「0(ゼロ)」と「零(レイ)」の違いを説明していました。
「0(ゼロ)」は「全くない」という意味。
「零(レイ)」は「非常に少ない、でもわずかに何かある」という意味。
「0(ゼロ)」と「零(レイ)」はどのようにして生まれたのか?
実は、幕末まで日本では「何も無い事を表す数字」が無かった。
江戸時代のそろばんの教科書、塵劫記(じんこうき)を見てみると、
一、二、三、四、五、六、七、八、九、十と、ゼロという数字はなく1から始まっています。
現在、例えば「2725」という数字はこのように書きますが、
昔の日本では、漢数字で、「二千七百二十五」と表記していました。
しかし、江戸時代に中国から新しい数字の考え方が伝わってきて、「二七二五」と、位を表す漢字を表記しないという方法を取り入れたのです。
しかし、ここで1つ問題が。
例えば「2705」は、昔の表記では「二千七百五」となりますが、先ほどと同じように位を表す漢字を表記しないと、「二七?五」と十の位に当てはめる数字がなくなってしまったのです。
そこで、代わりに入れる記号として選ばれたのが「零」の文字だったのです。「二七零五」。
零にはわずかなという意味があったので、「何も無い」に1番近い意味として選ばれたと考えられる。
一方、「0(ゼロ)」はどのようにして使われるようになったのか
明治時代、算用数字を使った数字が日本で広まった。
そこで、「全く無い」という意味の「0(ゼロ)」が初めて日本の数学界に入って来た。
そして、その日本語訳として、「わずかな」という意味の「零(レイ)」という字をあてたのです。
しかし、なぜ今でも英語の「ゼロ」の読み方も残っているのでしょうか?
「レイ」という読みは、他にも「礼」「冷」「霊」「例」など色んな漢字で使うので、混乱を避けるため、数を数える時には「レイ」よりも「ゼロ」の読み方の方が広まっていった。
「レイ」と読むケースは他にもいくつかある。
降水確率0%(四捨五入され5%未満はゼロとなる)、午前0時、気温0℃は、それぞれ存在はしているので「レイ」と読みます。
(数学で少数をレイてんいくつと読むのも、「わずかにはある」というこれが理由ではないでしょうか。)