歯肉炎の治療として抜歯をしてから、シャケはすっかり元気になった。
”いやーよかったねー”などと言っていたのだが、先日、妻から、”またシャケの歯茎が赤くなっている”という報告があり、状況としては、前回ほど腫れぼったいわけではなく、口臭もしていないし、残っている歯がぐらぐらするということもない、そんな感じであった。
でも、やはり心配なので、僕たちはシャケを伴って病院に向かったのだった。
今回、僕たちが向かったのは、妻の知人から紹介していただいた病院である。
前回かかった病院も良かったのだが、諸々の事情があり病院を変えることにした。
その病院の獣医にこれまでの経緯を説明し診察してもらったところ、『猫慢性口内炎』という病名が付いたのである。
これがどういう病気かというと、白血球が歯を攻撃して炎症を引き起こす、というもので、これは、その猫が持って生まれた体質なので完治するのは難しい、ということだった。
しかしシャケの場合は、抜歯してから一定期間が経過してのこの状況であれば、これは完治していると言えなくもない、ということであった。
今後さらに歯茎の腫れが進行するなどした場合は、残った歯も抜く処置が必要になるそうである。
そこで僕はある疑問が浮かんだ。
”歯がなくなっても大丈夫なんですか?”
”大丈夫です”
”えっ?”
”猫の歯にはすり潰すという機能がなく、カリカリのドライタイプのキャットフードであれば、今でも噛まずに丸のみをしている、だから歯がなくなってもなんの問題もありません、キャットフードを食べている時にカリっという音がどのくらい聞こえるか確認してみてください、ほとんどしていないはずです”
”ほー”
野生の猫であれば、獲物を捕まえたり、その獲物の皮を剥がしたりするのに歯が必要だそうだが、獲物などを捕まえたりしていない飼い猫には歯は必要ないそうである。
でも、歯がなくなるほど病状が進行しないことを祈るばかりである。