「日本と欧米のゲーム開発の違い」 は緑茶と砂糖? :スプラトゥーン2のゲームデザイナーが語る
過去に『メタルギア ソリッド V ザ・ファントム・ペイン』や『バイオハザード 7』の開発に携り、任天堂で2人しかいない欧米人の内の1人としても有名なゲームプランナー、Jordan Amaro氏がRolling Stoneのインタビューで語った、欧米と日本のゲームデザインの相違性が注目を浴びています。以下に一部を抜粋。
日本と欧米のゲーム開発の違い
KONAMIで小島監督のもとで働いていた時、「欧米で得た知識」が日本のゲーム開発において支障になったとおっしゃいましたよね?
支障と言うのは適切ではないかもしれません。チームの方向性とは別の考えに固執してしまうことが支障だと考えています。知識だけでなく言語や、ゲームに対する気付きに対してもそうです。
『スプラトゥーン』の開発でも見られることですが、『オーバーウォッチ』と『スプラトゥーン』を比べると全く異なるゲームだと言えます。『オーバーウォッチ』はセルフサービスゲームなんです。ゲーム起動したら「このモードが好きだな。キャラはこいつが好き。好きなキャラで好きなモードとマップだけずっとやろう」と思うでしょう。つまり「やりたいことをやれる」ゲームなんです。
しかし日本では違います。日本のものは全て仕立てられています。 Sheena Iyengar氏のTED talkの”日本のレストランで緑茶といっしょに砂糖を注文したら店員に「緑茶に砂糖は入れませんよ。ウチでは砂糖を取り扱っていません」と言われ断れました。緑茶の代わりにコーヒーを頼んだら、一緒に砂糖が付いてきた”というお話をご存知でしょうか。
この話でわかるのは、日本には「これはあなたのために作っています。私達がお出しする方法がこれを一番楽しめるんです」という感覚があります。この感覚は『スプラトゥーン』にもあって、マップとモードが時間ごとにローテーションするようになっています。
「なんでゲームを買ったのに自分が遊びたいように遊べないんだ?」という考え方を我々はしません。確かにあなたはゲーム購入はしました。しかしゲームを作ったのは私達で、どのように楽しまれるべきかについてはとても自信を持っています。前述のような考えを克服し、私達の考えについてきてください。そうすればこのゲームを一生楽しめるでしょう。絶対に気に入ってくれるハズです。
私たちが思う「これがやりたい」をあなたは、私達以上にわかっている。ということですか?
あなたがまだ知らない「やりたいと思っていること」をわかっていると言えます。あなたは自分で自分がやりたいことをわかっていると思うでしょう。しかし私たちは、ゲームをあなたが理解したときに欲しくなるものがわかっています。
プレイヤーが開発者に協力する努力はあっていいものだと思います。言い換えればレストランのコースメニューのようなものです。メニューはレストランの前に置いてあるので、レストランに入る時、あなたは何を食べるか自分自身でわかっていますよね。お店に入ったとたん別のものを食べようとしたら、事情が変わってしまいます。
『スプラトゥーン2』では、サーモンランが常にプレイできない理由を知りたがっている人がいますが?
ゲームディレクターではないので、それについて話すことはできません。ただ言えることはたくさんの理由があるからです。オンラインでいつでもサーモンランをプレイできるようになると、それが皆さんの体験を今より悪いものにしてしまう。我々を信頼してください。
以上です。「日本のものは仕立てられている」との発言もありましたが、スティーブ・ジョブズやヘンリー・フォードが語った「素人の顧客の意見を聞きすぎる」、「顧客は自分が何が欲しいのかわかっていない」という、Appleやフォード製品にも近い設計思想なのかもしれません。
主に西洋での人気が高いシュータータイトルに、日本の、メーカー主導のサービスを組み込んだことが、『スプラトゥーン2』が国産ミリオンセラータイトルに育った理由の1つなのでしょうか。
『スプラトゥーン2』は絶賛発売中で、対象プラットフォームはNintendo Switch。
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Source: rollingstone.com
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洋ゲーをプレイしてて他の人に聞かれたときに困るのは「これは何するゲーム?」って質問だな
特にskyrimとかGTAとかやってる時にはなんて言ったらいいか考え込んでしまった
見知らぬゲームを見た時に「何をするゲーム?」か「何ができるゲーム?」 どっちの疑問が思い浮かぶかで洋ゲー脳か和ゲー脳かが分かると思う
ゲーム外だが、アメリカ進出したラーメン店がテイクアウト頼まれたのを「伸びるから」と断ったらひと悶着あって賛成意見が殆ど無かった話と似てるな。
「最高の状態で出さないと失礼」という考えがない。
ゲームを単純に遊具として提供しているのか、はたまた開発者の意図したプレイ体験を届けるための媒体として利用しているのか、の違いだね。引き合いに出されているappleも単純な道具を提供するんではなく製品を通じてライフスタイルそのものを提案しているという部分で確かにそういうゲームと共通する部分があるかも。
でも、だとすれば「仕立てられている」サービスの提供方法というのが日本独特のセンスだとは思えないな。単に提供者個人の性質の問題な気がする。
冗談抜きで
外人の意見を取り入れたり、外人向けにした
和ゲーはことごとく駄作になるからやめとけ
和ゲーは和ゲー
洋ゲーは洋ゲー
の良さがあるからな