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ジプシーたちとの戦いが終わったかもしれない



こんにちは!神田です。




フミくん的に、手が汚れると「終わり」だそうです。

ニュルっとしたものが手についたりなんかした日には発狂ものです。



ポテチをお箸で食べるのは常識です。





でもフミくん。汚れるのが大嫌いなわりに、食べてる時によくこぼします。

汚れたくないならもっと気をつけて食べればいいのに、ぷぷ。

とか思ってます。



おわり














2017年8月14日(月曜日)
【オーストリア】 フェルトキルヒ
~【リヒテンシュタイン】 ファドゥーツ ~ 【オーストリア】 フェルトキルヒ





リヒテンシュタインなんてゴマ粒みたいな小さな国がスイスの端っこにチョボっと存在するなんて知ってる人のほうが少ないと思う。



俺もヨーロッパに来るまで1ミリも知らんかった。




リヒテンシュタインってなにがあるんだ?

スイスの中のイチ地域なんじゃないのか?



でも立派な独立国家なんだよなぁ。




1719年にはすでに今の形として存在していたそうで、独立は1806年。

現在人口は34000人くらい。


ミニ国家はだいたいどこもそうだけど、タックヘブンによる外国企業の誘致により、国民に対する直接税は免除されているそう。




こんな小さな国が国家として承認されているって、国の定義ってなんなんだろ?って不思議になってくるわ。



まぁ今回の南ヨーロッパ旅ではサンマリノやバチカン、モナコ、アンドラとミニ国家をたくさん回ってきたので、なんとなく慣れてはいるけども。


ヨーロッパは面白いなぁ。




















朝、マクドナルドに寄って朝マックを買い、いざリヒテンシュタインへと向かった。


これがちょっと心配。



おそらくスイス側からリヒテンシュタインに入るのはヨユー太郎なんだと思う。


通貨も同じフランだし、ほとんど同じ国内みたいなもんだろうから。





しかしオーストリアから入るのはどうなんだろ?

そこそこチェックも厳しいんじゃないかな。



この前スイスに入る時は楽勝だったけども、あれは運がよかっただけだ。





俺たちのシェンゲン滞在可能日数はあと2日。


明日には90日になってシェンゲン圏を出なければいけない状況なので、国境警察にお前ら出国のチケット見せてみろって言われてもおかしくない。


オーストリアの二国間協定を話せば済むことなんだけど、怪しまれたら入国拒否されるかもしらん。




リヒテンシュタインが今回の南ヨーロッパ旅の最後の国だ。何があるかは知らんけど、ここまできたら全部完璧にコンプリートしたいところ。


それに大事な用事もある。


なんとしても入国しないと。





















ドキドキしながらオーストリアのフェルトキルヒから車を走らせることわずかに10分足らず。


あっという間に国境のカスタムが見えてきた。







「ふぅー、落ち着いていきましょうか神田さん。あー、コーヒーが美味しいですな。」



「マクドナルドのコーヒー持ってるってめっちゃ普通の人感でてるからいいと思う!!バーガー美味しいね。」



「マクドナルドのハンバーガーをむしゃむしゃ食べてるアジア人ってアホっぽくて超無害な雰囲気出てるからそのままで行こう!!」



「アホっぽくないし!!」








ゲートの前に車の列ができており、ゆっくりと進んでいく。


見てみると、やはり他のシェンゲン圏とは違って素通りというわけにはいかず、国境警察が1台1台車のチェックをしている。


窓を開けてIDを見せるだけで通ってる車がほとんどだけど、脇に寄せられて個別チェックされてる車もいる。







ふうううう……………緊張するな。



若干、手に汗をかきながらマクドナルドのコーヒーを飲む。



頼むからなんも突っ込まれないでくれよー………………











そしてゲートにさしかかり、俺たちの番になった。




フロントガラスの向こうでこちらをじっと見ている国境警察。





2人して無害この上ない爽やか新婚カップルみたいな顔してゆっくり前に進んでいく。



僕ら超安全ですよー、虫も殺せない2人ですよー、世界平和とかヨユーで願っちゃいますよー、



あー!!この世が愛で溢れててマジハピネスウウウウ!!!!!


喜びを他の誰かと分かち合う、それだけがこの世の中を熱くするうううううううう!!!オザケンンンンン!!!!













見事、脇に寄せられて個別チェックスタート。





なんでだああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!

どっからどう見ても悪いことしなさそうなはずなのにいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!!!!!





