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中3女子、警察をも欺く手の込んだ偽装工作 被害女性はチケット配送記録で潔白証明
徳島県警 誤認逮捕更新誤認逮捕された愛知県豊田市の専門学校生の女性(21)に成り済ましたとして詐欺容疑で書類送検された京都市の中学3年の女子生徒(15)はツイッターで、人気アイドルグループ「関ジャニ∞」のコンサートチケットの売買交渉をするなど女性と直接やりとりし、個人情報を入手、利用していたとみられることが11日、徳島県警三好署への取材で分かった。
三好署によると、女子中学生はツイッターで知り合った女性と8万円でチケットを購入する約束をし(図の1)、女性の名前や口座番号などを入手したとみられる。同時期に自身が開設したアカウントに「チケットを譲ります」と投稿。誤認逮捕された女性に成り済まし、連絡してきた徳島県内の女子高校生ら2人と売買契約をし、女性名義の口座に4万円ずつ計8万円を振り込むよう指示したという(図2)。女子中学生は、チケット販売サイトに女性名義でチケットを出品(図3)。落札した別の人物からサイトを通じて約6万円を受け取り(図4)、女性にはこの人物宛てにチケットを送らせた(図5、6)。女性は代金の8万円が入金されていたため、疑問に思わなかったとみられる。チケットが届かなかった女子高校生が署に相談して発覚した。
女性が釈放後、郵便局から取り寄せたチケット配送記録の控えを徳島地検に提出して誤認逮捕が判明。女性側は「憤りを感じている。今後、こうしたことのないようにしてほしい」と話しているという。
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転売できない仕組み必要
甲南大法科大学院の園田寿教授(刑法)の話 パソコンやスマートフォンといったハイテクなツールが発達したことにより、詐欺などの知能犯罪が中高生でも可能になってきた。相手の顔が見えないインターネットの世界では、巧妙なシナリオを描けば大人をだますこともできる。また、ネット上でのチケット売買に絡む犯罪も増えていく可能性があり、チケットと個人情報を結び付けて特定の人物しか使用できなくするなど、転売できない仕組みをつくる必要がある。