近年、予防医学という概念が日本でも注目を浴びるようになり、さまざまな場所でこの言葉が聞かれるようになりました。

では、アメリカでは今や常識となっている予防医学というのは一体どういうものなのでしょうか。

このままでは日本人は予防医学に取り組まないと破産してしまう恐れがあります。

この記事では、予防医学の概念からアメリカなど海外での実態、日本の現状や将来について解説してみました。

予防医学の概念

予防医学とは、病気にかかっていない時から健康に気を配り、栄養、運動、その他の生活習慣を良好にして、病気になりにくい状態を維持することを指します。

ちなみに、予防医学の反対の概念が治療医学です。治療医学とは、既にかかってしまった病気を治すことを指します。

予防医学のための行動は大別すると、次の2つに分けられます。

  • 食生活や日常の運動、睡眠、その他の生活習慣を健康に寄与する状態にする
  • 定期的に検査を受けて、病気が取り返しのつかない状態になる前に発見することを心がける

予防医学が必要とされる理由

最近になって予防医学が大きな注目を上げるようになったのには理由があります。

その理由とは、第一に医療費の高騰です。

医療技術が進歩して日本人の寿命が延びた結果、老人の数が増えていきました。老人の場合、どうしても若い人よりも病院にかかる機会が増えてしまいます。

そのため、医療費も年々増大していきました。

このままのペースで医療費が膨らみ続けると、やがて日本の健康保険制度は持ちこたえられなくなる時期が来ます。

この増加し続ける医療費を抑制するという目的から、予防医学が唱えられるようになってきました。

予防医学はそもそも、あまりお金がかからない行動が多いので、個人も国家もお金の節約という点では、大きな効果を上げることが可能です。

第二の理由は予防医学によって自分をしっかり管理していれば、病気にかからないか、もしくはかかってもすぐに治る、ということが多くなる、という点です。

例えば、糖尿病は生活習慣が原因になることが多く、お酒の飲み過ぎやカロリーの過剰摂取による肥満、運動不足といった生活を続けているうちに、糖尿病が悪化してしまいます。

そのため、まず検査を受けてみて、もしも糖尿病に近い状態というのが分かれば、生活習慣を改善することで糖尿病を予防することができます。

糖尿病は発症する前に予防できれば、本人にとっては人生で大きな負担を背負うことを避けることができ、国や社会としても大きな治療費の負担を防ぐことができるので、予防医学は双方に多大なメリットを与えることになります。

海外の予防医学

海外、特にアメリカやユーロ諸国などでは、日本に比べて予防医学が進んでいて、積極的に予防医学に取り組んでいます。

なぜ予防医学に積極的に取り組むのかといえば、特にアメリカの場合、医療費が非常に高いので、普段から予防医学によって病気にかからないよう自分の身体に注意しておかないと、経済的に破綻し、生活が成り立たなくなる可能性があるからです。

日本の場合、健康保険があるため、病気にかかったからといっても破産するほどのことになったり、医療費が払えないから病院に行けない、というようなことはあまりありません。

この点は素晴らしいことで、今後も維持していきたい制度ですが、そのためにアメリカ人よりも日本の国民は予防医学の意識が弱い、という結果が生じています。

更に、先ほども触れましたが、日本の健康保険制度が破たんしたとしたら、、、考えるだけで不安ですね。

日本の健康保険制度が破たんしようがしまいが、予防医学に取り組み、医療費も病の進行も最小限に止めるべきですね。

予防医学の将来

予防医学は将来的にはさらに進歩して、医療の中心的な営みの一つとなっているでしょう。

具体的には、予防医学に関しても健康保険の適用があったり、予防医学関連の施設や商品開発などの事業が盛んになっていくと予想されます。

また、予防医学に関する税金の控除といった特典も、普段から健康に配慮している人などに与えられる可能性があります。

そして、教育機関などでも自分自身の身体は自分で守るという、予防医学の概念がしっかりと教育されていくことになるでしょう。

このように、予防医学の進歩によって、これまでの医者任せ、病院任せの医療から、個人が普段の生活から医療に取り組んでいくというスタイルに大きく変化していくことが予想されます。

その結果、予防医学の進歩によって病気に苦しむ人が減り、国家の財政状態も改善されるなど、さまざまな良い状態が広がっていくことでしょう。