もうこれしょうがないんだけどね。

俺たちの車はスロバキアナンバー。


スロバキアからヨーロッパの富裕国を回るジプシーってかなり多いから、警察もナンバーを見るだけで怪しんでくるんだよな。


なんか悪さするんじゃないのか?って職務質問してきて、俺たちが日本のパスポート見せたら、なーんだスロバキア人じゃないのかーってお巡りさんも笑顔になる。






いつものようにパスポートとレンタカーの書類を渡すと、オフィスに入っていった国境警察。



そしてしばらくして戻ってきた。




「リヒテンシュタインのどこに行くんだい?オザケンは好きなのかい?」



「日帰りでファドゥーツですー。オザケン当時めっちゃ流行りましたよねー。他の曲は知らないです。」




そんであっさり行っていいよーと言ってくれた。



ブーンと前に進むとリヒテンシュタイン入国オラァ!!


ちょっとドキドキしたけど楽勝だぜ!!!








「楽勝だったね!!やったー。」



「いやぁ今ってさ、車乗って、結婚してて、綺麗な服着て、どっからどう見ても怪しくないやん。それが4年前ってズタボロの服を着てズタボロのバッグを引きずって、穴の空いた靴を履いて、ガムテープがへばりついたギターケース持ってて、バッグにトロールの人形ぶら下げた変態が雨の中ノソノソと歩いて国境にやってきたら、そりゃ全裸にもさせられるよね……………」




あの頃、国境なんて常にヨユーと思ってたもんなぁ。


アウトチケットとか、偽チケット予約画面とか、そんな旅の小技なんてなんも知らんでアホみたいに国境に突撃してた。



そうしてモメてモメて、勉強して、慎重になって、今こうしてトラブルなしの旅ができるようになった。



今の俺たちに超えられん国境はない!!!

















さてさて、リヒテンシュタインというのは国ではあるけど町らしい町は1個しかない。


しかも超小さい町。名前はファドゥーツ。



国境から10分くらいでファドゥーツまでやってきたんだけど、あまりに小さいので少し離れたらソッコーで無料の路駐ポイントを見つけた。






田舎風景の中にある住宅地で周りを見渡すとアルプスの山々が見え、ワイン畑なんかが広がっている。


なんとものどかな、友達の家に遊びに来たような、懐かしくなる雰囲気。























ぼちぼち歩いて町に向かってみると、まぁ中心部もめっちゃ小さい。



山の中腹にお城がたっており、その下にほんのささやかなホコ天がのびていた。


お店もパラパラとまばらだし、人も少ないし、こりゃ路上なんかできんぞ?ってレベルに閑散としている。











ミニ国家ってだいたい小さな町しかないけど、その分そこに活気が集中して賑やかというのが今までの感じだったのに、このファドゥーツはマジで人が全然おらん。



ホコ天に並んでいるのは無機質で現代的な建物で、コンクリートで出来たお洒落なビルばかり。



そして歩いているのは50パーセントが中国人、20パーセントがインド人、10パーセントがイスラム、残り20パーセントが欧米人といった感じで観光客ばかり。



なにここ、全然面白くないなぁ……………






「カンちゃん、これ路上やる?」



「うーん、一応やってみる?」




一応ギターを抱えて演奏してみたんだけど、中国人が写真撮りまくってくるいつもの感じだ。














でもそんな中国人もインド人もムスリムも、一応ポツポツとはチップを入れてくれる。




ここ中国?





ここどこ?








あまりに閑散としてるし他にパフォーマーなんかおらんし、場違い感が半端じゃないんだけど、なんとか1時間やってみた。




悪くはないけどこりゃオーストリア戻ろうかな。















でもオーストリアに戻る前にやっておかないといけない大事なことがある。


リヒテンシュタインに来たのは路上よりもこっちのほうが大きな目的だった。



それはフランのコイン両替!!!



この2週間分の路上で稼いだコインが溜まり溜まってるので、これをなんとしても紙幣に両替しないといけない。


コインのまま持って出たらただの鉄クズになってしまう。






というわけで両替所に持ち込んでフランコインをユーロ紙幣に替えてもらうか、それとも銀行でフラン紙幣にしてもらうか、それとももういっそのこと円にしてもらうか色々考えた。


なにが1番得策だろう?



