたのだそうです。
そのパパも、とうとう諦めた頃だったのでしょうか……
私がそれまで一度も飼ったこともなく、知識すら全くない――
忠誠心に満ち、決して人間を裏切らず、人間の愛をひたむきに乞う――
”犬”という生命と、出会うことになるのです。
このお話の続きはまた。
――はながうちに子になったのは(1/3)・つづく――
犬の名前:はな、そして猫の子姫
犬種:ミニチュア・ダックス・フント
飼主:はなここ
※本記事は著作者の許可を得て、下記のブログを元に再構成されたものです。
ameblo.jp――本記事は、下記の連載で構成されたものです――
第1話 本話です。
第2話 近日公開いたします。
第3話 近日公開いたします。
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