紙幣にさえしてしまえば、ユーロだろうとフランだろうと日本の銀行で換金できるはず。


ならばわざわざここでユーロとかの外貨に換金しておくのは二重の為替手数料が発生するし、無駄が多んじゃないか。




そんで色々話し合った結果、ここはフラン紙幣にしておくだけにしといた。



今ちょっとフランのレートも悪いし、日本に帰ってそのうちいいレートになったときに換金しようかな。



それにスイスは為替手数料が死ぬほど高かった記憶がある。

4年前もそれで相当お金を減らされたし。













というわけでホコ天の真ん中にあるナショナルバンクにやってくると、コインのカウンティングマシーンがあって、ここにザバーーーッとコインを流し込む。



手数料はこれ。




読めないけど多分、



この銀行のアカウントを持っていたら最低1パーセント、もしくは最大5フランの手数料。


アカウントを持っていなかったら最低5パーセント、もしくは最大20フランの手数料。



といった感じかな。



俺はもちろんアカウントを持ってないので下の手数料。


そして400フラン以上のコインを持っているので、最大20フランの手数料に該当する。







これかなり助かった。


10万円以上のコインがあるので、パーセントで取られていたら相当いかれてたことになる。


それが2300円で済んだのはスイスにしては奇跡レベルに良心的。





ちなみに窓口でスイスフランを日本円にしたらいくらですか?って聞いてみたんだけど、


正規レートが1フラン1.13円なのに対して、1フラン0.93円よーって言われた。




1フランで20円も違うて!!!!


10万円替えたら20パーくらいもってかれるやん!!





みなさんもスイスで換金するのはなるべくやめましょう…………

とんでもないことになります…………



















よっしゃ!!!!!


悩みの種だったフランコインの両替も完了し、これで完全にオーストリアに戻る準備は整った。


路上が面白くないリヒテンシュタインにこれ以上長居する必要もなし!!



と思ったら地元のオッちゃんが話しかけてきて、明日はリヒテンシュタインの独立記念日で食べ物や飲み物が無料で振る舞われて、王様とお話ができて、夜には素晴らしい花火大会が行われるんだよーと言う!!!




ぐううう!!ちょっと惹かれる!!!!


俺たち引きが強い!!!!







でももういいや。

そんなフェスティバルなら警察の規制も厳しくなるだろうし、向こうのほうに野外ステージも組んであるので、もしライブ音楽が始まったら路上なんかできん。



独立記念日から始まったスイス。

そしてリヒテンシュタインの独立記念日の前日にバイバイだ。

どっちも知らんかったけど。

















さてえええええええええ!!!!!!!




ついに!!!!




ついにオーストリアに戻るぞおおおおお!!!!!




ホームのオーストリアに戻るぞおおおおお!!!!





ファドゥーツから走ってあっという間にリヒテンシュタインの国境カスタムに到着!!!





反対車線は入国チェックで長い車の列ができているけど、出国ゲートは超放置プレイで素通り!!!!




そしてオーストリアこんにちは!!!




オーストリア、ガバガバ!!!


誰でもバッチコイ状態!!











そのまま走り慣れたフェルトキルヒの町中を地図も見ないで進み、スムーズに駐車場イン!!!



パーキングの値段、1時間70セント、1日チケットが3.3ユーロ!!



きゃあああああああああああああ!!!!420円で丸1日とか安すぎるうううううううううう!!!!


オーストリア好きいいいいいいいいい!!!!








そして歩いて2秒でフェルトキルヒの町中にやってくると、美しい川がきらめき、古びた塔や古城がそびえ、緑豊かな山並みに囲まれた中世の町並みが風格を漂わせていて、そこに流れる偉大な音楽家たちの不朽のクラシック音楽。




マジでオーストリア最高。


こんなにパーフェクトな国知らん。


ヨーロッパももうほとんどの国に行ったけど、その上でオーストリア最高って言える。














とにかく今は歌おうかなといつもの旧市街の中にやってくると、あ、他の人が演奏してる。


フェルトキルヒの旧市街の中にはたくさんのカフェが並ぶカフェ広場があるんだけど、そこの向かいで歌うとカフェのテラスに座ってるお客さんたちが帰り際にチップを入れに来てくれるという寸法だ。


去年ここで歌ってだいぶ稼がせてもらった。







が、残念ながら今日は先客がいた。


いつものジプシー家族だ。




相変わらず、本当ビビるんだけど、見事なまでに同じ曲、同じスタイルでやっている。


お父さんがギター、お母さんがタンバリン、そして小さな女の子がカホンにまたがってバンバン叩いており、歌ってる曲は3曲くらいを延々リピート。


さすがにもう俺も聞きすぎて覚えてきたわ。




去年は全然いなかったのに、マジでジプシーたちの間でめっちゃ大ブームを巻き起こしてるんだろうなぁ。


物乞いや新聞売りじゃなくて音楽のほうが稼げるらしいぞ、何やったらいいかわからんけど簡単なのやっとけばいいよ!!って感じだ。


レパートリーは3曲、リズムは全部一緒、コードは4個もあれば3曲全部いけるって感じのめっちゃ簡単な曲だ。



ただ複数人でハモりながらやるので派手に見えて目を引きやすいというのが強み。

実際きれいにハモってるのであれならおそらく結構稼ぐはず。







物乞いではなく明るい音楽にジプシーたちが転向してるのはすごくいいことだ。


紙コップを持って通行人に金をせびりまくってたあの陰気な人たちが、紙コップを楽器に持ち替えて演奏をして稼いでいる。


人々も笑顔でチップを入れ、ジプシー家族も笑顔でお礼を言っている。




素晴らしいことだ。

物乞いするくらいなら音楽やればいいのに、って前からずっと思っていたことが現実になっていってる。



これをインドで頑張らないと。

俺には俺のできることがあるはず。







休憩に入ったジプシー家族のところに行って何時までここでやります?と聞くと、あと1時間くらいかなーというお父さん。


あ、じゃあ僕は向こうでやりますねーと笑顔で言うと、家族も笑顔で親指を立ててくれた。


同じ路上ミュージシャン同士だとやり取りも楽だ。

















本当はあのカフェ広場がいつもの定位置だったんだけど、ここは同じ路上ミュージシャン同士尊重して離れた路地でやることに。



これが大正解だった。





広場よりも道幅が狭くて音が響くし、静かなので演奏が聞こえやすい。



それにここは広場とスーパーマーケットの真ん中なので人通りも絶えないし、どっちかって言ったらこっちのほうが俺向きだった。



みんな足を止めて演奏を聴いてくれ、ぽんぽんとコインが入っていく。


嬉しかったのは去年の10月にこの町でやっていたのを覚えてくれていた人たちが、戻ってきたのねー!!と声をかけてきてくれること。


ああ、居心地いいなぁ。

やりやすいなぁ。








するとそこに見覚えのある自転車のおじさんか通りかかった。




「あー!!ハルバルトさんー!!」



「ワオ!!フミ!!ナオ!!アフリカから帰ったんだね!!それに結婚おめでとう!!」




前回歌ってるところに声をかけてくれ、家でシャワーを浴びさせてくれたハルバルトおじさん!!


いつものように颯爽と自転車に乗って現れ、あの愛に溢れるハグをしてくれた。


ハルバルトさんのハグって本当に愛に溢れている。





そういえばあの時ってまだシュピッツで結婚する前のことだったんだよなぁ。


いい結婚式になることを祈ってるよって、出会う人みんなに言ってもらえてたなぁ。


ずっと昔のことのように思えるけど、まだ1年経ってないんだよなぁ。



あれからイギリス、バルカン、アフリカ、そして南ヨーロッパと、色んなところに行ったけど、たったの10ヶ月か。


本当に濃密な1年だったと思えるよ。






またいつでもシャワーを浴びに来なよ、いつだってウェルカムだよと言ってくれたハルバルトおじさん。


オーストリアをホームと感じるのは、こうしてたくさんの知り合いがこの国のあちこちにいることが1番の理由だよな。



これからまたオーストリアを巡る中でみんなに挨拶しに行こう。


素敵な結婚式をして、そして色んなところを旅してきた話をみんなに報告しに行かないとな。





















このサマーシーズンのチロルはさすがに観光客が多く、フェルトキルヒにもたくさんのサイクリストやマップを手に持った人たちが歩いておりとても賑やかだ。


でもリヒテンシュタインから移動してきて開始時間も遅かったので、2時間くらいしたところで人通りも減ってきた。



久しぶりのオーストリア最初の路上だったけど、今日はこの辺にしておくかな。






すると向こうのほうから小さな子供が走ってきて可愛らしくギターケースにコインを入れてくれた。

ありがとうとお礼を言うと、その女の子は笑顔でお父さんお母さんのほうに走っていった。




それを目で追っていって驚いた。




それはさっきのジプシー家族だった。




え!?ジプシー家族がチップを入れてくれた!!






こんなことまずないこと。


逆に彼らは俺が歌っているところにしつこくつきまとってきてギターケースの中のお金を分けてくれと横柄に要求してくる存在だった。


ずっとそうやって路上の物乞いジプシーたちと戦ってきた。



それがまさかチップを入れてくれるなんて!!!


しかもヨーロッパの人たちのように子供にコインを持たせて!!!!




「君はすごくいい声だよ。」



「いやいや、あなたの演奏も素敵ですよ。奥さんの声もいいハーモニーです。」



「いやいや、ぼくらなんてまだまだだよ。君はどこから来てるの?」



「僕らは日本です。みんなはどこから来てるんですか?」



「スロバキアだよ。向こうでは稼げないからね、こっちでこうやって稼いでるんだよ。」



「そうなんですね、でも僕はスロバキアも好きです。明日はこの町で演奏するんですか?」



「いや、次の町に移動するよ。頑張ってね。いい旅を。」




少しお話をしたんだけど、家族みんな終始ニコニコと笑顔で、とても暖かいいい雰囲気だった。


彼らは今まで見てきたジプシーとは違い、綺麗な服を着て、奥さんもキチンとお化粧をしていた。



もしかしたら路上パフォーマンスでちゃんと稼げているのかもしれない。








すごく心がホッとした。


今までヨーロッパで路上をやってきて、毎日のようにジプシーたちに群がられて金をせびられ、さらに演奏を聴いてくれてるお客さんたちにも金をせびりに行って妨害されたり、本当に心を乱されていた。



それがどうだ。なんて変化だ。



今日だけではあるけど、去年あんなに町に溢れていたジプシーの新聞売りは1人もおらず、代わりにいたジプシー家族とこんなにもお互いを尊重し合って会話をすることができた。





ヨーロッパの、ジプシーに関わる締めつけはきっと日々きつくなってるんだと思う。


新しい法律が出来て、彼らの居場所はどんどんなくなっていってるのかも。



しかしそんな中でも彼らは紙コップを楽器に持ち替えてたくましく生き抜いている。


町の人たちに少なからず受け入れられながら、笑顔でチップをもらっている。





彼らの演奏にはまだ若干の悲壮感はある。


でも確実に町を明るくしている。



パフォーマーが増えていることで路上の規制が厳しくなっていることは事実だけど、それは俺たちみんなが気をつけてルールを守っていけばいいだけのこと。


路上を明るくして、町を明るくすることが俺たちの仕事だ。





あー、初めてヨーロッパに来た時からずっと戦っていたジプシーだったのになぁ。


これでまたヨーロッパの路上がより理想的な形に近づいたよ。














路上を終えたら晩ご飯の買い出しにスーパーに行ったんだけど、まぁテンションぶち上がる。









全部やっすい!!!!!!


スイスの半額!!!!!



このサラダバーがなんと大パックで2.5ユーロ!!!!320円!!!!奇跡!!!









スイスだったら800円はする!!!!800円で済んだらいいほう!!!!



お肉も野菜もすっごく安くて、今日はオーストリアに戻ってきた記念で鍋をすることにした。








と、その前にまだちょっと時間が早いので先にマクドナルドで軽くネット作業することに。



スイスのマクドナルドは1番安いエスプレッソで370円したし、買い物しないとワイファイ使えないし、しかも1時間のみというケチっぷりだった。




それがオーストリアのマクドナルド!!!


ネット無制限使い放題!!!!


しかもスピード早い!!!!




しかもコーヒーが1.7ユーロ!!!!220円!!!



しかもフェルトキルヒなどがあるスイスとの国境付近は若干オーストリア内でも物価が高くなっているので、普段ならコーヒーは1ユーロ!!130円!!!



オーストリア、マジで居心地よすぎる!!!!!













快適なワイファイでサクサク作業をしたら、車を走らせて郊外の静かな道端に車を止めて寝床に決めた。


カンちゃんが作ってくれたのは生姜たっぷり味噌煮干し鍋。






ぐおおおおおおおおお!!!!!!


煮干しダシがきいてるううううううう!!!!!


生姜が爽やかああああああああああああ!!!!


白菜うめええええうえええええええ!!!!!





締めには辛ラーメンの麺だけを投入!!!!





ゲロンチョうめぇえええええええええ!!!!!







オーストリア最高です。


物価のストレスゼロ。


ワイファイ問題もマクドナルドがどこにでもあるからストレスゼロ。


ジプシー問題も解決し、もはや最強のホーム。




さぁ、ここで次の国に向けてキッチリ稼ぐぞーーーー!!!!!


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